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ラグビー コラム 2023年6月16日

Bグループ優勝をかけて筑波大と日本大が最終節で激突。関東大学春季大会プレビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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昨季の関東大学対抗戦と関東大学リーグ戦の4~6位校によって争われる関東大学招待試合Bグループは、今週末で最終節を迎える。全15試合、9週間にわたる戦いを締めくくるのは、ここまで4戦全勝の筑波大と3勝1敗の日本大だ(6月18日13時キックオフ@CHUBU UT Field)。現在の勝ち点はそれぞれ19と14で、リーグ最終戦での優勝をかけた直接対決となった。

筑波大は4月23日の開幕節で立教大を42-25と退けると、法政大(28-15)、立正大(33-10)にも勝利。さらに6月11日の第4戦では、前年度の対抗戦で12-16の惜敗を喫した慶應義塾大から9トライを奪う猛攻を見せ、61-17の快勝で春季大会4連勝を飾った。ハードワークを身上とする試合巧者の慶應を攻守ともに圧倒する内容で、ここにきて一段とチーム力がレベルアップしていることを感じさせた。

一方昨季リーグ戦4位の日大は、立正との初戦(52-19)を皮切りに慶應に48-26、法政には69-22と、いずれも完勝で開幕から順調に白星を重ねた。しかし先週の立教戦は相手の気迫みなぎるチャレンジに立ち上がりから受けに回り、前半0-26と大きく先行を許しての折り返し。後半、懸命のアタックで2トライを返したものの、14-26で春季大会初黒星を喫した。今節は逆転優勝に向けた勝利はもちろん、嫌なムードを払拭するために内容も求められるゲームとなる。

2日前に発表された登録メンバーを見ると、筑波大は前週の慶應戦から先発3人を入れ替えた。1番の大塚椋生から2番平石颯、3番麻生尚宏、4番星凌太までは変わらぬ顔ぶれで、5番には1年生のLO磯部俊太朗がリザーブからステップアップ。FLの横溝昂大ショーンと大町尚生、NO8本郷雄斗のFW第3列は前節と同じ並びだ。

HBは慶應戦で積極性が光ったSH白栄拓也とSO濱島海の4年生コンビ。濱島の弟・遼が11番に入り、12番には1年時から主軸を務めてきた浅見亮太郎が先発に繰り上がった。13番東島和哉、14番の高田賢臣、FB増山将の3人は、先週に続くスタートからの出場となる。

日本大学スターティングメンバー

対する日大の前節からの先発変更はPR春野星翔、HO西岡昴、FL武育也、CTB後藤翔大の4人。ただ他にも複数のポジション変更があった。右PRの江藤大輝と左LO飯山尚暉は立教戦と同じ背番号での出場だが、キャプテンの佐川奨茉がNO8から5番にシフト。これにともない四宮勇斗が6番、永池海音が8番で登場する。

HBはSH齋藤史哉とSO徳永優太の不動の2人。TB陣は前節13番の中山仁が左WTBに移り、期待のルーキー後藤が12番に入ったことで、ジョアペ・ナコは13番に下がった。右WTB浦川直輝とFB西尾陽太はそれぞれ3戦連続、4戦連続のスタメンだ。

両校のFW8人平均の身長と体重を比較すると、筑波の180センチ、98.8キロに対し、日大は173.5センチ、94.5キロ。サイズで大きく上回る筑波が、セットプレーとボール争奪局面でいかにプレッシャーをかけられるかが、この試合のひとつの焦点となるだろう。特に高さに大きな差があるだけに、ラインアウトの攻防は鍵を握りそうだ。

BKで注目されるのは、筑波の浅見、東島と日大の後藤、ナコのCTB陣のマッチアップ。それぞれ体の強さとスキルを兼ね備えた攻守の軸で、プレーに絡む機会も多い。ミッドフィールドで激しいバトルを繰り広げるだろう。

大黒柱のNO8谷山隼大主将を肩の手術で欠く中、難敵を倒し春季大会を全勝で締めくくることができれば、筑波の視界はさらに大きく広がるはずだ。日大にとってもここまでの春の戦いでつかみかけていた自信を取り戻し、昨季4位に沈んだ秋のリーグ戦での復権につなげるための重要なゲームとなる。今シーズンの覇権争いにも関わる一戦だけに、両者がどんなパフォーマンスを見せるか楽しみだ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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