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イングランド vs. 日本
9月8日にフランスで開幕した10回目のラグビーワールドカップ。初戦でチリ代表から6トライを挙げて、42-12で勝利したラグビー日本代表(世界ランキング14位)は、現地時間17日(日)午後9:00(日本時間18日月曜午前4:00)に、南仏ニースのスタッド・ドゥ・ニースで、プールDの最大のライバルであるイングランド代表(同6位)と激突する。
イングランド代表は9日にマルセイユで行われたアルゼンチン代表戦で、序盤にFL(フランカー)トム・カリーが退場で14人と窮地に立たされた。しかし、SO(スタンドオフ)ジョージ・フォードが3本のDG(ドロップゴール)、6本のPG(ペナルティゴール)を決めて27-10と勝利した。
2015年のワールドカップで日本代表のFW(フォワード)コーチを務めたイングランド代表のスティーヴ・ボーズウィックHC(ヘッドコーチ)は、アルゼンチン代表戦からFW3名の変更にとどめた。
イングランドのスティーヴ・ボーズウィックHC
「自分や家族を暖かく迎えてくれた素晴らしい日本が好き」と語ったボースウィックHCは、「日本はこの8年間、ジャパンウェイを構築してプレーをしてきたと思う。ボールスピードが速く、ボールを動かす。さらにかなりスキルの高い選手がいる」。
「マイケル・リーチはとてつもない選手だ。2015年のワールドカップの時に彼と一緒に仕事をする機会に恵まれた。彼は本当に知的な選手で、彼は私が心から尊敬する人物。だからといって、日曜の夜に彼を上回るパフォーマンスを見せたいという気持ちに変わりはない」と警戒を怠らない。
イングランド代表、日本戦メンバー
左右のPR(プロップ)は、アルゼンチン代表戦から変更した。1番の副将のエリス・ゲンジが控えに回り、ジョー・マーラー、3番はベテランのダン・コールに代えてカイル・シンクラーが入り、HO(フッカー)ジェイミー・ジョージとコンビを組む。
LO(ロック)はマロ・イトジェとオリー・チェッサムのコンビ、FL(フランカー)はゲームキャプテンを務めるコートニー・ロウズと、前試合でNO8(ナンバーエイト)に入っていたベン・アールが7番にシフトし、ルイス・ルドラムが8番を務める。
ラグビーワールドカップ2023 フランス大会
【ハイライト動画】プールD 日本 vs.チリ |日本代表、6トライで初戦を飾る
BK(バックス)に変更はない。SH(スクラムハーフ)アレックス・ミッチェルとアルゼンチン代表戦のPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)のSOフォードがハーフ団を組む。CTB(センター)は12番にマヌ・トゥイランギとジョー・マーチャント。バックスリーはWTB(ウイング)がエリオット・デーリーとジョニー・メイ、FB(フルバック)は22歳のフレディー・スチュワードが引き続き先発する。
リザーブには、NO8ビリー・ブニポラが出場停止明けでメンバー入りし、HOセオ・ダン、PRゲンジ、ウィル・スチュアート、LOジョージ・マーティン、SHベン・ヤングズ、SO/FBマーカス・スミス、CTBオリー・ローレンスが入った。
イングランドのコートニー・ロウズ ゲームキャプテン
FLローズ ゲームキャプテンは「我々は日本代表を心から尊敬している。彼らは試合に勝つために全力を尽くしてくれる。自分たちも準備は万全だ」と意気込んだ。
連勝を狙う日本代表のジェイミー・ジョセフHCは初戦からFW3名、BK1名を変更、そしてポジション変更が1名あった。「今、自分で言えるベストなFWパックだと思う。イングランドはFWでプレッシャーをかけてくると思うが、そこでしっかりした戦いができる」とジョセフHCが胸を張ったように、FWは経験豊富な選手と若き力が先発する。
日本代表、イングランド戦メンバー
フロントローは、PR稲垣啓太と具智元は変わらず、HOは坂手淳史がリザーブに、4大会出場のベテラン堀江翔太が先発に上がった。左LOにはサウマキ アマナキからチリ代表戦でNO8を務めていたジャック・コーネルセンが4番に上がり、前試合2トライを挙げてPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)に輝いたアマト・ファカタヴァとコンビを組む。
バックローは、左FLにリーチ マイケルが引き続き先発し、右FLに下川甲嗣に代わって出場停止が明けたピーター・ラブスカフニが入った。そして初戦を欠場したキャプテンNO8姫野和樹が先発する。
BKはSH流大、SO松田力也のハーフ団は引き続きスタートでプレーする。CTB中村亮土とコンビを組むのはリーグワン新人賞の長田智希で、ディラン・ライリーはベンチに下がった。バックスリーの布陣に変更はなく、WTBはジョネ・ナイカブラ、松島幸太朗、FBはセミシ・マシレワが務める。
ベンチには、HO坂手、PRクレイグ・ミラー、ヴァルアサエリ愛、LOワーナー・ディアンズ、FL下川、SH齋藤直人、CTBライリー、WTBレメキ ロマノ ラヴァが控えており、後半からインパクトを与えそうだ。
ジェイミー・ジョセフHC
ジョセフHCは「イングランドはゲームコントロールが上手く、キッキングゲームも使ってくるし、セットプレーも強い。スクラムでプレッシャーをかけてくる。バランスが重要なので、バランスをとりながら、プレッシャーを受けるところでもプレッシャーをかけることが大事」とコメント。
姫野和樹キャプテン
姫野主将は「1試合スキップしたのでフレッシュだし、コンディション的にはいい。イングランド戦は、キャプテンとしてパフォーマンスを出すことが重要で、パフォーマンスでリーダーシップを発揮したい。自分たちの準備を100%やってきたし、あとは本当にやるだけ。『ブレイブ』という言葉を使ってチームを引っ張ってきた。勇気を持って、自分たちのプレーをし続けるマインドセットが大事」と語気を強めた。
昨秋の対戦では13-52で大敗した。スクラム、ラインアウトのセットプレー、接点、キッキングゲームでプレッシャーを受けた日本代表は、ワールドカップ本番でしっかりと対抗し、勝つ流れに持っていきたい。
過去の対戦成績は、日本代表の0勝10敗と勝ったことはない。ワールドカップでは1987年の第1回大会以来の対戦(●7-60)となる。ただ、日本代表は2015年のワールドカップからプール戦では8勝1敗と大きく勝ち越しているのも事実。
『ブレイブブロッサムズ』がニースの地で再び歴史を刻み、決勝トーナメント進出に大きく弾みをつけることができるか。注目の決戦は日本時間9月18日(月)午前4:00にキックオフされる。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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