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ラグビー コラム 2023年6月12日

ラグビー日本代表、ワールドカップに向け始動。指揮官は「良いスタートが切れた」

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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練習公開されたのはミッチェルコーチが指導するディフェンスのパート

いよいよ始動だ。9月に開幕するワールドカップに向けて、6月12日(月)、ラグビー日本代表が千葉・浦安で合宿を本格的にスタートさせた。前日にはフィットネス、フィジカルのテストや全体ミーティングを行ったという。

この日、グラウンド練習には日本代表36名全員と、PR(プロップ)小林賢太、FL(フランカー)下川甲嗣、WTB(ウィング)レメキ ロマノ ラヴァ、高橋汰地の日本代表候補4人の計40人が参加した。

日本代表候補のFL(フランカー)ピーター・ラブスカフニはまだ参加しておらず、日本代表候補でコンディション不良などの5選手は合宿に一度、顔を出したが離脱しているという。

午前中はFW(フォワード)よBK(バックス)に別れて、タックルのスポットコーチであるジョン・ドネヒューがコンバットトレーニングを指導し、もう片方のグループはフィジカルトレーニングを行った。さらにディフェンス担当のジョン・ミッチェル アシスタントコーチの下、ディフェンスの動きの確認(クラリティー)をして終了となった。午後は、実戦に近いスピードでディフェンス練習を行ったという。

集まった報道陣は100名ほど

100人近くのメディアに対応した日本代表のジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は「良いスタートが切れたと思います。昨日のテストの結果、チームの90%以上は、私たちが選手に求めていた目標に達していた。選手たちは本当に自信を持って、(浦安、宮崎の)2つのキャンプに参加し、パシフィックネーションズカップに臨むことになる」と話した。

改めて今回の合宿の狙いを聞かれて、ジョセフHCは「ワールドカップまで約100日と迫ってきた。だから、この1週間は本当にチームの結びつき、ストレングスとパワーに焦点を当て、私たちのやり方を再確認し、チームが再びコネクトできるようにしする。我々がどのようにゲームをプレーしたいかという明確な方針であり、セッションを通して、再びビルドアップしていく」と語気を強めた。

ジェイミー・ジョセフHC

さらにジョセフHCは、「3つのキーポイントがある」と今回の合宿のプランに関して話を続けた。「最初の2週はフィジカルコンディション(を整える)。ワールドカップまで、まだ日にちがあることを考えると、多くの選手が3~6週間の休みを過ごしたので、選手は非常にリフレッシュした気持ちで臨んでいる」。

「そして2度目のキャンプで、ピークに持っていくことをプランニングしている。オーストラリアから素晴らしいコーチに来てもらったので、彼にはワールドカップに向けたメンタリティを担当してもらう。これが2つ目のポイント。それから(最後に)自分たちのゲームを成長させ、選手全員がそれを理解していくこと」。

前々回、前回大会は長期合宿を通して強化したが、それに比べ今大会の準備期間は長くはないことに関してジョセフHCは、「コーチとしては与えられた環境でやるべきことをやる責任がある。準備で行けば、パシフィックネーションズカップが終わる頃には十分な準備ができていると考えている」。

「前回のワールドカップの時は、選手の大半はスーパーラグビーに参戦していて、半年間週末は世界中で試合をするというタフな環境にあった。それが今との違い。リーグワンでは、タフな戦いをしてきた選手とそうでない選手がいるが、それ(前回大会)よりずいぶんマシなので、(準備期間の)50日という時間についてそんなに不安はない」と話した。

昨季はキャプテンを務めたHO坂手

注目されたキャプテン、副キャプテンといったリーダー人事について指揮官は、「このチームには多くのキャプテン経験者がいます。リーチ(マイケル)は10年くらいジャパンのリーダーだったし、坂手(淳史)や堀江(翔太)、流(大)らもいる。新たなリーダーが育ってきたので、誰がスキッパーになっても違和感がない。だから、今すぐキャプテンを決めるのは難しいが、このキャンプの2、3クールを通して決められれば」と話すにとどめた。

リーグワンで活躍したWTB(ウィング)木田晴斗、CTB(センター)長田智希といった若い選手も代表入りしたことについて、ジョセフHCは「素晴らしい。リーグワンで一貫性のあるパフォーマンスを見せた。今、ここからは別のチャレンジだが、彼らがチャンスをつかめるかどうかを見たい。あと100日で5試合しかないので、回ってくるチャンスは1度きりしかないかもしれない」と期待を寄せた。

ジェイミー以下コーチ陣

また、ケガをしているテビタ・タタフ、ベン・ガンター、ラブスカフニといったバックローに関しては、「3人ともあまり良いコンディションとは言えない。復帰しない可能性はないですが、100%ではない。このキャンプに参加して、100%であることが必要ですし、彼らに信頼を置いているが、今キャンプに参加している選手たちにも自信を持っている。

「(ファウルア・)マキシはクボタでいいシーズンを過ごしたし、福井翔大は有望な才能ある選手。今の(3人が不在の)状況ではそういう選手たちにチャンスを与えられるし、試合に出る時間も与えられると思う。3人が復帰してくれれば素晴らしいと思うし、今いる選手たちといい争いになるよう、みんながハードワークして、セレクションに頭を悩ませることは良いこと」と話した。

最後に、日本代表をワールドカップに向けてどのようなチームに仕上げたいか、と訊かれてジョセフHCは「決勝トーナメントに進むためには、まずベスト8に進出しなければならないことは明らか。ベスト8に進出することが最初の目標で、それが前回で実現し、世界に私たちが十分な力を持っていることが証明された。そこからさらにもう一歩踏み出す必要があるが、選手全員が一歩一歩前進していくしかない」と意気込んだ。

日本代表はまずは浦安の地で、フィジカルトレーニングとタックルスキル、そしてチームの『リコネクト』を重視しながらチームの底上げをしていく。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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