早稲田大学、東洋大学と対戦。BKの精度がカギ。ラグビー関東大学春季交流大会

相手の攻撃を止める村田陣悟（スポ4＝京都成章・右）と下村勇貴（文3＝東京・早稲田実業）

ラグビー関東大学春季交流大会が開幕。1勝1敗の早稲田大学は、今週末に折り返しとなる3試合目を迎える。試合を重ね、個々の収穫や課題を踏まえて着実とベースアップを図る『チーム伊藤』。前回の試合で課題に挙げた、試合中の『修正力』を克服し、続く東洋大学との3戦目で白星を挙げることができるか。

熊本の地で開催された前節の早明戦。多くの子どもやファンが集まり、試合は観客の熱気で盛り上がりを見せた。前半9分、CTB（センター）岡崎颯馬（スポ4＝長崎北陽台）のトライで先制点をあげ、チームのテーマである『WASEDA FIRST』を見事に体現した早大。

しかし、以降は明大の猛攻を阻止することができず、4連続でトライを献上してしまう。「同じようなシチュエーションで、同じようなミスが何度も見られた」（大田尾竜彦監督、平16人卒＝佐賀工業）と流れをうまく修正できないまま、5-28で前半を折り返した。

迎えた後半、早大はCTB岡本大輝（スポ4＝東京・本郷）のトライを皮切りに勢いづくと、2トライを奪い返し、点差を縮める。その後も、敵陣でのプレーを続け果敢に攻めるが、相手の強力なディフェンスに苦戦し、なかなかチャンスを生かしきれない。終盤には明大の鋭いタックルとゲインで陣地を回復され失点。24-45で、開幕2連勝とはならなかった。

春季大会の第3戦は東洋大学と対戦する。東洋大は東海大学との対戦で、21-113と完敗しているが、油断はできない。昨年の全国大学選手権初戦で、早大が前半に苦しい試合展開を強いられ、一時リードを許した相手である。

インパクトあるFW（フォワード）のディフェンスは粘り強く、突破は容易ではない。早大BK（バックス）陣の縦横に切り裂く展開プレーで、相手ディフェンスを崩し、チャンスを確実に得点に結び付けることができるかが、試合の流れを左右するだろう。

そんな早大のBK陣について、「FW（フォワード）は本当によくやってくれているという感覚。BKにイージーなミスが多い」（SO／スタンドオフ伊藤大祐主将、スポ4＝神奈川・桐蔭学園）。「BKは外のアタックや取り切る部分で精度をもう少し上げなければならない」（SH／スクラムハーフ宮尾昌典、スポ3＝京都成章）と厳しい評価をしている。

「春季大会は選手がどれだけやれるかというのを見極める機会」と大田尾監督が話すように春シーズンは、1人1人のチャレンジ精神が試されている。今回、BKには初のスタメン入りを果たした期待の新人・WTB（ウィング）矢崎由高（スポ1＝神奈川・桐蔭学園）など、躍動するフレッシュなメンバーが加わり、勢いの増すBK陣のゲームメイクを期待したい。

ディフェンスを突破する亀山昇太郎

また、ケガでリザーブ出場が続いていたPR（プロップ）亀山昇太郎（スポ3＝茨城・茗溪学園）も3番の位置に復帰。安定感のあるセットプレーで優勢を保ち、チームに良い流れをもたらしたいところだ。『日本一』に向けて日々精進する選手たち。次戦、さらにレベルアップした姿で勝利を飾ってくれることに違いない。

文／写真：川上璃々（早稲田スポーツ新聞会）