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ラグビー コラム 2023年8月25日

敗戦から立ち直り自信を手にするのはどちらか。夏合宿練習試合、早稲田×同志社戦展望。

ラグビーレポート by 直江 光信
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8月20日の夏合宿初戦で帝京大学に7-62の大敗を喫した早稲田大学としては、自信を取り戻すための重要な一戦だ。一方の同志社大学も同じ20日の筑波大学戦で前半29-7と大きく先行しながら、後半逆転を許し43-49で惜敗。24日の日本大学戦も26-34で敗れており、強い意気込みでこの試合に臨んでくるだろう。

大学ラグビーの菅平合宿も後半を迎え、各校のトレーニングマッチが佳境に入ってきた。8月最後の日曜日となる27日は多くの好カードが組まれており、たくさんの視線が各グラウンドに注がれそうだ。昨季大学選手権準優勝の早稲田と同ベスト8の同志社が激突するこのゲームも、もちろんそのひとつとなる(13時キックオフ@サニアパーク)。

帝京戦の早稲田は、前半何度も相手陣22メートルライン内に攻め込みながらあと一歩を押し切れず、得点につなげられなかったことが、ビッグスコアでの敗戦の要因となった。たびたびマイボールを失ったラインアウトと、チグハグなプレーが目立ったアタックは、大きな課題だ。この1週間でどこまで問題点を修正し、プランに沿ったプレーを精度高く遂行できるかが、今回の重要なテーマになる。

もっとも前半は出足鋭いタックルで帝京の重量感みなぎる攻撃をたびたび押し返すなど、6月の対戦時に圧倒された接点の攻防では大幅な改善も見られた。好機をきっちりとものにし、優勢だった序盤に得点を積み上げていれば、最終スコアはかなり縮まっていたはずだ。克服すべきポイントは明確なだけに、この同志社戦で大きく変わる可能性は十分ある。

対する同志社は、関西大学春季トーナメントで立命館大学、天理大学を破って決勝に進出。6月25日の招待試合でも慶應義塾大学に49-36と勝利するなど、宮本啓希監督就任2季目で着実にチームとしてステップアップしていることをうかがわせる。ただ8月13日からスタートした菅平合宿では、ここまでAチームの勝利がない。この早稲田戦は24日の日大戦から中2日での連戦となるが、いい形で勝利して夏を締めくくりたいという思いは強いだろう。

戦力面では各ポジションにスキルとスピードを備えた実力者がそろい、筑波から前半だけで5トライを奪っているように、アタックは全国でも上位クラスの力を誇る。ただ春季トーナメント決勝では京都産業大学の激しいコンタクトを受け次第に足が止まり、後半は思うように持ち味を発揮できなかった。サイズとパワーのある相手に対しコリジョンのバトルで引かない強さを身につけることが、秋以降の戦いで飛躍を遂げるための条件といえそうだ。

ともにクイックにボールを動かして走り勝つスタイルを身上とするチームだけに、ブレイクダウンでスムーズにいい球を供給し続けることが攻撃の生命線となる。そのキーファクターであるチームとしての意思統一とサポートプレーヤーとの連動性は、この試合の重要なチェックポイントだろう。特に早稲田は帝京戦でボールキャリアーが孤立しターンオーバーされるシーンが多かっただけに、どこまで連携面を整備してきたかという点が大きな見どころだ。

セットプレーの精度向上も、9月からの公式戦に向け必須となる要素だ。お互いFWのサイズは決して大きくないだけに、この分野でも8人のまとまりと連動性が成否の鍵を握る。双方のこだわりと工夫が浮かび上がるせめぎ合いに注目したい。

なお両校は今季6月18日の招待試合で対戦し、早稲田が36-14で勝利を収めている。そこから2か月余りで、プレーの質とスコアがどのように変わるのか。それによって、この夏の歩みの成果も明らかになるだろう。

文: 直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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