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ラグビー コラム 2023年9月8日

初の決勝トーナメント進出をにらむイタリアに、初勝利目指すナミビアが挑む。ラグビーワールドカップ2023プールAプレビュー。

ラグビーレポート by 直江 光信
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イタリア vs. ナミビア スターティングメンバー

4年に一度のラグビーの国際的祭典、ラグビーワールドカップが、いよいよ9月8日に開幕する。戦いの舞台は世界有数のラグビー熱狂国、フランスだ。2019年日本大会の興奮を思い起こし、キックオフの瞬間を楽しみに待つファンはきっと多いだろう。

今回のオープニングマッチで激突するのは、開催国フランスと、過去3度の優勝を誇るラグビー王国ニュージーランド(日本時間9日04時15分キックオフ@サンドニ)。世界中が注目するいきなりの大一番だ。一方でワールドカップは、普段見ることの少ないチームの試合や対戦カードを観戦できる貴重な機会でもある。大会2戦目となるプールAのイタリアナミビアは、まさにそんな一戦といえるだろう(日本時間9日20時キックオフ@サンテティエンヌ)。

大会前時点のワールドラグビーの世界ランキングを比較すると、イタリアの13位に対しナミビアは21位。いずれも過去のワールドカップで決勝トーナメントに進出したことはないが、1999年大会での初出場以来ここまで未勝利のナミビア(前回大会カナダ戦の中止を除き22連敗中)に対し、シックスネーションズを戦うイタリアは通算13勝18敗(中止1)と実績で大きく上回る。前回大会の直接対決でも47-22と完勝しているイタリアに、ナミビアがいかに挑むか――という構図だ。

イタリアは2019年ワールドカップ以降の2シーズンで13試合勝ち星なしと低迷したが、2021年春に就任した元ニュージーランド代表FBのキアラン・クローリーヘッドコーチ(HC)のもとで近年躍進を遂げた。2022年のシックスネーションズでウエールズに22-21と勝利し同大会の連敗を36で止めると、同年秋にはオーストラリアから28-27で初白星を手にする。今年のシックスネーションズでもフランスに24-29と善戦しており、8月26日のテストマッチでは日本代表に42-21と快勝。悲願の決勝トーナメント進出に向け、上々の仕上がりを見せている。

イタリア スターティングメンバー

キックオフ2日前の9月7日に発表された試合登録メンバーを見ると、先発15人の総キャップ数は461で、前回の2019年大会を経験しているのはダニーロ・フィチェッティとシモーネ・フェラーリの両PRに、LOフェデリコ・ルッツァ、FLセバスティアン・ネグリ、CTBルカ・モリーシ、FBトンマーゾ・アランの6人。うちフェラーリ、ルッツァ、モリーシ、アランの4人が2019年大会のナミビア戦に出場している。キャプテンを務めるのは7番のミケーレ・ラマロ。大会初戦ということもあり、ほぼベストに近い布陣を組んできた印象だ。

注目は2022年のワールドラグビーアワードでブレイクスルー・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに輝いたWTBアンジュ・カプオッゾ。177センチ、72キロの痩身ながら相手を一瞬で置き去りにする加速力を誇り、今大会のトライ王候補にも名があがるスピードスターだ。逆サイドのWTBモンタナ・イオアネ(元オーストラリア代表ディグビー・イオアネの甥)も8月の日本戦で3トライを挙げるなど決定力があり、スコッド最多キャッパーのFBアラン(75キャップ)と形成するバックスリーは脅威となる。

ナミビア スターティングメンバー

一方のナミビアはキャプテンのCTBヨハン・デイゼルを筆頭に2015年のワールドカップ出場者が9人、2019年大会出場者は16人と、経験豊富なスコッドで今回のワールドカップに挑む。チームを率いるアリスター・クッツェーHCはかつて南アフリカ代表スプリングボクスのHCを務め、日本の神戸製鋼やキヤノンでも指揮を執った国際ラグビー界の顔。2021年6月にナミビアのHCに就任し、昨年11月のカナダ戦で対北米勢相手の初白星となる43-37の勝利を挙げるなど成果を残している。

今夏のテストシリーズではウルグアイに18-26で敗れるも、チリには28-26で逆転勝利。ワールドカップ出場国では珍しいアマチュア選手も多く名を連ねる布陣だが、これまでの大会でもひたむきかつ献身的なプレーぶりは少なくない賞賛を集めてきた。今回も気迫のこもった印象的なラグビーを見せてくれるはずだ。

先発15人の総キャップ数は287で、2019年大会の経験者はHOトルステン・ファンヤースフェルト、LOチエイ・ウアニヴィ、FLウィアン・コンラディ、SHダミアン・スティーヴンス、WTBのJC・グレイリングら9人。そのうち7人が、前回大会に続いてのイタリア戦出場となる。

注目はオーストラリア代表として2キャップを持つNO8リチャード・ハードウィック。ナミビア出身でスーパーラグビーのレベルズで活躍してきたが、2017年を最後にワラビーズではプレーしておらず、ワールドラグビーの代表規約変更を受け昨季から母国代表のジャージーに袖を通すこととなった。183センチ、103キロとFW第3列としては小柄だが、機動力と激しいヒットが持ち味のファイターだ。

プールAはフランスとニュージーランドが抜き出た存在。そのどちらかを倒し決勝トーナメント進出をにらむイタリアにとっては、まずこの初戦でボーナスポイントつきの勝利を挙げいいスタートを切りたいところだろう。ナミビアは9月27日のプール最終戦、ウルグアイとの決戦が最大のターゲットとなるが、フランス、ニュージーランドに比べればイタリアはチャンスがある相手と感じているはず。ワールドカップは何が起こるかわからない。白熱したゲームを期待したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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