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ラグビー コラム 2023年6月9日

今季好調の対抗戦の実力校が激突。関東大学春季大会Bグループ、慶應義塾大×筑波大戦プレビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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6月も中旬に差し掛かり、大学ラグビーの春シーズンも残りわずかとなってきた。終盤戦を迎えた関東大学春季大会では、6月11日にBグループの慶應義塾大筑波大戦がCHUBU UT Field(筑波大グラウンド)にて行われる(12時キックオフ)。昨季の関東大学対抗戦はそれぞれ4位と5位ながら、大学選手権では筑波がベスト4進出、慶應も準々決勝で京都産業大に33-34と肉薄しており、ともに実力は全国トップレベル。今回の一戦は、両校の現在地を確かめる重要な機会となる。

今季ここまでの戦いぶりを振り返ると、慶應は5月14日の日本大戦に26-48で敗れたものの、法政大(65-31)、立正大(27-24)、立教大(31-0)に勝利し、春季大会は現在3勝1敗。6月4日に行われた早稲田大との招待試合でも、疲労が蓄積する終盤に猛烈な追い上げを見せて17-26の熱戦を演じた。一人ひとりがひたむきに役割を遂行するチーム一丸のパフォーマンスは、献身的なFLだった青貫浩之新監督のカラーが着実に浸透しつつあることをうかがわせる。

一方の筑波大は4月9日に開催された東日本大学セブンズで優勝を果たすと、春季大会は立教に42-25、法政に28-15、立正に33-10と3連勝。さらに5月28日の招待試合も流通経済大に33-27で競り勝つなど、快調に白星を重ねている。キャプテンにして学生随一のラインブレイク力を誇るNO8谷山隼大が肩の手術で不在の中(復帰は秋予定)、こちらもいい流れで春シーズンを過ごしている印象だ。

春季大会Bグループの現時点の順位をチェックすると、1位は3戦全勝で勝ち点15の日大で、同じく3戦全勝の筑波と3勝1敗の慶應が勝ち点14で2位につけている。慶應は今節が春季大会の最終戦だが、筑波は6月18日に日大との直接対決を残しており、今週末の結果次第で優勝争いの様相が変わるという状況だ。春の成績がそのまま秋に直結するわけではないとはいえ、タイトルを手にすることがチームにもたらす影響は小さくはないはず。特に今回は秋の対抗戦でも戦う相手だけに、このゲームでいい感触をつかんでおきたいという思いがお互いに強いだろう。

慶應義塾大学スターティングメンバー

発表された登録メンバーを見ていこう。慶應の前週早稲田戦からの先発変更は3人。FWはPR成田薫、HO中山大暉、PR岡広将の第1列から藤井大地とシュモックオライオンのLO陣、樋口豪、田沼英哲の両FLにNO8冨永万作まですべて同じ顔ぶれとなった。SOには4月23日の法政戦以来の復帰となる山田響が入り、SH橋本弾介とコンビを組む。それにともない永山淳が10番から12番、三木海芽が12番から13番へシフト。ルーキーの松田怜大がU20の今野椋平に替わってWTBからFBへ回り、伊吹央、大野嵩明とバックスリーを形成する。

高田賢臣(筑波大学)

対する筑波は5月28日の流通経済戦からスターター7人を入れ替えた。タイトファイブは1年生のLO白丸智乃祐を除く4人が替わり、PR大塚椋生、HO平石颯、PR麻生尚宏、LO星凌太という並びに。第3列はFL横溝昂大ショーン、FL大町尚生、NO8本郷雄斗の3人が引き続きスタメンで出場する。ゲームキャプテンを務めるのは約1か月ぶりの先発となる副将のSH白栄拓也で、SOには濱島海がリザーブから繰り上がった。永山丞は10番から12番に移り、兄である慶應の永山淳と直接のマッチアップとなる。ペアを組む13番は好タックラーの東島和哉。1年生の飯岡建人は11番に回り、WTB高田賢臣とFB増山将は前節に続くスターターだ。

なお両校は昨季対抗戦の第4節で顔を合わせており、中盤まで筑波が12-6と先行するも、慶應が後半14分以降に1トライ1ゴール1PGを挙げ16-12で逆転勝利を収めている。その時の先発メンバーで今季残ったのは慶應が6人、筑波が11人。ともにU20日本代表合宿参加で不在の選手もおり、そのまま単純に比較はできないが、その経験を踏まえどのようなプランでこの試合に臨んでくるかという点は興味深い。

永山淳(慶應義塾大学)

試合巧者の慶應はキッキングゲームで優位に立ち、得意とするセットプレー起点のアタックからスコアを重ねる展開に持ち込みたいところだろう。筑波にすればこだわりを持つ接点のバトルで圧力をかけ、スペースを作り出して自慢の走力を生かすのが理想の形か。いずれもチームとしての一体感が持ち味だけに、見応えある引き締まった主導権争いが繰り広げられそうだ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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