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ラグビー コラム 2023年6月23日

昨季大学選手権の決勝カード!大注目の「帝京大学×早稲田大学」。関東大学春季大会Aグループ最終週

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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約半年ぶりの再戦となる。

昨季大学選手権で決勝最多得点(73-20)を挙げ、2年連続11度目の日本一を手にした帝京大学

かたや昨季は、優勝時のみ歌える第2部歌『荒ぶる』には届かなかったが、成長を続けて準優勝した早稲田大学

迎えた2023-24シーズン。

大学ラグビーの最高峰にいる帝京大(1位/勝点17)と早稲田大(3位/勝点14)が、6月25日(日)、関東大学春季大会Aグループの最終週で激突する。有観客となる会場は、埼玉・熊谷ラグビー場。鉄笛は日曜日の午後1時30分に鳴る。

V3を狙う帝京大は今季、1年時から主力のHO江良颯をキャプテンに据え、春季大会ではここまで3勝1分(台風による試合不成立の引き分け)。

大会開幕戦の東洋大学戦は、92-14で大勝。流通経済大学との第2戦は衝撃の93得点完封。そして試合不成立となった明治大学戦を経て、前戦は東海大学が相手となった。

昨季関東大学リーグ戦を5連覇した東海大との注目対決となり、好勝負が期待された。しかし結果は64-5という完勝だった。

完勝の大きな要因は、FWの優位だったろう。

まず8対8の押し合いに歴然とした差があり、帝京大はファーストスクラムから“走った”。その後東海大は低い姿勢で一時対抗したが、大勢は変わらず。

HO江良主将のスローイングから始まるラインアウトも正確で、強力FWによる「スクラムPK→モール」を起点にトライ量産。のみならず、後半はバックスでも3連続トライ。武器の多様性も証明した。

ただリンクプレーでのミスも多く、遂行力には課題が残っただろう。しかしFWの圧倒的な差の前では、いくつかのエラーは問題にならなかった。もちろん多少のミスがあっても“勝ててしまう”現状は、歓迎すべきかどうか、判断が分かれそうだ。

帝京大学スターティングメンバー

王者は今大会の最終戦へ向けて、前戦と変わらぬ先発を並べた。

スクラムを牽引するフロントローは PR平井半次郎(3年、御所実業高)、HO江良主将(大阪桐蔭高)、PR上杉太郎(4年、熊本西高)。

大学最高峰のバックローはラインブレイカーでもある3人。FL青木恵斗(3年、桐蔭学園高)、FL奥井章仁(4年、大阪桐蔭高)、 NO8延原秀飛(4年、京都成章高)。バックスではルーキーのWTB青柳(木に夘)潤之介が元気。前戦も2連続トライで存在感を示した。

早稲田大学スターティングメンバー

一方の早稲田大。

今季は総合力に長けた司令塔であるSO伊藤大スケ(示に右)を主将に据え、『WASEDA FIRST』をスローガンに始動。春季大会はここまで3勝1敗。熊本開催となった明治大学戦にのみ24-45で黒星を喫した。

前戦は2週間前の流通経済大学戦だ。

50-31で勝利したが、前半のスクラム劣勢などもあって31失点。スクラムはレフリーとのコミュニケーションを含め、相手のヒット後の仕掛けに対応しきれなかった印象だ。

常に『荒ぶる』からの逆算思考を働かせている早稲田大のこと、ピーキングの照準は大学選手権、勝負所の新春にあるのだろう。ただ今回の王者・帝京大との手合わせは、有意義な経験、データになるはずだ。

注目の一戦に先発するのは、まず平均身長177cm、同体格の3年生フロントロー。PR門脇浩志、HO佐藤健次、前戦リザーブから先発にあがるPR池田裕哉。明治大から早稲田大に再入学した異色の経歴の持ち主だ。

やはり早稲田大のハーフ団は常に注目。相手に高校時代の先輩・同期も多いSH宮尾昌典(3年、京都成章高)、絶対的な司令塔であるSO伊藤主将(桐蔭学園)だ。

前戦からの先発変更はPR池田を含めて3人。WTB杉野駿太(3年、早稲田大高)、昨季ファイナルにも先発した主力CTB岡ザキ(山に竒)颯馬(4年、長崎北陽台高)だ。

個人的に注目したいのは1対1のタックル精度。

帝京大はディフェンスも規律正しく、鋭い。ゲインを許したとしてもオフサイドラインの約1m後方まで下がり、初速を得てからDFラインを押し上げる。そして腰から下へ的確に刺さる。

早稲田大も粘り強い守備を見せてきたが、フィジカルに長ける帝京大のランナーをまずは仕留めたい。ゲインを許すと帝京大のペースに傾くだろう。

注目は早稲田大のハーフ団。

キックも使いながらエリアをマネジメントし、タフな勝負に挑むFWを助けたいところだ。スペースに駆け込むランナーに対するアシスト能力は大学屈指であり、二人のパスさばきにも注目したい。

そしてスクラム。現代ラグビーの試合においてはスクラム戦が最重要項目だ。元日本代表プロップの相馬朋和監督の下、スクラムを絶対的な武器とする帝京大に対して、早稲田大はどう対抗するか。

春季大会屈指のビッグゲーム。躍動するのは真紅のジャージーか。それともアカクロか。

文:多羅 正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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