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春の早明戦
6月4日(日)午後1:00、岐阜メモリアルセンター長良川競技場で行われる「バロープレゼンツ2023 岐阜県ラグビー祭」にて、大学選手権最多となる16回目の優勝を誇る早稲田大学と、日本ラグビーのルーツ校で大学選手権3回優勝の慶應義塾大学が激突する。
両者の対戦となる「早慶戦」は、1922年以来続いている伝統の一戦で、昨秋の100周年となる対戦では雨の中、早稲田大学が19-13で接戦をものにした。今回の招待試合はいわゆる「春の早慶戦」で、昨春も栃木で戦い、早稲田大学が38-21で勝利している。
なお、10:30からは同会場で第71回岐阜県高校総体、兼第70回東海高校総体県予選の決勝、関商工vs.岐阜聖徳も行われる。
早稲田の伊藤主将
アカクロジャージーの早稲田大学(昨季関東大学対抗戦3位)は、大田尾竜彦監督、が就任3シーズン目を迎える。昨季の大学選手権は準優勝で、今季こその優勝を目指し、SO(スタンドオフ)伊藤大祐キャプテンの下、「WASEDA FIRST」を掲げて春から本気で勝負にこだわっている。
ラグビー関東大学春季交流大会ではAグループに属しており、開幕戦の東海大学(関東大学リーグ戦1位)戦に33-19で勝利したが、続く明治大学(関東大学対抗戦2位)戦に24-45で敗れた。その反省を踏まえて「ブレイクダウンでは負けてはいけない」(大田尾監督)と臨んだ3試合目の東洋大学(関東大学リーグ戦3位)戦では48-26で勝利して2勝1敗としている。
早稲田大学
その東洋大学戦からFW(フォワード)1名、BK(バックス)2名、計3名を変更した。第1列はPR(プロップ)に勝矢紘史(2年)、亀山昇太郎、HO(フッカー)には佐藤健次(3年)。また、LO(ロック)はU20日本代表でも活躍した栗田文介(2年)と細川大斗(4年)の2人となった。
FL(フランカー)は田中勇成(2年)が控えに周り、池本大喜(4年)がメンバー外から先発となり、副将FL永嶋仁(4年)とコンビを組む。NO8(ナンバーエイト)は1年生から活躍する村田陣悟(4年)が務める。
BKはSH(スクラムハーフ)宮尾昌典(3年)と、主将SO伊藤(4年)の不動のハーフ団。CTB(センター)の12番には、U20日本代表でも中軸の野中健吾(2年)が入り、副将の岡崎颯馬はベンチ外となった。13番には今季、存在感を示している岡本大輝(4年)が12番から下がった。
早稲田のルーキー矢崎
バックスリーは東洋大学戦でハットトリックを達成した、ルーキーでU20日本代表にも選ばれているWTB(ウィング)矢崎由高(桐蔭学園)と、スピードが武器のWTB細矢聖樹(3年)の2人、FB(フルバック)は京山秀勇(4年)がベンチに下がり、SO久富連太郎(4年)が先発する。
それ以外の控えはHO安恒直人(3年)、PR山口湧太郎(2年)、PR下村勇貴(3年)、LO鈴木風詩(3年)、FL永井新之助(3年)、SH島本陽太(4年)、CTB金子礼人(2年)、WTB磯崎錬太郎(4年)、SO守屋大誠(3年)が入った。
FWが奮闘してフィジカル、接点、そしてセットプレーのバトルで勝利すれば自ずと、タレントの揃うBK陣にいいボールが供給され、トライにつながるはずだ。
続いて、今季は大学選手権ベスト4、そして早慶戦勝利を目標に掲げるタイガージャージーの慶應義塾大学(関東大学対抗戦4位)だ。今季からOBで名タックルラーとして活躍した青貫浩之監督が就任し、「身体を当てることを重視している」と話す。
慶應の岡主将
関東大学春季大会はBグループに属しており、開幕戦で法政大学(関東大学リーグ戦6位)に65-31で勝利すると、立正大学(関東大学リーグ戦5位)には27-24で逆転勝利し連勝。続く、日本大学(関東大学リーグ戦4位)戦には終盤に突き放されて26-48で敗れたが、立教大学(対抗戦6位)には31-0で快勝、3勝1敗としている。
慶應義塾大学
慶應義塾大学は先週の立教大学戦からFW2名、BK名の4名、先発メンバーを変更した。FWは昨季、公式戦では途中出場の1試合のみのPR成田薫(3年)が先発し、主将PR岡広将(4年)、HO中山大暉(3年)と第1列を構成する。LOは藤井大地(3年)とシュモック オライオン(4年)のコンビ。バックローはFL樋口豪(4年)が先発し、矢崎隼太(2年)が控えに回り、FL田沼英哲、NO8冨永万作(ともに3年)は引き続き先発する。
ゴールを蹴る慶應WTB大野
続いてBK、SHは小城大和(3年)が控えに回り、橋本弾介(2年)が先発し、大型SO永山淳(4年)とハーフ団を組む。CTBは三木海芽(4年)、CTB山本大悟(2年)のタックラーが並ぶ。バックスリーは前節、15番で先発したルーキーの松田怜大(桐蔭学園)が15番からWTBに回り、ハイボールキャッチが得意な大野嵩明(4年)と両翼を担う。FBにはU20日本代表でも活躍している今野椋平(2年)が入った。
他に控えはHO渥美和政(2年)、PR木村亮介(4年)、PR山中優太郎(2年)、LO長瀬穣一郎(3年)、FL遠矢虎太郎(3年)、SO磯上凌(3年)、WTB石垣慎之介(2年)、CTB小舘太進(2年)、FB行徳冠生(4年)が入った。
対抗戦の「早慶戦」では2010年以来、勝利できていない慶應義塾大学。やはり、伝統のディフェンスからリズムを作り、接戦に持ち込みターンオーバーからのアタック、モールでしっかりチャンスで取り切りたい。また、昨季対抗戦上位と早稲田大学との対戦は、1月から取り組んできたことを見せる絶好の機会ともなるはずだ。
毎年、11月23日に行われている関東大学対抗戦の「早慶戦」、101年目の今年はちょうど100回目の対戦となる。その前哨戦の「春の早慶戦」を勝利で飾るのは「臙脂」か「黒黄」か。伝統とプライドをかけた激突は6月4日(日)、長良川競技場で午後1:00にキックオフされる。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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