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ラグビー コラム 2023年5月25日

長田智希と木田晴斗、リーグワンを沸かせた2人のルーキーがワールドカップメンバーを目指す

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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長田智希(左)と木田晴斗

5月24日(水)、9月にフランスで行われるワールドカップを控えたラグビー日本代表が、代表選手36名と候補選手10名を発表した。

その中には、今季のリーグワンで大活躍した新人2人も選出された。1人は「新人賞」「ベスト15」の2冠に輝いた埼玉パナソニックワイルドナイツのCTB(センター)長田智希(早稲田大学出身)。もう1人は「ベストラインブレイカー」「ベスト15」に選ばれて、クボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝に貢献したWTB(ウイング)木田晴斗(立命館大学出身)だ。

「今季リーグワンで活躍すれば…」という強い思いを持ち、それぞれのチームで活躍し、正式に日本代表に選ばれたという報告を受けたのは、決勝後だったという。

日本代表のコーチ陣とはほとんど話したことがないという長田は、初めて日本代表に選ばれて「目標にしていたところなので、驚きよりも本当にうれしかったし、やるしかない、がんばらないといけないという気持ちが大きい。リーグワンの結果でスイッチをオフにしていたが、オンにしないといけないと思った」と話した。

3月末のミーティング合宿から日本代表に呼ばれていた木田は、「日本代表に絡んでいくことが今季の目標だったし、結果が出てうれしかった。ただ、選ばれたことはスタート地点で、ここからが勝負だと思った」と意気込んだ。

日本代表に憧れたきっかけを聞かれて長田は「高校、大学からなりたいという思いはあったが、上がどういうレベルでやっているか、通用するかわからなかった。具体的に、本気で目指そうと思ったのは、リーグワンに入ってから。(各国代表)選手と一緒にやる中で、手の届くところにあると自信も生まれて、日本代表への思いが明確になった」と振り返った。

小学校時代、空手をやってきた頃から常に目標を口にしていたという木田は「高校から、日本代表より一段階上の海外でプレーできる選手になりたいと言っていた。大学生のときに日本でワールドカップが行われて、両WTBが活躍しているのを見て、日本代表として出たいという気持ちが強まった」と話した。

新人賞にも輝いた長田 

自分の強みを聞くと長田は「日本代表の目指すラグビーを理解して、どういう風にチームに貢献できるか考えて、合宿で示していきたい。世界で戦うと、日本人の強みであるボールを継続して動かすことが大事だが、CTBだと縦突破だけでなくパスやキックなど多くのことを求められる。そういうところを磨きながら成長していきたい」と先を見据えた。

対して、木田は「11番として左足のキック、ハイボールのコンテストのフィジカリティーが持ち味と言っていただいた」と話した。

ワールドカップスコッドの33人に入るためには、これからの合宿、7・8月の試合で、何がカギかを尋ねると、長田は「CTB中村亮土さんみたいにフィジカルに戦えるところを見せることは大事。海外の選手と戦う中で、フィジカルバトルは避けられないし、そこで戦えるところを見せれば最終メンバーに絡むことができる」。

スピアーズの優勝に貢献した木田

木田は「いろいろところで上回らないといけないが、左利きのキックの精度を活かしながら、WTBには大きな選手が多いので、ワークレイトで上回って自分のランニングも活かしながらやっていきたい」と語気を強めた。

2人とも大学生時代、U20日本代表やジュニア・ジャパンとして、国際舞台を経験したことが大いに刺激になったようだ。

「U20だと下のカテゴリー(ジュニアワールドトロフィー)での戦いで、本当にトップの選手とやっていないですが、海外の選手とやる中でフィジカルレベル、スピードの差は毎回感じていた。(ワイルドナイツで世界のトップと一緒に戦ってきたので)今まで以上に戦う自信はある」(長田)。

「大学1年の終わりにジュニア・ジャパンに呼ばれて試合に出て、フィジカル、スピードで差を感じて、年齢が上がっていくにつれて、上には上がいると感じた。いい刺激になっていたし、海外に挑戦したい気持ちや、日本代表になる夢があったのが、成長し続けた理由だと思う」(木田)。

関西出身の同期の2人に、お互いの印象を聞いてみると長田は、「僕は僕、彼は彼というイメージ。もともとポジションは違うし、一緒にプレーしていたこともあるが、WTBとして心強いですし、本当にいい選手だと思うので一緒にやれるのは楽しみです」と話した。

オンラインで答える長田智希(左)と木田晴斗

また、木田は「決勝戦でトイメンでやるときは意識しましたが、友だちという感じです。道が違うから、あまり(普段は意識することは)ないですね。どの道が合っているとかはない。向上心を持ってやるのが大事」と話した。

最後に、ワールドカップスコッドに選ばれて大会に出たら、どんなプレーをしたいかと聞くと、長田は「アタックはボールキャリーで、前に出る部分のフィジカルは自信があるし、ボールをもらう前の動きで前に出て行く部分、ボールを持って前に出て行く部分は通用する自信がある。ディフェンスではレンジや相手のアタックを予測して、穴を埋めていけることを強みにしていきたい」と前を向いた。

木田は「フィジカル、スピードも合わせてですが、ランニングスキルがどこまで通用するか気になる。ずっと、(世界でアピールすることを)目指してきているので、ジャパンでしっかりアピールして、まずは試合に出るところを目指していきたい」と腕を撫した。

2シーズン目のリーグワンを大いに盛り上げた若きBK(バックス)の2人は、6月から桜のエンブレムのついた練習着に袖を通して「目標にしてきた」というワールドカップという夢舞台へのチャレンジが始まる。

文/写真:斉藤健仁

【日本代表合宿スケジュール】

◆6月12日(月)~6月30日(金)
・日本代表/日本代表候補(千葉県浦安市)

◆7月3日(月)~8月3日(木)
・日本代表(宮崎県宮崎市)

【国内試合スケジュール】

◆7月8日(土)17:00(秩父宮ラグビー場)
・JAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)vs. All Blacks XV(オールブラックス・フィフティーン) 

◆7月15日(土)18:05(えがお健康スタジアム/熊本)
・日本代表 vs. All Blacks XV

◆7月22日(土)14:50(札幌ドーム)
・日本代表 vs. サモア代表

◆7月29日(土)19:30(東大阪市花園ラグビー場)
・日本代表 vs. トンガ代表 

◆8月5日(土)19:15(秩父宮ラグビー場)
・日本代表 vs. フィジー代表 

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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