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ラグビー日本代表のトニー・ブラウン コーチ
9月10日、ラグビー日本代表はワールドカップ予選プールの初戦を迎え、チリ代表と対戦。6トライを挙げて、42-12で勝って白星発進した。翌11日、トニー・ブラウン アシスタントコーチがオンラインでメディアに対応した。
―― 昨日の試合を振り返ってください
ワールドカップの最初の試合としてはすばらしい試合だった。6トライ取れてチームとしても良かったし、チリ代表を12点に抑えたことも良かった。
―― チリ代表戦で出た課題は?
6トライ取れたことはうれしいし、いいラグビーできた。ただ、ワールドカップで勝ち進んでいくには遂行力が足らない。自分たちのミスの率を下げていかないといけない。チャンスがあったときに、得点をつなげることが大事になってくる。
理解してもらいたいのは、自分たちのラグビーは世界のどのチームより素早い。自分たちのスピードをもっと速くしないといけない。速いラグビーの中で自分たちのラグビーを遂行していかないといけない。ミスはあるが、リスクをとってジャパンラグビーをしていかないといけない。勝つためにはミスを少なくしていかないといけない。
―― バックスリーにボールを運ぶことや、スペースに上手くボールを運ぶことができていないが?
チリ代表はプレッシャーをかけてくるのがすごく上手かった。ボールをボゼッションしていても、自分たちはエッジになかなかボール運べなかった。15人一緒にしっかりアタックすることを、これからも常に目指していかないといけない。
FB松島幸太朗
ジャパンラグビーとして、速いラグビーをしてエッジに運ぶことが大事だ。相手もそれをシャットダウンしてくることを考えているが、自分たちが目指している速いラグビーをしてバックスリーのWTB(ウィング)松島幸太朗とWTBジョネ・ナイカブラ、FB(フルバック)セミシ・マシレワがアタックすることをジャパンとしては目指している。
―― アタックの精度は時間をかけるしかない?
それしかないと思っている。選手たちは日々、ハードワークしてがんばっている。自分たちのゲームを成長させるためにどうしたらいいか考えている。ジャパンラグビーを理解して、プレッシャー下でどう遂行するかを考えていかないといけない。それしか勝つ方法はない。それに向けて日々練習している。
ラグビーワールドカップ2023 フランス大会
【ハイライト動画】POOL D 日本vs.チリ|日本代表、チリから6トライを奪い初戦を飾る
―― チリ代表戦でSO(スタンドオフ)松田力也選手がPG(ペナルティゴール)を6本すべて決めました。彼の評価は?
松田力也、李承信が一緒に練習の中で競争しあっている。昨日はいいプレーしてくれたし、スコアを取ってくれた。コントロールもしっかりしてくれて、スターティング10番としてはいいプレーをしてくれた。
SO松田力也
1週間を通じて彼と話していたのは 自分の能力を信じてもらいたいということ。12ヶ月間、インターナショナルラグビーから離れて、昨日のような試合をして彼の自信はさらに高くなってきた。自信がついて、今後もいいプレーができるようになると思う。
―― SH(スクラムハーフ)流大ゲームキャプテンはタッチに蹴らず、トライを取りにいきました。選手達の判断でしょうか?
チリ代表戦に向けて準備の時、優位性があると思って、コーナに蹴ってトライを取るということをプランとしてやった。イングランド代表はモールもフィジカルも強いので、チャンスは難しいが、3点取っていく必要がある。グラウンドではリーダーに任せている。ゲームにモメンタムが取れていれば、5点、7点を取ってもいい。ただ、グラウンドではリーダーに任せることを考えています
―― NO8(ナンバーエイト)姫野和樹主将不在でしたが、他の人がリードしてくれた?
リーダーズミーティングにいる6人がやってくれて、しっかりリードしてもらった。勝つために何が必要かを情報共有している。姫野がいなくなったことは残念だが、ナチュラルリーダーだと思っている流がリードしてくれて、流がいなくなってくれてから、FL(フランカー)リーチ マイケルがリードしてくれたことが多かった。チームにとって、姫野はいなくなったことはロスだが、他の選手がしっかりやってくれればいい。
姫野和樹キャプテン
―― その姫野主将の状態は?
そこまで悪くなかった。可能性として(チリ代表戦は)プレーできたし、大きな試合ならプレーできた。明日、練習できればイングランドの試合には出場できると思う。少し、タイトさを訴えていたので、リスクを犯したくなかった。イングランド戦ではいつもの姫野らしくプレーしてくれる。ワークレイト、ボールキャリーを出してゲームにインパクトを与えてほしい。
―― チリ代表戦でPR(プロップ)具智元が危険なタックルを受けたが?
具に関しては現状わからない。痛い部分はあるが、明日、もっと情報がわかってくる。今は痛みがあるだけで深刻ではない。腫れがひいて来たら明日、判断する。
―― 17日に対戦するイングランド代表の印象は?フィジカルが強いです。
いつもイングランドはそのようなスタイルでやってきている。100年くらい同じスタイルだと思うが、倒すにはタフなチームだと思う。自分たちの利点はどういうことをやってくるかわかっていること。フィジカリティー、プレッシャー、キックを使ってくるのはわかっているので、それに対しての準備はできる。自分たちのいい部分、スタイルを少しでも出せれば 倒すチャンスはあると思う。
―― イングランド代表は昨秋同様に、キックでプレッシャーをかけてくると思います。
イングランド代表は100%キックでプレッシャーかけて、フィジカルでドミネイトしてくるので対策しなくてはいけない。フィジカルでプレッシャーをかけてくる中で、どうやってジャパンラグビーをするか見つけていかないといけない。
取材/文:斉藤健仁
ラグビーワールドカップ2023 特集ページ
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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