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ラグビー コラム 2023年9月21日

アルゼンチンvs.サモア、日本との対戦が控える2チームが激突。ラグビーワールドカップ プールD

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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アルゼンチンvs.サモア

9月8日にフランスで開幕した10回目のラグビーワールドカップ。9月22日(金)は、日本代表と同じプールDに所属するアルゼンチン代表世界ランキング10位)と、サモア代表(同11位)が対戦する。

9月9日にマルセイユでイングランド代表と初戦を戦ったアルゼンチン代表。イングランド代表FL(フランカー)トム・カリーの退場で、前半早々から数的優位に立ったものの、10-27で星を落としてしまった

アルゼンチン代表を率いるマイケル・チェイカHC(ヘッドコーチ)は、イングランド代用戦からFW(フォワード)2名、BK(バックス)1名の先発を変更した。

アルゼンチン代表スタメン

FWはキャプテンHO(フッカー)フリアン・モントーヤ、PR(プロップ)トマス・ガージョが先発し、フランシスコ・ゴメス=コデラがベンチに回り、エドゥアルド・ベージョが3番に入った。LO(ロック)は、マティアス・アレマノが4番から5番に移動し、ケガのトマス・ラバニーニがメンバーから外れ、ベテランのギド・ペティとコンビを組む。

バックローは変わらず、三重ホンダヒートでプレーするFL(フランカー)パブロ・マテーラ、マルコス・クレメル、NO8(ナンバーエイト)ファン=マルティン・ゴンサレスの3人で構成。なお、マテーラは現在96キャップ中、91試合で先発と、アルゼンチン史上最多となる先発出場記録を更新中だ。

BKは、SH(スクラムハーフ)ゴンサロ・ベルトラノウ、SO(スタンドオフ)サンティアゴ・カレーラスのハーフ団が引き続きハーフ団を組む。CTB(センター)は、12番にサンティアゴ・チョコバレス、13番はルシオ・シンティがリザーブに下がりベテランのマティアス・モローニが入った。WTB(ウイング)が、マテオ・カレーラス、エミリアーノ・ボフェリ、FB(フルバック)はファン=クルス・マリアが務める。

ベンチには経験豊富な選手が並び、100キャップを越えるベテランHOアガスティン・クレービー、PRマイコ・ビバス、フランシスコ・ゴメス=コデーラ、LOペドロ・ルビオーロ、イングランド戦でトライを挙げたFLロドリゴ・ブルーニ、SHトマス・クベリ、2015年大会得点王のSOニコラス・サンチェス、CTBシンティが控える。

ラグビーワールドカップ2023 フランス大会

【ハイライト動画】プールD イングランド vs.アルゼンチン|SOフォードが全得点を叩き出し、イングランドが14人で勝利

チェイカHCは「サモア代表はかなり良くなっている。コーチ陣もいいし、とても団結している。SOクリスティアン・リアリーファノや、PRマイケル・アラアラトアは以前から知っているが、彼らはいい選手だ。他のワールドカップの試合同様、大きな挑戦だ。多くのファンや家族、見ている人たちに、自分たちの力を見せたい」。

続けて「イングランド戦の後、チームは重要な教訓を得た。より集中し、より明確にし、自分たちが何をすべきか、先週のようなビルドアップをせずに、より心を落ち着かせることだ。とても重要な試合だ」と力を込めた。

キャプテンのHOモントーヤも「サモア代表は選手層は厚く、イングランドやフランスの主要リーグでプレーする有名選手が多い。非常にフィジカルな試合になる。プレッシャーがあることは分かっている。私たちは情熱を持って、このジャージーと自分たちを象徴するものへの愛情を持ってやっている」。

「年長者はプレッシャーを吸収するためにそこにいる。若い選手たちにはプレーのことを考えてもらう。サモア代表戦で素晴らしい試合をする準備はできている」と語気を強めた。

一方、16日にチリ代表と対戦し、43-10と4トライ以上のボーナスポイントを取って勝利したサモア代表。セイララ・マプスアHCは、そのチリ戦代表からFW2名、BK1名を変更した。

サモア代表スタメン

FWは共同キャプテンのPRマイケル・アラアラトアがベンチに下り、ポール・アロエミールが先発し、PRジェームズ・レイ、HOセイララ・ラムとフロントローを構成する。LOは共同キャプテンのクリス・ヴイが5番に回り、セオドア・マクファーランドが6番に移動し、ブライアン・アライヌウエセが4番で先発。FLは6番にマクファーランド、7番にフリッツ・リーが入り、NO8は元オールブラックスのスティーヴン・ルアトゥアが務める。

BKは、SHジョナサン・タウマテイネ、オーストラリア代表として前回大会に出場したSOクリスチャン・リアリーファノのハーフ団、CTBトゥムア・マヌ、UJ・セウテニのセンターコンビは引き続き先発する

WTBはトップリーグ4チームでプレーしたナイジェル・アーウォンが14番にシフトし、11番にはベン・ラムが入り、今年のテストマッチ全てに先発し、3試合連続でトライをとっているFBダンカン・パイアアウアとバックスリーを形成する。

リザーブには、HOサマ・マロロ、オールブラックス50キャップを持つPRチャーリー・ファウムイナ、PRアラアラトア、LOタレニ・セウ、FLジョーダン・タウファ、SHメラニ・マタヴァオ、CTBディアンジェロ・レウイラ、WTBダニー・トアラが入った。

「ショートウィークでメンバーを決めるのに苦労した」というマプスアHCは、「自分たちがやりたいことをやり、自分たちがやりたいプレーに徹することで、アルゼンチン代表のやることを止めなければならない。自分たちのやりたいプレーを貫き、サモア代表流のプレーをすれば、アルゼンチンを止められると確信している」。

「イングランド代表が、どのようにプレーしたかったかを見るのは本当に興味深かった。我々は常に他のチームから学んでいる。その学びをどう生かし、自分たちのやりたいプレーをするかだ」と自信をのぞかせた。

また、キャプテンのFLブイは「これからの挑戦にワクワクしている。今週はとにかくシンプルに、選手たちが自分自身を表現できるようにリードするつもりだ」と話した。

そして、前回大会はオーストラリア代表としてプレーしたSOリアリーファノは、「マイケル・チェイカという元HCがいるだけでなく、このチーム、このグループにとって、歴史的にワールドカップでティア1の国と対戦するというチャレンジが待ち受けている」と腕を撫した。

ともにフィジカル、接点に長けたチーム同士の対決。激しい試合になることは間違いないが、BKの展開力、キッキングゲームではアルゼンチン代表が有利か。ただ、過去の対戦成績はサモア代表が3勝1敗とリードしている。また、日本代表が9月28日にサモア代表、10月8日にアルゼンチン代表と対戦する点でも興味深い一戦となろう。

アルゼンチン代表vs.サモア代表は9月22日(金)、サン=テティエンヌの「スタッド・ジェフロワ=ギシャール」で、現地時間午後5:45(日本時間深夜0:45)にキックオフされる。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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