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ラグビー コラム 2023年7月6日

ラグビー日本代表、国際試合5連戦を前に宮崎合宿がスタート。ジェイミー・ジョセフHCがワールドカップ後の去就を語る

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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ファンが見守る中で攻守の確認

9月のワールドカップ開幕を前に、今週末から国内で国際試合5連戦を控えるラグビー日本代表は7月3日(月)から宮崎で合宿を始めており、5日には報道陣とファン533人に練習が公開された。練習後には日本代表チームに宮崎県と宮崎市から牛肉や野菜、マンゴーが送られた。

宮崎県、宮崎市などからは牛肉、野菜やマンゴーが贈呈

宮崎合宿に参加している選手は日本代表36名と、日本代表候補から3人、FL(フランカー) 下川甲嗣ベン・ガンター、WTB(ウィング)レメキ・ロマノラヴァの計39名だ。公開された30分間では攻守の確認を行った後、FW(フォワード)はラインアウトの確認、BK(バックス)はポジション別にスキル練習を行った。今週末から試合ということで、6月の浦安合宿より強度は抑えられているという。

アミノバイタルトレーニングセンター宮崎

今回の合宿は4月に宮崎にできた新しい練習場、「アミノバイタルトレーニングセンター宮崎」を使用した。天然芝とハイブリッド芝のグラウンドが2面、室内練習場、クラブハウスもある。FLリーチ マイケルが「新しい施設があって最高。美味しいご飯もあるし、空港にも会場にもファンの方が来てくれてうれしい」。

ジェイミー・ジョセフHC

ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)も「いいスタートができている。施設も素晴らしくて、インドアでもできるし、グラウンドも2つ整備されている。ジムもあって、すべて揃っている。宿泊のホテルも近く、自分たちの時間も使うこともできるし、チームとして一緒にいる時間が長くなるので成長できる。この環境で練習して、ワールドカップでチャレンジできると思う」と歓迎した。

現在のチーム状態を聞かれて指揮官は「まだ少しワールドカップまで時間がある。去年の11月から試合をしておらず、最初の対戦相手がオールブラックスXVという強い相手だが、今まで出場時間のなかった選手にできるだけ自分の能力を発揮するチャンスを与えたいし、同時に経験豊富な選手たちをバランスよく起用したい。ただ、今後5試合が行われるので、ワールドカップに向けて一貫性というものは大事にするつもり」と話した。

ラインアウト練習中の坂手

気になるキャプテン人事についてジョセフHCは「昨年キャプテンを務めたHO(フッカー)坂手淳史はケガをしているが、このチームには幸運なことに、素晴らしいリーダーシップを持った選手たちが豊富にいる。リーチ、HO(フッカー) 堀江翔太と4度目のワールドカップとなる選手もいるし、この7、8年でたくさんのリーダーを育ててきた」。

「そのことはチーム自体にも良い影響を与えている。それというのも現代のラグビーは数人の選手に頼るようなことはできないから。つまり、先発でキャプテンを務めた選手が試合終了までフィールドにいて、キャプテンを続けるとは限らない。後半、終盤にリーダーシップを取る人が必要。だから、今週のゲームはリーチとSH(スクラムハーフ)流大の共同キャプテンでいくつもり」と話した。

8日の試合で共同キャプテンとなる流

ワールドカップ時のキャプテンについては「たくさんいいリーダーがいるので、この5試合で見極めたい。例えば、坂手は80分間プレーし続けるタイプの選手ではない。もし、キャプテンが坂手だけとなると、最後の20分がリーダー不在の状況になる。そういう大事な時間帯にチームをまとめられるリーダーを用意する必要がある。リーダー決定にそこが一番今重要だと思っている。プレッシャーのかかる状況でリーダーシップを取れる選手が必要」。

「日本代表は常に大差をつけて勝てるわけではない。前回のワールドカップのように、ほんの少しの瞬間に勝負が決まるような状況が、最後の時間帯にある。そこでコネクトして、パフォーマンスを発揮しないといけない。そういうリーダーシップも必要。その意味で共同キャプテンもあり得る。とにかく決まったらお伝えします」と共同キャプテン制となることを示唆しつつ、まだ決めていないことを明かした。

そして今回のワールドカップ後に退任する報道が出たことに関して質問されると、ジョセフHCは「特段、チームに影響はない。私にはやるべき仕事がある。私の最優先事項はワールドカップで勝つことで、それが本当に唯一の最優先事項。そのためにチームを率いる責任がある。決して世界で最も強いチームというわけではないが、選手たちを信じているし、ハードワークをする選手たちがいてくれるのは幸運なこと」。

練習を見守るジェイミー・ジョセフHC

「私は選手たちのことを大切に思っている。基本的にお金のためではなく、ワールドクラスのプレーをするために、こうしたハードワークをしている選手たちが大好き。多くの点で我々はプロの意識、プロのマインドセットを持っている。将来のことを考えると少し寂しいような気持ちがないわけではないが、今は日本での時間を大切にしたい。チームを離れる時が来たのだと思う。ただ、いつでも日本に戻ってきたいという気持ちは変わらないし、この長く続く宮崎との縁も大切にしたい」と報道を認めていた。

報道陣に対応するリーチ マイケル

2019年ワールドカップでキャプテンを務めたFLリーチは、ジョセフHCがワールドカップ後に退任することになったことについて「本人から説明はないが、自分たちでコントロールできないことだし、ジェイミーとの最後のワールドカップなので勝って送りたい気持ちはある」と話した。

今回のワールドカップはジェイミージャパンの集大成として臨むことになる。ただ、その前に今週末からの国内の5戦が大事になってくる。「全部勝つ気でいるので、全員で戦っていきたい。一戦一戦、課題が出てくるので、みんなで成長したい」と坂手が話すとおり、チーム力を上げていくことがワールドカップの成功につながっていく。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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