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デイブ・レニー新HC(左)と福本正幸TD
8月7日、神戸のクラブハウスで、リーグワンのディビジョン1に所属する「関西の雄」コベルコ神戸スティーラーズが、新HC(ヘッドコーチ)就任会見を開いた。登壇者は福本正幸TD(チームディレクター)と、新たにディレクター・オブ・ラグビー兼HCに就いたデイブ・レニー氏の2人。
レニーHCはニュージーランド出身の59歳。U20ニュージーランド代表時代はジュニア・ワールドチャンピオンシップで3連覇を達成し、チーフス時代は2012年、2013年とスーパーラグビーを連覇。2017年にはPRO14でグラスゴーを決勝に導き、さらに今年の1月まではワラビーズを率いていた世界的名将の1人。昨季9位と低迷したスティーラーズの立て直しを図るべく、今季から白羽の矢が立ったというわけだ。
福本正幸TD
ラグビーコーチメンター&チームアンバサダーのウェイン・スミス氏による推薦があり、オファーをしたところ、レニーHCは快諾してくれたという。福本TDは「人間性も評価しつつラグビーでも世界レベルで指導してきたヘッドコーチなのでチームを良い方向に導いてくれる。デイブはフルタイムで指揮を執り、人生を賭けて神戸のためにやってくれている。ボールをつなぎ、グラウンドを広く使い、選手もファンも楽しいラグビーをやっていきたい」と期待を寄せた。
スティーラーズは若手をチーフスに派遣するなど、かねてから協力関係にあり、レニーHCも数回、スティーラーズに足を運んだことがあったという。レニーHCは「何ヶ月か前から話しが進み始めて、プランニングしてやっと神戸に来て、現場で働くことができてうれしい。チーフスのときから神戸とつながりを持っていて、コベルコはすばらしい会社で、神戸という素晴らしい街があり、来ることは迷わなかった」と話した。
さらに新指揮官は「(昨季)9位は自分たちのいるべき順位ではない。今季から来る新しいスタッフもおり、選手たちとともに新しいチームを作っていきたい。リーグワンは、どのチームを見ても代表のトップレベルの選手がいて、数年前よりタフになっている。自分たちにも素晴らしい選手、経験値の高い選手がたくさんいる。自分たちのジャージーにプライドを取り戻して、やるべきことをやってシーズンに臨みたい」と意気込んだ。
デイブ・レニー新HC
また、どういったラグビーをしたいのか?という問いに対しては「ファンを魅了するラグビーをプレーしたいし、そのためには細かいディテール、スキルセットを突き詰めていかないといけない。キックを上手く使い、バランスの取れたラグビーをしたい」。
「その上で重要になっていくのが、ディフェンスの質が高いゲームができるか。神戸は伝統的にアタックは強いものを持っている。よりディフェンスの質を上げることで、アタックする機会が増える。ディフェンスのクオリティの高いチームに変えていかないといけない」と語気を強めた。
現に、昨季9位に終わったチームは、得点こそ470点とリーグ6位だったが、失点はリーグ9位の多さで、リーグ1位だった埼玉ワイルドナイツの倍以上の569点と多く、ディフェンスの悪さ、甘さが勝敗に響いた形となった。
そのためレニーHCは、昨年のブラックファーンズ(ニュージーランド女子15人制代表)のワールドカップ優勝にアシスタントコーチとして貢献したウェスリー・クラークをディフェンスコーチとして招聘した。
「素晴らしいコーチで、ディフェンスで何を変えていくか、重要性を理解しつつ取り組んでいる。ディフェンスはコネクションが大事になってくる。昨季は人によって、ラインスピードを上げようとしていたり、していなかったりと一貫性がなかった。試合に勝てるだけの得点をとっていたが、あまりにも多くの失点をしていた。そこの部分を改善したい」(レニーHC)。
また、レニーHCは「間違いなくコンディショニングの部分は変えないといけない」と語気を強めた。戻りきれずオフサイドをしたり、後半、疲労からスクラムでペナルティをしてしまったりと「自分たちのミス(によるペナルティ)が多かった」という。「フィットネス、コンディショニングのレベルを上げることで、質の高いアタックだけでなくディフェンスができる」と自信をのぞかせた。
具体的な目標を聞かれて、レニーHCは「どのチームにインタビューしても、間違いなく優勝と答えるでしょう。自分たちもそういった野望を持っています。常にハードワークし続けないといけないし、仲間の中でも正しく、厳しいチャレンジをしないといけない」。
「そして毎週、トップパフォーマンスを出し続けないといけないし、トップチームだけでなく、チーム層を上げることで優勝に導いてくれると思う。自分たちの目指すものを達成できればと思います」と婉曲的にだが、優勝を目標としていることを明言した。
12月の開幕まであと5ヶ月あまり。8月14日にチームが始動し、8月28日から9月3日まで網走で合宿を敢行、10月中旬から5試合の練習試合を経て本番に備える。
レニーHCは「シーズンが長いので、違うタイミングでピークに臨まないように、しっかりコントロールして12月に最大限に持っていきたい。日本代表(4選手)や(ブロディ・レタリック、アーディ・サヴェアといった)オールブラックスの選手もいるので、シーズンに入るときに良い状態でいきたい」と先を見据えた。
スティーラーズは2018年度のトップリーグで2度目の優勝を飾ってから5位、そしてリーグワンになってからは7位、9位と低迷している。デイブ・レニーHCという世界的名将がディフェンスからチームを立て直し、リーグワンで初のチャンピオンを目指す。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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