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ラグビー コラム 2023年9月23日

【ハイライト動画あり】日本のライバル2カ国が激突。ロースコアゲームでアルゼンチンがサモアに勝利。ラグビーワールドカップ プールD

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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サモアの「シバタウ」を迎え撃つアルゼンチン

フィジカルが武器の両チームの激突は接戦となった。9月22日(金)は日本との対戦が控える、プールDのアルゼンチン代表世界ランキング10位)と、サモア代表同11位)が、サン=テティエンヌのスタッド・ジェフロワ=ギシャールで対戦した。

イングランド代表との初戦を10-27で落としたアルゼンチン代表は何としても勝利したい試合だった。キャプテンHO(フッカー)フリアン・モントージャ、三重ホンダヒートでプレーするFL(フランカー)パブロ・マテーラ、SO(スタンドオフ)サンティアゴ・カレーラス、CTB(センター)マティアス・モローニ、WTB(ウイング)には、マテオ・カレーラス、エミリアーノ・ボフェリらが先発した。

ベンチにはベテランSH(スクラムハーフ)トマス・クベリ、2015年大会の得点王であるベテランSOニコラス・サンチェスが名を連ねた。

初戦はチリ代表と対戦し、43-10と快勝したサモア代表。LO(ロック)に共同キャプテンのクリス・ヴイ、NO8(ナンバーエイト)には元オールブラックスのスティーヴン・ルアトゥア、BK(バックス)はSHジョナサン・タウマテイネ、オーストラリア代表として前回大会に出場したSOナイジェル・アーウォン、ベン・ラム、FB(フルバック)ダンカン・パイアアウアらがスターター。

オールブラックス50キャップを持つPR(プロップ)チャーリー・ファウムイナ、共同キャプテンのアラン・アラアラトアがベンチに入った。

雨の中で行われた試合は、いきなり動く。前半1分、サモア代表FBパイアアウアがキックを競り合う中で反則しシンビン(10分間の途中退場)となる。数的有利となったアルゼンチン代表は9分、ラインアウトからボールを継続して、最後はWTBボフェリが右中間にトライ、自身でゴールを決めて7点を先制した。

その後は雨足も強くなり、相手の激しいディフェンス、接点の前にボールを動かすことがなかなかできない状況が続く。15分にサモア代表SOリアリーファノがPG(ペナルティゴール)を外すと、25分にはアルゼンチン代表はWTBボフェリがPGを沈めて10-0とリードを広げる。

ラグビーワールドカップ2023 フランス大会

【ハイライト動画】プールD アルゼンチンvs.サモア|日本と対戦する2チームが激突

28分、ようやくサモア代表がPGを返すが、34分にアルゼンチン代表がPGを決めて再び13-3とリードを10点差とする。38分、サモア代表は再びPGのチャンスを得るが、これを決めることができず、さらにハイパントキック後のカウンターラックから好機を得たものの、ここも得点に結びつかない。結局、前半は13-3のまま、アルゼンチンリードで折り返した。

フィジカルな戦いとなった

後半、雨は止んだもののボールが手につかないスリッピーな展開は続く。アルゼンチン代表は相手陣奥でモールを形成するものの、なかなか得点を挙げることができない。9分、WTBボフェリがインゴールに飛び込んだが、ダブルモーションを取られてトライにはならなかった。

14分、アルゼンチン代表はPGを加えて、16-3とスコアボードを動かすことに成功したが、17分のPGは決めることはできず、16-3のまま試合は後半に突入した。

ディフェンスの時間が長かったサモア代表だが、ベンチメンバーを投入した後の35分、やっと敵陣奥でチャンスを得た。相手の反則からFW(フォワード)が攻め込み、最後は途中出場のCTB(センター)ディアンジェロ・レウイラが中央左にねじ込んでトライ。ゴールも決まって、6点差に追い上げる。

サモア代表が1トライ1ゴールで逆転できるという緊張感の中、40分、サモア代表はハーフウェイラインでペナルティを犯すと、アルゼンチン代表は途中出場のSOサンチェスが落ち着いて、50mのPGを成功させて19-10。アルゼンチン代表がリードしたままノーサイドを迎えた。

POMのWTBボフェリ

POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には、この試合でアルゼンチン唯一のトライを決めたWTBボフェリが選出された。試合後のインタビューで「サモア代表との試合は、簡単なチームでないことはわかっていたので、とても重要な勝利だったし、これで安心して家に帰れる。とてもタフな試合で、ひとつひとつのポイントが重要だった。チームには満足している」と口にした。

今大会、初勝利を挙げたアルゼンチン代表のマイケル・チェイカHC(ヘッドコーチ)は「ハッピーだよ。プレッシャーに関しては、いいことがたくさんあった。スコアに差をつけたい場面もあったが、ディフェンスの基礎はできていたし、モールは前の試合よりずっと良かった」。

「次の試合に向けて積み上げていきたい。トーナメントを勝ち進むには、もっとテリトリーを支配しないといけない」と反省しつつ、今大会初勝利を挙げて笑みを浮かべた。

キャプテンのHOモントージャは「勝利に満足している。チームにとってチャレンジングな1週間だったが、それを乗り切ることができた。たくさん声援を送ってくれた観客と、変わらず応援してくれたテレビの前のファンに感謝したい」と語った。

惜しくも敗れたサモア代表のセイララ・マプスアHCは「ボールポゼッションが40%では、テストマッチに勝つのは難しい。とはいえ、いくつかチャンスを作れたのは良かった。そのうちのいくつかを決め切ることができれば、まったく違った試合になる。このレベルでは、チャンスをつかんだら、ものにしなければならない。6日後にはまた大きな試合(=日本代表戦)が控えているからね」と前を向いた。

共同キャプテンのLOヴイも、「今日の選手たちを非常に誇りに思う。素晴らしい試合だった。(前半終了間際のチャンスをつかめなかったことについて)あれで試合の流れが変わったかもしれない。あのチャンスは大きかった。こういう試合では、チャンスは1回か2回しかない。来週(の日本代表戦は)はこの反省を生かし、より良い試合にしたい」と話した。

ともに次の試合が予選プール3試合目となる。1勝1敗のアルゼンチン代表は9月30日にナントで同じ南米のチリ代表と、同じく1勝1敗のサモア代表は、中5日で9月28日に日本代表とトゥールーズで相対する。

文:斉藤健仁/Photo by Yuuri Tanimoto

★アルゼンチンvs.サモア戦の試合データはこちら

◆プールD 順位表
1位 イングランド:9(2勝0敗) 
2位 サモア:5(1勝1敗) 
3位 日本:5(1勝1敗) 
4位 アルゼンチン:4(1勝1敗) 
5位 チリ:0(0勝2敗) 

※2・3位は得失点差

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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