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ラグビー コラム 2023年9月30日

南アフリカ、トンガとプール最終戦。ミッションは勝ち点5でのベスト8進出。ラグビーワールドカップ プールB

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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南アフリカvs.トンガ

ラグビーワールドカップ2023はプール戦の終盤に入り、10月1日(日)はマルセイユの「スタッド・ドゥ・マルセイユ」で、プールBの南アフリカ世界ランキング3位)vs.トンガ同15位)が行われる。

大会連覇を狙う南アフリカ代表はスコットランド、ルーマニアに連勝。ボーナスポイントも獲得して臨んだ、先週のアイルランド戦では、ブレイクダウンで優位に立つことができず、8-13で敗戦。この試合がプール最終戦となり、4トライ以上の勝利で勝ち点5を得て、決勝トーナメント進出を決定させたい。

◆プールB 順位表
1位 アイルランド:勝ち点14(3勝0敗)
2位 南アフリカ:10(2勝1敗)
3位 スコットランド:5(1勝1敗)
4位 トンガ:0(0勝2敗)
5位 ルーマニア:0(0勝2敗)

※4・5位は得失点差

南アフリカ代表のジャック・ニーナバーHC(ヘッドコーチ)は、アイルランド代表戦からFW(フォワード)、BK(バックス)合わせて12名の先発を変更した。引き続き先発するのは、キャプテンのFL(フランカー)シヤ・コリシ、LO(ロック)エベン・エツベス、NO8(ナンバーエイト)ジャスパー・ヴィザの3人のみとなった。

南アフリカのスタメン

FW第1列はPR(プロップ)オックス・ンチェ、ヴィンセント・コッホ、HO(フッカー)デオン・フォーリーの3人で構成。LOはエツベスとマーヴィン・オリーのコンビとなった。

前の試合でメンバー外だったドゥエイン・フェルミューレンとコリシがFLに入り、NO8ヴィザの3人でバックローを務める。なお、フェルミューレンは2018年以来、スプリングボクスでは3度目のFLでのプレーとなる。

BKは総入れ替えとなり、HOマルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)の離脱により追加招集されたSO(スタンドオフ)ハンドレ・ポラードが昨年8月以来のテストマッチ復帰となり、SH(スクラムハーフ)コーバス・ライナーとハーフ団を組む。ポラードは「この試合の準備には自信がある。自分に期待するのは、自分を表現すること、そして完璧ではないことを知った上で楽しむことだ」と語った。

CTB(センター)はアンドレ・エスターハイゼンとカナン・ムーディ、WTB(ウイング)マカゾレ・マピンピとグラント・ウィリアムズ、FB(フルバック)には昨季までトヨタヴェルブリッツでプレーしたウィリー・ルルーが入った。

リザーブには、HOマルコ・ファンステーデン、PRスティーブン・キッツォフ、PRトレヴァー・ニャカネ、LO/FLフランコ・モスタート(三重ホンダヒート)、FLクワッガ・スミス(静岡ブルーレヴズ)、SHジェイデン・ヘンドリクス、SOマリー・リボック、CTBジェシー・クリエル(横浜キヤノンイーグルス)が控える。

ニーナバーHCは「とにかく勝ち点5が必要だ。ゲームプランという点では、この試合で少し違ったことを試してみて、それがうまくいくかどうか確かめるつもりだ。結果はとても重要だが、準々決勝やトーナメントに出場する機会を得るには、それを修正する必要がある。その点を修正しなければ、おそらくこの大会は長くは続かないだろう」と先を見据えた。

スプリングボクスのキャプテンとして50キャップ目となるFLコリシは「(50キャップは)正直夢にも思っていなかった。楽しかったし、友達がやっていたし、ラグビーをやっていれば悪いことは起きない」。

「私の役割は、キャプテンとして最初にプレーした試合から変わっていない。シンプルに、いいプレーをして、審判と話をするだけだ。正直なところ、今のチーム、選手たち、マネジメント陣がいなければ、私はここまでキャプテンとして長続きしなかったと思う」と話した。

一方のトンガ代表はアイルランド代表、スコットランド代表に敗れ連敗。勝ち点をまったく取れず、プールBの4位と厳しい状況にある。トウタイ・ケフHCは、FW1名、BK2名の3名の先発を変更した。

トンガのスタメン

FWは、NO8ヴァエア・フィフィタが4試合の出場停止のため、NO8には2キャップの若いセミシ・パエアが入った。PRジークフリート・フィシオイとゲームキャプテンのベン・タメイフナ、HOパウラ・ヌガウアモが3試合連続でフロントローを構成する。LOはレヴァ・フィフィタ、サム・ラウシ、FLタンギノア・ハライフォヌアとシオネ・ハヴィリ・タリトゥイが引き続き先発する。

BKは、SHオーガスティン・プル(日野レッドドルフィンズ)と、ここまでキック成功率100%のSOウィリアム・ハヴィリのハーフ団は初戦から変わらない。CTBピタ・アーキと元オールブラックスのマラカイ・フェキトアの2人が引き続き入った。

両翼は入れ替え、WTBアフシパ・タウモエペアウがベンチに下がり、ワールドカップデビューとなるアンジェロ・ツイタヴキと、ソロモネ・カタに替わってフィネ・イニシが先発に入った。FBにはワールドカップ後に静岡ブルーレヴズでプレーするシアレ(チャールズ)・ピウタウが務める。

リザーブは他にHOサミュエル・モリ、PRタウ・コロマタンギ、ソセフォ・アピコトア、元ワラビーズのLOアダム・コールマン、朝日大学出身のFLシオネ・ヴァイラヌ、SHソナタネ・タクルア、CTBパトリック・ペレグリーニがベンチ入りした。

ケフHCは「常に世界最高の相手と自分を試したいと思っている。その機会を楽しんできた。ボールをキープし、相手にプレッシャーをかけ続けることが、これまでできていなかった。この試合は3度目の正直でベストを尽くしたい」と意気込んだ。

ゲームキャプテンのPRタメイフナは「スコットランド戦は55分までは4、5点差だったので、ティア1の国々と互角に戦えることが証明された。アイルランド代表やスコットランド代表が、もう少しボールを動かす傾向があるのに比べ、南アフリカ代表はまっすぐ、よりダイレクトに走るのが好きだ。彼らはビッグボーイだ。スクラムを中心に化学反応を起こす傾向がある」とディフェンディングチャンピオンを警戒した。

両者の対戦はわずか2回だが、いずれも南アフリカ代表が勝利している。だが、2度目の対戦となった2007年ワールドカップの対戦はフランスのランスで行われ、30-25と僅差だった。ワールドカップでは今回が2度目の対戦となる

南アフリカ代表、トンガ代表とともにフィジカルに自信があるチーム同士の激突は、現地10月1日(日)午後9:00(日本時間2日午前4:00)にキックオフされる。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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