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先発復帰し、トライを決めた三木皓正
2019年、ラグビーワールドカップ日本大会で使用されたエコパスタジアム。桜の戦士たちが戦ったこの会場で、関西大学リーグ第2節が行われた。京都産業大学の相手は、前節天理大学に肉薄し、実力を見せた摂南大学。強力留学生を中心としたパワフルなプレーが特徴だ。前節は立ち上がりが悪く、先制点を許した京産大としては、試合開始直後から気を引き締めたい。
張りつめる緊張を破ったのは、SO(スタンドオフ)辻野隼大(済3=京都成章)だ。ハーフウェイライン付近から一気に敵陣に切り込み、NO8(ナンバーエイト)シオネ・ポルテレ(現2=目黒学院)が3枚のディフェンスをかい潜り、ノーホイッスルトライ。先週の課題をしっかりと修正し、先制点を挙げた。
しかし、4分にはディフェンスの隙を突かれ、相手に得点を許す。その後も点の取り合いが続く。前半7分、ラインアウトから敵陣でフェイズを重ね、最後は今試合から出場の大黒柱・FL(フランカー)三木皓正(済4=京都成章)がディフェンスラインを突破し、インゴールに飛び込み、14-7とした。
SOを務めた辻野隼大
13分、相手ボールのラインアウトをマイボールとし、CTB(センター)小野麟兵(済3=京都工学院)の激しいゲインで敵陣へ。相手のハイタックルを誘い、辻野がPG(ペナルティゴール)を狙った。17-7となり、リードを広げた。
逆に17分には、逆に京産大がハイタックルでピンチを生む。自陣ゴールライン前でラインアウトモール。モールディフェンスで粘るも、留学生に走り込まれ、追加点を許した。
取られたら取り返す京産大。敵陣22mライン付近でラインアウト。モールでゲインし、FWがじりじりとライン際まで攻め込む。最後はヴェア・タモエフォラウ(現4=札幌山の手)がグラウンディング。22-14となった。前半はモールディフェンスに課題が見られ、33分にも得点された。
昨年から京産大が課題としてきたラインアウト。今試合ではミスが一度もなく、攻撃の起点となった。「なるべく速く動いてボールを確保するようにした」と三木キャプテン。
ラグビー 関西大学リーグ2023
【ハイライト】京都産業大学 vs. 摂南大学|FW戦で優位に立った京産大が静岡で開幕2連勝
前半ラストワンプレー、SH(スクラムハーフ)土永旭(営3=光泉カトリック)のハイパントの処理を相手がミスし、敵陣でのラインアウトモール。会場では「押せ!押せ!」コールが響く中、HO(フッカー)李淳弘(営3=大阪朝鮮)がインゴールまで運び、32-21で試合を折り返した。
キックや素早い球出しでチャンスを作った土永旭
後半最初の得点は京産大のPG。この日は4回PGを狙う、手堅い試合運びとなった。廣瀬佳司監督は「そこはグラウンドレベルでの判断に任せている。今日はスコアファーストでいきたかったということ」と話す。計12点追加し、勝敗に大きく影響した。
11分、敵陣深くでマイボールスクラム。相手のペナルティの繰り返しで3回組み直した。最後は押し込んだ後、FL松永壮太朗(済3=京都工学院)が持ち出しトライ。スクラムで粘り、得点できたのはチームとしても大きな成果だった。
その後、自陣でディフェンスの時間が続くが、相手のミスで陣地回復。ヴェアとテビタ・ポレオ(現4=日本航空石川)のカウンターラックでターンオーバーし、BK(バックス)がパスを繋ぎ、最後は公式戦初スタメン出場となったFB(フルバック)小林修市(営2=京都成章)がトライ。じわじわと点差を広げ、50-21とした。
後半33分、京産大のペナルティから自陣深くでラインアウトモール。強固なモールディフェンスでゲインさせない。モールが解消し、運び出されるも松永のジャッカルでピンチをしのいだ。ラストワンプレーで相手にトライを許したが、50-28で試合を終えた。
試合後、廣瀬監督は「取って取られてのゲームになったが、最後はFW(フォワード)で力の差を発揮してくれた。次節に向けてディフェンスを修正したい」と試合を振り返った。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)を獲得した三木は「パフォーマンス自体は周りに助けられてばかり。不甲斐ない試合だったが、次に向けて良い学びとなった」と全く現状に満足せず、さらに上を目指す。
試合前はケガ人が多いことが1つの不安要素だった。しかし、今回初のスタメン出場となった小林や、リザーブ入りし、出場機会が回ってきたHO太田陽介(済4=大分東明)、SO尾崎恵大(営2=光泉カトリック)など、チャンスを得た選手がそれぞれ自分の仕事を全うし、チームを力づけた。
ワンチームとなって、全員で戦い抜くことが勝ち進むための必須条件だ。次節は10月8日の立命館大学戦。ワンチームでさらに白星を重ねたい。
文/写真:藤田芽生(京産大アスレチック)
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