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ラグビー コラム 2023年9月29日

フィジーが4大会ぶりの決勝トーナメント進出に王手をかけるか、それともジョージアが望みをつなぐか。ラグビーワールドカップ2023プールC注目カード展望。

ラグビーレポート by 直江 光信
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オーストラリアが9月24日のウェールズ戦に6-40と大敗し、プールマッチ2敗目を喫したことで、そのオーストラリアからすでに白星を挙げているフィジーの2007年大会以来のベスト8入りが現実味を帯びてきた。現在1勝1敗ながら勝ち点6でプールCの暫定2位につけ、残るジョージアポルトガルとの2戦で勝ち点7を取れば決勝トーナメント進出が決まる。ウェールズとの初戦でも26-32と熱闘を演じており、トップ8にふさわしい実力を備えていることにもはや疑いはない。

第3戦(日本時間10月1日00時45分キックオフ@ボルドー)で対峙するジョージアは、試合前時点のワールドラグビーランキングは14位。同8位のフィジーにすれば、負けられないプレッシャーがかかる難しい状況ではあるものの、チームとしてはむしろ待ち望んだ試練だろう。中12日と試合間隔も十分あり、万全の状態で臨んでくるはずだ。

一方のジョージアは初戦でオーストラリアに15-35と敗れ、続くポルトガルとの第2戦は終了間際のトライで辛くも追いついてのドロー(18-18)。ポイントテーブルでは勝ち点2の4位と、ここまで思うような結果を残せていない。ウェールズとの最終戦まで決勝トーナメント進出の望みをつなぐためには何としてもこのゲームでの勝利が必要で、こちらも強い意気込みで挑んでくるだろう。

ここまでの戦いぶりを振り返ると、看板のスクラムをはじめFWの破壊力がかつてに比べてややスケールダウンし、接点のバトルで圧力をかけきれないことが苦戦の要因となっている。ただBKにはセンス抜群のFBダヴィト・ニニアシヴィリや決定力が魅力のWTBアカキ・タブツゼら新たな才能が現れ、チーム全体の総合力は着実に向上中。2022年はイタリアに28-19、ウェールズに13-12とティア1勢から勝利を挙げており、今大会のオーストラリア戦も敗れたもののチャンスは数多く作れていた。初戦の硬さと暑さによるハンドリングエラーがなければ、もう少し違う内容になっていた可能性は十分ある。

ちなみに両者は過去6度テストマッチを戦っており、戦績はフィジーの4勝1敗1引き分け。2019年の前回大会で1度だけあるワールドカップでの対戦も、フィジーが45-10と完勝を収めている。ただ直近の対戦(2021年11月20日)は15-15と引き分けており、ジョージアもいいイメージを持ってキックオフを迎えられるだろう。

 

発表された登録メンバーを見ると、フィジーはオーストラリア戦の先発15人のうち、14人をそのままスターターに起用してきた。替わったのは右WTBセレスティノ・ラヴタウマンダだけで、いい流れを継続しようという意図がうかがえる。なお23人中2021年のジョージア戦に出場しているメンバーは、PRエロニ・マウィ、HOサム・マタヴェシ、NO8ヴィリアメ・マタ、CTBチョスア・トゥイソヴァ、キャプテンのCTBワイセア・ナヤザレヴ、リザーブのPRペニ・ラヴァイ、FL/NO8アルバート・トゥイスエ、SHフランク・ロマニ、CTBヴィリモニ・ボティトゥの9人だ。

 

対するジョージアは前週から大幅に布陣を変更し、HOテンギズ・ザムタラゼ、LOラシャ・ジャイアニ、FLミヘイル・ガチェチラゼ、NO8トルニケ・ジャラゴニア、SHヴァシル・ロブジャニゼ、LOルカ・マトカヴァ、CTBデムル・タプラゼ、FBミリアン・モデバゼの8人が新たにスタメンに名を連ねた。このうちガチェチラゼはこれがワールドカップデビュー戦となる。また欠場するキャプテンのCTBメラブ・シャリカゼに替わってギオルギ・クヴェセラゼが13番から12番にシフトし、前節FBのダヴィト・ニニアシヴィリは11番に回った。

プールマッチも後半戦に入り、決勝トーナメント進出をかけた順位争いはいよいよ佳境に差しかかってきた。ここからは生きるか死ぬかの戦いが続くだけに、どの試合も今まで以上に熾烈な激戦となるだろう。

フィジーがアンストラクチャーの状況を得意とするのに対し、ジョージアは頑健なセットプレーを軸にFW戦から試合を組み立てるのがおなじみのスタイル。対照的な持ち味の両者だけに、どちらが自分たちの土俵に引き込めるかという点がこの試合の大きな見どころだ。フィジーが存分に走り回るのか。それともジョージアが気迫のコリジョンでねじ伏せるのか。好ゲームの予感はある。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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