人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2023年6月30日

今季の関西を牽引するのは京都産業大か、それとも同志社大か。関西大学春季トーナメント決勝展望

ラグビーレポート by 直江 光信
  • Line

京都産業大学 vs 同志社大学

先週末で閉幕した関東大学春季大会に続き、今週末は関西大学春季トーナメントも最終節を迎える。関西大学Aリーグ所属の8校に同Bリーグの上位2校、さらに東海学生Aリーグ1位の朝日大と中国地区大学リーグ1位の環太平洋大を合わせた12校がトーナメント形式で順位を争う中、7月2日の決勝に勝ち進んだのは、昨季関西Aリーグ1位の京都産業大と同3位の同志社大学だ(14時キックオフ@天理親里競技場)。2016年より始まったこの春季トーナメントにおいて、両校が決勝で対峙するのは初となる。

それぞれの今春の戦いぶりを振り返ると、京産は発足当初からフィジカル強化に専念した影響もあって4月30日の天理大とのシーズン初戦こそ28-40で敗れたが、春季トーナメントは5月21日の第1戦(シードのため2回戦から登場)で関西大に73-21と大勝し、今季のチームのポテンシャルを示した。5月28日の京都ラグビー祭では大学選手権2連覇中の帝京大に真っ向勝負を挑み、12-43で屈したものの貴重な経験を積む。その後は春季トーナメント準決勝で関西学院大に54-26、練習試合でも立命館大に35-17、摂南大に69-35と、順調に白星を重ねてきた。

戦力面を見れば、FL福西隼杜、CTB家村健太の共同主将2人を筆頭に昨季大学選手権準決勝の先発15人中7人が卒業したが、新たに台頭してきたメンバーにも成長が楽しみな俊英がそろう。1年生もすでにAチームデビューを果たしたLO石橋チューカ(報徳学園出身)やSH高木城治(東福岡出身)、CTBナブラギ・エロニ(大分東明出身)ら可能性を秘めた逸材が多く、レギュラー争いを活性化させそうだ。

一方の同志社は4月16日の今シーズン初戦で帝京に挑み、0-89と完敗。しかし2週後の亀岡市ラグビー祭では立命館に47-28で勝利し、上昇のきっかけをつかんだ。5月に始まった春季トーナメントは初戦(2回戦)で立命館に24-15と連勝すると、準決勝では天理を41-33で振り切って決勝に進出。6月も明治大(8-38)、早稲田大(14-36)、慶應義塾大(49-36)と、関東の強豪を相手に精力的に実戦経験を積み上げた。タフな連戦を通して、着実にチーム力は高まりつつあると見ていいだろう。

こちらも前年度大学選手権時のスタメンからFL梁本旺義主将ら主軸7人が卒業し、HO長島幸汰、NO8林慶音、SO大島泰真の3人がU20日本代表の南アフリカ遠征に参加していることもあって、現在のラインアップにはフレッシュな顔ぶれが並ぶ。もっとも各ポジションに高校時代から全国レベルで活躍してきた実力者がひしめいており、ポテンシャルの高さは疑いない。就任2年目の宮本啓希監督の掲げるタフなスタイルが浸透すれば、昨シーズンから大きく躍進を遂げる可能性は十分ある。

発表された登録メンバーを見ると、京産のFW第1列は左PR猿渡翔眞、HO李淳弘、右PR西崎海人の3人。石橋チューカと日吉健がLO陣を形成する。バックローはテビタ・ポレオ、キャプテン三木皓正の両FL、NO8に長身の松永壮太朗という並びだ。

BKはルーキーのSH高木城治が2年生のSO奈須貴大とペアを組む。TB陣は西浩斗、松岡大河の両WTBに、小野麟兵と高井良成のCTBコンビという布陣。万能プレーメイカーの辻野隼大はFBに入った。

一方、同志社のフロントローは左PRにキャプテンの山本敦輝、HO大山卓真、右PR上野聡大というおなじみの3人で、両LOは渡邊陽二と山崎暖人が務める。バックローは6番奥平都太郎、7番鈴木崇敏、NO8北堀誠博という機動力に優れる3人だ。

ゲームコントロールを司るのは、SH福岡壮太郎とSO野口大介の4年生HB団。両CTBはともに常翔学園出身の岡野喬吾、ファイアラガ義信ダビデのペアで、バックスリーは左WTBに上嶋友也、右WTBに福田大河、FBが桃田涼平という構成になった。ファイアラガと上嶋の2人はルーキーだ。

なおこの春季トーナメントは過去6回行われており(2020年度は中止)、優勝は天理が4回(2016、2018、2019、2022年)、京産が3回(2016、2017、2022年。2016、2022年は天理と京産の両校優勝)、同志社が1回(2021年)。このうち2016、2018、2019、2022年度は春の優勝校が秋のリーグ戦も制しており、高い関連性があることがわかる。

3季前の2020年度に天理大が初めて頂点に立ち、過去2季も京産が準決勝で強い印象を残すなど、近年は大学選手権で関西勢が大きな存在感を示している。全国から多くの視線が注がれる中、2023シーズンの関西を牽引するのは京産、同志社のどちらか。注目だ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ