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左から李承信、福井翔大、長田智希
9月2日、ラグビー日本代表が、ラグビーワールドカップの初戦が行われるフランスのトゥールーズに入り、公式会見に臨んだ。
初出場のCTB(センター)長田智希、FL(フランカー)福井翔大(ともに23歳、埼玉パナソニックワイルドナイツ)、SO(スタンドオフ)李承信(22歳、コベルコ神戸スティーラーズ)と、ほぼ同世代の若手3選手が同時に報道陣の前に姿を見せた。
―― いよいよワールドカップが開催されるフランスの合宿地に入った今の心境は?
長田:今日、フランスに来てやっとワールドカップが始まるなという気持ちと、初戦に向けていい準備がしたいというのが一番大きい。
福井:あまりまだフランスを感じられていないが、(空港を)出たときにバスがジャパン用にラッピングされていて、やっぱりワールドカップが始まるんだなと思った。
李:いよいよ始まるんだなというワクワク、ドキドキの気持ち。初戦に向けてチームとしても個人としても準備していきたい。
ラグビーワールドカップ2023 特集ページ
―― ワールドカップ初出場の思いは?緊張しているのでしょうか?
CTB長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
長田:もちろん緊張はあるが、今はそういう気持ちよりは試合に向けてしっかりいい準備をすることが大きい。若い世代というのもあるが、年齢は関係ない。試合に出たら自分の役割を果たしていきたい。
福井:年齢は世界から見たら若くないし、ここを目標にずっとラグビーをしてきたので、緊張は絶対すると思うが、緊張する時間がもったいないので楽しんでいきたい。
李:人生で何度も来るチャンスではないと思っているので、積み重ねてきた、積み上げてきたものを、自分を信じてチームを信じて、夢の舞台でラグビーすることを楽しみたい。
―― 初戦のチリ代表は格下だと思いますが、日本代表が戦うにはいい相手だと思う?
長田:力を付けてきているチームだし、フィジカルを持っている。敵がどうというのもあるが、これまでのテストマッチでの課題を修正しつつ、初戦でジャパンラグビーをしっかり出すことが、この先につながるので、そういう意味でも大事だと思う。
福井:格下とか順位とか関係ないのは、僕らが一番わかっている。前回大会でロシア代表戦で苦戦したのも見ているし、順位どうこうより自分たちがやってきたことを出す、自分たちのラグビーをすることが大事。具(智元)さんが、2019年初戦のロシア代表、普通に強かったと言っていましたし、普段緊張しないという具さんが、ビックリするくらい緊張したと言っていました。
李:チリ代表は初出場で国全体で応援しますし、選手たちも高いモチベーションで臨んでくると思うので、雰囲気、相手に飲まれず自分たちのラグビーにフォーカスして、自分たちのラグビーをして結果を出すことが次につながるので、初戦を大事にしたい。
―― 3人とも初のワールドカップ出場となります。「これを絶対やりたい!」ということはありますか?
福井:インスタのフォロワーが4800人なので、1万人突破!(どうしたらそうなりますか?と聞かれて)2トライ&4ジャッカルくらいですかね(苦笑)。
長田:特にないです…。(福井選手から「トライと言っておけ」と突っ込まれて)トライです。
李:ゴールキックもそうですが、今年に入って1トライもしていないので、トライしたい。
―― 福井選手は東福岡高校を卒業してすぐに埼玉ワイルドナイツに入り、ワールドカップスコッドに入りました。
FL福井翔大(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
福井:結果として肩書き、実績が形として出たのはうれしいが、李もそうですし、長田も(早稲田)大卒で来たのに今、横にいるし、別に特別感はない。LO(ロック)ワーナー・ディアンズもそうですが、僕みたいに大学に行くよりも(高卒でプロに)行きたいという人の選択肢が選びやすくなればいいと思う。
―― 3人とも歩んできた道が違うので、いろいろな人のモデルケースになると思います。日本の子どもたちや学生に対する思いは?
長田:僕は高校時代から1年1年積み重ねてきたイメージで、福井みたいにパッとリーグワン入っても通用しなかったと思う。そのレベルで積み重ねた、1個1個、階段を登ってきたところが、ここにつながっている。福井みたいに一気に高いレベルでやれる人は少ないと思うので、日本の子どもや学生は目の前のことを積み重ねて、目標につなげてほしい。
福井:環境が違えど、目の前の問題をどう改善していくかが大事。どの道を選ぶか正解はないと思うし、大事なのは自分自身。どの道を選んでも目の前のことをやっていくことが大事。
SO李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)
李:(大学中退でトップリーグ入り)自分は珍しいケースで、ここまで来て、自分の力だけではなく、神戸製鋼もそうですが、いろんな人の助けがあって、代表に入っても成長できた。与えられた環境で、一瞬一瞬ベストを尽くすことがその先につながっていく。環境で居心地いいところではなく、居心地が悪いところでチャレンジして、与えられた環境で100%頑張ることが自分の夢につながっていく。
***** 22・23歳の若手選手だが、ワールドカップまで来た道のりは三者三様。試合に出場したら、自分の持っている力を思いっきり出し、チームに勢いを与えて、勝利に貢献してほしい!
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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