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リーチ マイケル選手
6月12日(月)から、9月のワールドカップ開幕に向けて本格的な合宿に突入するラグビー日本代表。その直前の8日(木)、リーグワンの試合会場や東京・丸の内エリアでの出店していた「リーチ マイケル コーヒースタンド powered by 三菱地所」のスピンオフ企画として、「ラグビーマガジン×リーチ マイケル ~COFFEE TALK 2023 at 東京・丸の内(常盤橋タワー)~」が開催された。
過去、ワールドカップに3回出場し、日本代表の精神的支柱であるリーチ マイケル選手がコーヒーを片手に、ジャパンラグビーの今とこれからを、長年取材してきた記者と大いに語るトークイベント。
リーチ マイケル コーヒースタンド
ラグビーの新しい魅力に出会える、架空の街「丸の内15丁目」プロジェクトに積極的に関わっているラグビーファン(アンバサダー)から抽選で10名ほども出席。MCはJSPORTSの解説でもお馴染みのラグビージャーナリスト村上晃一さんが務めた。
コーヒーを飲みながらのトークイベントということで、以前はカフェも経営していたリーチ選手がコーヒー豆へのこだわりを見せた。「1つ1つ豆を確認して、コーヒー屋さんで、ピンと来たペルー産のものを選んだ」という。
トークはまず、クボタスピアーズ船橋・東京ベイの初優勝で終わった2シーズン目のリーグワンについて。所属する東芝ブレイブルーパス東京は5位となり、惜しくもプレーオフ進出を逃したが、高いパフォーマンスを維持し続けたリーチ選手は「(過去)最高のシーズンだったと言えるくらい。日本ラグビーはレベルアップしていて、よりタイトな試合ができて楽しかった」と振り返った。
スピアーズが初制覇をしたことについて、リーチ選手は「(立川理道選手の)MVPは文句なし!ハルミチは僕の1つ下。一緒に日本代表のチームをやってきて、日本の中で一番リスペクトしている選手です。天理大学からクボタに入って、2部に落ちたけど、ハルなりにチームを作って優勝まで持っていた。少し経ってから『おめでとう!』とメールを打ちました」と祝福した。
個人賞に話が移ると、リーチ選手は選手が選ぶベストタックラーの「ゴールデンショルダー」(※受賞は東京サントリーサンゴリアスのFL山本凱選手)には三菱重工相模原ダイナボアーズのFL(フランカー)坂本侑翼選手に投票したという。「坂本に何回もタックルを受けて痛かった。海外の選手は上にくるが、(日本人の)小さいFLは思いっきりスカーンと下にぶつかってくる。高校生、大学生は坂本のプレーを見た方がいい」。
また、自身も12年前に新人賞に獲得したリーチ選手は、今季の新人賞(CTB/センター長田智希/埼玉パナソニックワイルドナイツ)について「歳を取ると誰が1年目、2年目、3年目かわからなくなってくる(苦笑)。(サンゴリアスの)山本が新人とは知らなかった。長田智希かなと思いました。WTBもできて、馬力もあって日本代表にも選ばれた。刺激を受けています」と話した。
次に話は6月12日から本格的に合宿に突入する日本代表の話になった。ジャパンの現在地を聞かれてリーチ選手は「準備期間は前回に比べたら短いが、ここから5試合でチーム力がギュッとなる。(ワールドカップイヤーは)集まったとき、去年のキャンプとは違う雰囲気になる」。
「激しいポジション争いもあって勝たないといけない。まだセレクションなので、(ワールドカップメンバーに)呼ばれるように日々の努力が必要。ワールドカップに行く前提で考えていない。自分を強くしてアピールしたい」と腕を撫した。
日本代表のチームメイトの中で、注目している選手と訊くとリーチ選手は、HO(フッカー)堀江翔太の名を挙げた。「プレーが伸びているし、存在感がチームの支えになっている。2人でタッグを組んで、どれくらいチームを上まで持っていけるか、楽しみですね」。
「コミュニケーション能力もすごいし、試合中、落ち着いている。ワールドカップは特別な大会で、プレッシャーがあって顔に出ちゃうが、堀江さんの顔を見ると落ち着く。彼の存在が大きい。僕も堀江さんのように落ち着かせるリーダーになりたい」。
リーチコーヒー片手に集合写真
予選プールで3勝した2015年大会、ベスト8に進出した2019年大会においてキャプテンを務めていたリーチ選手は、外国出身選手にも日本文化を理解、浸透させて、チーム愛を醸造してチームを強くしていった。
その経験を踏まえて「日本を代表しているから、チームや日本に愛情を持つように今大会も同じことやったほうがいい。チームに感情が入れば入るほど強くなる。またリーグワンの各チームで、優れたコーチの指導を受けて、プロフェッショナル選手も増えた。ほとんど(お酒を)飲みに行く人はいない。50日の合宿で、他のチームよりいい準備ができる自信はある」と語気を強めた。
イベントに参加したラグビーファンから、落ち込んだ時にどうしているかと聞かれてリーチ選手は、「一番の薬はお笑いです。YouTubeで好きなお笑い見る。好きな芸人はロバートの秋山です。あとはスナックに行って、飲んで家に帰る」と、意外にもお笑い好きだったことを吐露。最近は奥さんといっしょにダーツもよくやっているという。
リーチコーヒー
最後にラグビー日本代表のコーヒー部で名誉会長(部長はCTBディラン・ライリー、会計はPRクレイグ・ミラー)を務めるリーチ選手は「コーヒーは人と人をつなぐコミュニケーションツールで、日本代表でもコーヒーがツールになっている」。
「今大会は相手も強いし、アウェイで日本のファンも少なく環境も違うので、難しい大会になるが、優勝を目指して頑張りたい。いつか、ワールドカップで優勝できるチームを作って、もう1回感動させたい。そのいいきっかけになるように頑張りたい」と挨拶してイベントを締めた。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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