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試合終了間際で逆転された慶大
関東大学対抗戦の初戦、慶應義塾大学は筑波大学と対戦。激戦の末、ロスタイムで無念の逆転負けを喫した。対する立教大学は昨季大学選手権準優勝の早稲田大学と対戦し、7-64と大差での敗退となった。お互いに1敗ずつで迎える本試合、勝負の行方は後半にありそうだ。お互いの先週の戦いを振り返る。
慶大は関東大学春季大会で大敗をした筑波大との対戦。合宿では初戦の筑波大戦をフォーカスして臨んだという慶大は、前半は7-8とほぼ互角の戦いぶり。ディフェンスから前に出るという、慶大の真骨頂の部分が夏に磨かれおり、それが筑波大の攻撃陣を完全に封じ込めていた。前半27分に1つトライを取られるものの、ほぼ完璧な試合運びを見せた。
後半、WTB(ウィング)永山淳(総4・國學院久我山)の投入で攻撃のパターンが広がった。永山は昨季SO(スタンドオフ)を経験していることから司令塔としてキック、パス、ランの選択をを的確に判断し、攻撃の起点として機能できる。また強靭なフィジカルも持っており、フィニッシャーとしての役割も果たす。
2トライをあげた永山
実際、筑波大戦では2トライをあげており、最初のトライは、SO山田響(総4・報徳学園)のキックパスに対して、右タッチライン際を走りながらキャッチし、相手のタックルをうけながらもグラウディングした。2トライ目は、外にFBがおり実際にパスを求められたものの、自分で仕掛けフィジカルを活かし、相手のディフェンスを破壊。そのままインゴールまで耐え走り切ってトライした。
後半にハイタックルなどのペナルティが多く見られ、ピンチを招いたり、得点チャンスを逃したりした。後半ロスタイム6分にモールを組まれ逆転負けをしたが、試合の内容からすれば前半は完璧な試合運び、後半は立ち上がりに得点できたが、前半に比べ反則やミスが多くなり得点できず、逆に失点してしまったという形だ。
ただ、上述のように永山の万能さは相手にとって大いに脅威であり、山田とともに攻撃の起点となれれば2枚看板として試合を動かすことができ、慶大攻撃陣にとって大きな強みとなるだろう。
ラグビー 関東大学対抗戦2023
【ハイライト動画】筑波大学 vs. 慶應義塾大学|慶應、ロスタイムで無念の逆転負け
立大は早大と対戦。実績的にも経験的にも早大の方に分があるかと思われたが、前半25分までは早大の攻撃を抑え込み、むしろマイボールの時間帯の方が長く攻め込んでおり、トライチャンスも見受けられた。前半14分に早大SO野中健吾(スポ2・東海大大阪仰星)の個人技で大きくゲインされ、守備陣形が崩れていた分トライまでもってかれたものの、それ以外は互角の戦いであった。
だが、25分にパスのミスが3回続き、相手にボールが渡りトライを許したところから、完全に早大ペースとなってしまった。34分には、敵陣で攻めていながら、1つのパスミスのノックオンから野中のキックで大きく陣地を回復されたのち、BK(バックス)陣にランで勝負されトライを許した。
37分には、敵陣でのハイパントをフェアキャッチされ、膝で軽く蹴って再開した早大のFB(フルバック)矢崎由高(スポ1・桐蔭学園)に反応できず、1人で一気に走りきられトライを許した。後半は早大との体力の差を見せられ、1回のタックルで相手を倒せずに前進を許す場面が多くなった。12分に途中出場のHO(フッカー)二木翔太郎(観4・立教新座)のトライで一矢報いるも、マイボールでプレーする時間が短くなった。
立大の攻撃パターンとすれば、前半に主に見られたようなSO中優人(観3・桐蔭学園)のキックでエリアを取り、チャンスを拡大し、BK陣に展開、近場でFW(フォワード)勝負を当てるという形になりそうだ。そうなれば、中のキックの精度、どの作戦を繰り出すかという判断力も必要になるだろう。
両者とも、前半では自分たちのプランを高い精度で実行できている。前半戦では点の取り合いということにはならず、後半戦で体力が落ちてきた際に、一踏ん張りできたほうが勝利を掴むだろう。
文/写真:野上賢太郎(慶應スポーツ新聞会)
慶應スポーツ新聞会
慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト
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