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ラグビー コラム 2023年9月20日

【ハイライト動画あり】慶應義塾大学、ロスタイムで立教大学に逆転勝利。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 慶應スポーツ新聞会
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逆転トライをあげ、歓喜に沸く慶大フィフティーン

9月17日(日)、群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場で、関東大学対抗戦の立教大学vs.慶應義塾大学戦が行われた。試合はロスタイムで慶大が逆転勝利。初勝利を上げた

立大のキックオフで試合は始まった。序盤のスクラムで優位に立たれ、オフサイドも重なりピンチを招く。勢いのあるアタックに押されるも、インゴール直前でノットリリースザボールでピンチを脱する。

対する慶大の攻撃は、相手のノットローラーアウェイとオフサイドで敵陣深く攻め込む。トライまであと5mまでとなり、FW(フォワード)が連続攻撃をするも、立大が粘りノックオン。序盤は互いに攻め込むも得点には至らないという展開となった。

均衡を破ったのは36分。CTB(センター)三木海芽に対する立大のタックルがハイタックルとなり、ペナルティを獲得する。ほぼ正面からのPG(ペナルティゴール)をSO(スタンドオフ)永山淳が確実に決め、3点を先制する。

先制され反撃に出る立大だが、慶大のサポートに入るスピードが立大を上回り、オフフィート。これにはPR(プロップ)岡広将主将も両手を上げてガッツポーズをした。得点直後のピンチを脱した慶大は、立大ボールのスクラムでFL(フランカー)富田颯樹が相手SH(スクラムハーフ)に猛プレッシャーをかけ、それがノットリリースザボールとなる。永山が再びショットを決め6-0で前半を折り返す。

リードしているとはいえ、トライはあげられていない慶大。そんな中、立大が両者通じて初のトライをあげる。5分、スクラムでペナルティを取られると、ラインアウトで立大が仕掛けた。相手NO8(ナンバーエイト)仙臺蔵三郎がボールをキャッチ。

モールに持ち込むと思われたが、FW(フォワード)の列が真っ二つに空いたスペースに走り込んだSH北川時来に上からパス。勢いに乗ったまま捕球した北川がインゴールに飛び込んだ。コンバージョンも決まり逆転を許す。

それ以降、流れを変えられず、立大が慶大陣で攻めている時間が長く続く。その間、慶大は立大のスクラムに苦しむ場面が目立ち、27分には仙臺が「8単」でトライ。32分には慶大が反撃の場面で、インターセプトされ、そのまま走りきられトライ。この時点で6-21と15点のビハインドとなった。

ラグビー 関東大学対抗戦2023

【ハイライト動画】立教大学 vs. 慶應義塾大学|慶應、ロスタイムで大逆転

39分、スクラムからの展開で三木が身体の強さを見せつけ、タックルを受けている状態で5m前進。ゴールポストの死角も利用し、冨永がグラウディング。慶大は追い詰められてから、徐々に本領を発揮し始める。そして、「ロスタイムは10分です」のアナウンス。

3点差に迫るトライを奪った橋

ここからタイガー軍団が牙を剥いた。まずは46分、ハーフウェイラインあたりでのスクラム。しっかりとマイボールをキープすると、SH橋本弾介は狭いサイドへ。FB(フルバック)磯上凌、WTB(ウィング)佐々仁悟、そして橋本が狭いサイドを一気に走り切り、トライを奪い返す。

コンバージョンは不成功ながらも、永山のルーティン中に響き渡った慶大の円陣からの雄叫び。18-21と立大リードながらも、立大は慶大の猛攻に焦りを顕にしていた。

慶大に完全に流れが来たと言えるプレーが直後に見られる。立大のリスタートのキックを確実にレシーブし、橋本がボックスキック。このシーンは何度か見られたが、いずれもクリーンキャッチはおろか、相手にボールが渡るシーンが多かった。

しかし、今回はWTB大野嵩明が、落下地点まで走りながらジャンピングキャッチに成功。SO永山が空いてるスペースに蹴り込み、その対処に立大がもたついたところを、WTB佐々が好タックル。ノットリリースザボールとなり、3点差の場面でここはショットを選択。

まずは同点を狙った永山のキックは綺麗にゴールポスト内に吸い込まれた。鈴木賢レフェリーの「Yes」という一言は、慶大が同点に追いついたことを知らせるとともに、勝利の2文字への戦闘開始の合図であった。

これが「流れ」なのか、リスタート後の立大のラインアウトを慶大がスチール。キックで一時ボールを失うものの、慌てる立大にサポートの綻びが。前半にはスクラムでプレッシャーかけたFL富田が、今度はジャッカルを成功させた。永山のタッチキックで22mラインを越すと、あとは必死のアタック。

そして59分、トライまであと10mと迫り、マイボールラインアウト。立大が競らずにモールの構えを優先させるが、それをものともせず、むしろ慶大のモールは加速。チームの想いとグラウンドからの歓声が乗ったそのモールは、とどまるところを知らず、一気にインゴールへ。

レフェリーの長い笛と同時に、響き渡るタイガーらの雄叫びと、崩れる立教の選手たち。そして観客の興奮。前半こそ静まり返っていたものの、後半だけで1時間を超え、気づけば炎の渦巻いたグラウンドになっていた敷島での決戦は、1つの「鎖」となったタイガーらの劇的トライで幕を閉じた。

文/写真:野上賢太郎(慶應スポーツ新聞会)

慶應スポーツ新聞会

慶應スポーツ新聞会

慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト

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