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ラグビー コラム 2023年6月13日

【ハイライト動画あり】筑波大、9トライ61得点を挙げ慶應義塾大を圧倒。次週は優勝をかけて日本大と直接対決。関東大学春季大会Bグループレビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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スカイブルーのジャージーが、黒黄の防御網を思うがままに切り裂いた。鋭い出足でプレッシャーをかけ、接点で当たり勝ち、スピードランナーがスペースを駆け抜ける。奪ったトライは前後半合わせて実に9本。関東大学春季大会Bグループの上位を争う実力校同士の激突は、筑波大が61-17で慶應義塾大から大勝を収めた。

最初のトライが生まれたのは前半8分過ぎだ。アグレッシブなディフェンスでペナルティを奪取した筑波は、迷わずタッチに蹴り出して敵陣ゴール前へ。ラインアウトからモールを形成するや力強いドライブで一気に押し切り、HO平石颯が右中間に押さえる。

続く11分には中盤での慶應の不用意なエラーにすかさず反応して切り返し、ターンオーバーボールを手にしたWTB高田賢臣があざやかにラインブレイク。そのままタックラーを振り切って約60メートルを独走し、インゴールに飛び込む。みずからコンバージョンも決め、リードは12-0に広がった。

入りの時間帯を支配し主導権を握った筑波は、18分にも勤勉なチェイスで相手を追い込み、ゴール前でマイボールスクラムを獲得。NO8本郷雄斗が豪快なサイドアタックで突き抜けチーム3本目のトライを刻むと、21分にはCTB永山丞が見事なハイボールキャッチとカウンターラン、50:22キックで一気にビッグチャンスを作り出す。そこからラインアウトモールを粘り強く押し込み、ふたたびHO平石がゴールラインを越えた。

一方的な展開からようやく慶應が反撃に転じたのは25分過ぎだ。筑波陣22メートル線内でマイボールラインアウトの機会をつかむと、BKまで加わったモールドライブでジリジリと前進。一度目は相手のコラプシングもあって取り切れなかったものの、二度目のチャレンジで仕留め切り、HO中山大暉がトライラインを越えた。

流れを変えたい慶應はさらに直後のキックオフから果敢に仕掛け、敵陣22メートル線付近までエリアを進めるが、乗り越えにいったカウンターラックで反則を取られ追加点はならず。逆に筑波はこのタッチキック→ラインアウトからテンポよくアタックを継続し、防御裏へのキックに反応しサポートしたPR麻生尚宏が右中間になだれ込む。しかしこれ以上離されたくない慶應も前半終了間際にキャプテンのPR岡広将が密集サイドをねじ込んでトライを返し、12-33として40分を折り返した。

ラグビー関東大学春季交流大会2023 Bグループ

【ハイライト】慶應義塾大学 vs. 筑波大学

21点差で迎えた後半。追いかける慶應にすれば何としても先にスコアを挙げて詰め寄りたいところだ。しかしこの勝負どころの立ち上がりの時間帯で、またしても筑波が真価を発揮する。

マイボールキックオフで猛然と前に出て圧力をかけ、敵陣ゴールライン近くまで押し込むと、苦しい状況で蹴った慶應のキックをハーフウェー付近中央でレシーブ。この絶好のチャンスにすかさずカウンターアタックを仕掛け、SO濱島海が防御の隙間を縫うような走りで左サイドを駆け抜ける。開始直後の強烈な一撃で、後半の流れを決定づけた。

その後、自陣22メートルライン内に釘付けにされるシーンもあった筑波だが、ひたむきなタックルとすばやいリアクションで慶應のアタックを寸断。一連の流れでハーフウェー付近まで押し戻すと、相手が強引に攻めてきたところへ殺到し、パスカットしたHO平石がこの日自身3本目のトライをマークする。55分にはゴール前スクラムからBKでサインプレーを仕掛け、ルーキーのWTB飯岡建人がタックラーを引きずりながら中央に飛び込んだ。

慶應もその3分後にラインアウト起点の攻撃で大外のスペースを攻略し、内へ切れ込んだWTB大野嵩明がトライを返したが、大勢を変えるには至らず。63分にはこの日大活躍の筑波WTB高田がペナルティからの速攻で右中間にフィニッシュ。最終スコアを61-17まで伸ばして、フルタイムを迎えた。

これで筑波は春季大会4連勝となり、勝ち点は19に。同日に前節まで3連勝の日本大立教大に14-26で敗れ勝ち点(15)を伸ばせなかったため、入れ替わってBグループの首位に立った。直接対決となる6月18日の最終戦(13時キックオフ@CHUBU UT Field)は優勝をかけた大一番だけに、どんなパフォーマンスを見せるかが注目される。

完敗を喫した慶應は筑波のエナジーみなぎるヒットにゲインラインバトルで終始劣勢を強いられ、苦し紛れのプレーから失点する場面が多かった。これで春季大会はBグループ3位が確定し、6月25日の同志社大との招待試合(14時キックオフ@静岡・草薙総合運動公園球技場)が春シーズンの最終戦になる。多くの課題が浮き彫りとなったこの試合を糧に自分たちのスタイルに立ち返り、いい形で春を締めくくることを期待したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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