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王者・埼玉パナソニックワイルドナイツに初の4強入りを果たした横浜キヤノンイーグルスが挑む。ジャパンラグビー リーグワン準決勝
ラグビーレポート by 斉藤 健仁埼玉パナソニックワイルドナイツvs.横浜キヤノンイーグルス
「NTTジャパンラグビー リーグワン」ディビジョン1のプレーオフ準決勝が5月13日(土)14(日)に行われる。13日(土)は東京・秩父宮ラグビー場で、連覇を狙うリーグ戦1位の埼玉パナソニックワイルドナイツと、4位で初のベスト4入りを果たした横浜キヤノンイーグルスが激突する。
◆5月13日(土)午後2:35 秩父宮ラグビー場
ジャパンラグビー リーグワン プレーオフトーナメント準決勝
埼玉パナソニックワイルドナイツvs.横浜キヤノンイーグルス
静岡ブルーレヴズに敗れたものの、わずか1敗で今季も首位でプレーオフに駒を進めたディフェンディングチャンピオンのワイルドナイツ。「今季、いろいろなコンビネーション、メンバーで戦ってきたが、今回も自信を持って送り出せる」とロビー・ディーンズ監督は、リーグ最終戦の東芝ブレイブルーパス東京戦から、FW(フォワード)4人、BK(バックス)2名の先発を替えた。
埼玉パナソニックワイルドナイツ
PR(プロップ)はヴァルアサエリ愛が復帰。日本代表の稲垣啓太とキャプテンの日本代表HO(フッカー)坂手淳史とともにフロントローを構成する。LO(ロック)はエセイ・ハアンガナからマーク・アボットに替わり、南アフリカ代表のルード・デヤハーとコンビを組む。
バックローはFL(フランカー)長谷川崚太に替わって福井翔大が6番に入り、7番にジャッカルの名手ラクラン・ボーシェー、NO8(ナンバーエイト)は日本代表のジャック・コーネルセンが務める。
BKはSH(スクラムハーフ)が内田啓介。山沢拓也がベンチに下がり、SO(スタンドオフ)には松田力也が先発に復帰する。CTB(センター)は南アフリカ代表ダミアン・デアレンデと日本代表ディラン・ライリーの強力な2人。
両翼は2度目のオーストラリア最優秀選手賞を受賞したばかりのワラビーズWTB(ウイング)マリカ・コロインベテと、CTBからシフトした長田智希が担い、FB(フルバック)にはキック処理に長けた野口竜司が入った。
会見での坂手主将(左)とディーンズ監督
HO坂手主将が「(プレーオフは)セットプレー、規律が大事になる。スクラム、ラインアウトモールでインパクトを出したい」と言うと、ディーンズ監督は「プレーオフはリーグ戦とは違い、負けたら終わりだ。プレッシャーのかかった試合で、1つのミス、エラー、規律の乱れが勝敗に直結するので、それを乗り越えた方が勝つ」と力強く語った。
ワイルドナイツの失点は270点とリーグで一番少なく、反則数も173でリーグ2位の少なさだ。ディフェンスでプレッシャーをかけて、PG(ペナルティゴール)も含めて得点を挙げながら圧をかけつつ、セットプレーからのチャンスでしっかりトライを奪いたい。
それでも「今週は月曜、火曜は本当に今季一番といっていいぐらい練習ができた。今日(木曜日)は試合で起こり得る状況がいっぱい出たので、試合前に学べてよかった」という沢木敬介監督は、リーグ戦最終節のコベルコ神戸スティーラーズ戦からはFW、BKともに先発3名ずつ入れ替えた。
横浜キヤノンイーグルス
第1列は変わらず、PR岡部崇人、杉本達郎、HO庭井祐輔の3人。両LOは入れ替え、ヒルと久保克斗から、マックス・ダグラスとリアキマタギ・モリの2人となった。FLは6番がシオエリ・ヴァカラヒからコーバス・ファンダイクとなり、7番はゲームキャプテンを務めるベテランの嶋田直人、NO8には新人ながら突破力に長けたシオネ・ハラシリが入った。
BKには「勝つ自信は100%ある」という南アフリカ代表のSHファフ・デクラークと、2019年ワールドカップで活躍したSO田村優が復帰、経験値の高い2人がゲームをコントロールする。CTBはキャプテンの梶村に替わり南橋直哉が12番に入り、スプリングボクスのCTBジェシー・クリエルとコンビを組む。
WTBは7人制東京五輪代表の松井千士と、リーグ戦で13トライを挙げたイノケ・ブルアが務め、FBはエスピー・マレーがベンチに下がって小倉順平が先発する。リザーブにはベテランのHO川村慎、PR安昌豪、津嘉山廉人、LOミッチェル・ブラウン、FLヴァカラヒ、SH山菅一史、WTB/FBマレー、WTB竹澤正祥が控える。
会見での嶋田ゲームキャプテン(左)と沢木監督
沢木監督が「大事なのは自分たちのスタイルをどれだけクオリティ高くできるか。我慢比べに勝って、流れを引き寄せないといけない」と言えば、ゲームキャプテンのFL嶋田も「大事な点は規律。ペナルティしたら(相手に)3点だと思う。規律を持ってアタックできるか、ディフェンスできるか。それができればイーグルスの流れになる」と語気を強めた。
イーグルスはトライ数ではリーグトップタイの84トライを誇り、得点はリーグ2位の588点と攻撃力が自慢だ。また、反則数も181でリーグ3位と少ない。規律を守りながら、キッキングゲームとボールを動かすアタックでトライを挙げて主導権を奪いたい。
今季、1月28日にワイルドナイツのホストである埼玉・熊谷ラグビー場で行われた第6節の交流戦で両者は対戦し、キッキングゲームで優位に立ち、スペシャルプレーでトライを挙げて、イーグルスが後半一度は逆転した。だが、終了間際にワイルドナイツはPRヴァルのトライで追いつき、SO松田がゴールを決め、21-19逆転勝ちを収めている。
キッキングゲーム、セットプレーや接点でのバトルなどみどころは満載だ。王者ワイルドナイツが今季も強さを見せて、リーグワン連覇に王手をかけるのか。それともイーグルスが初のプレーオフ出場の勢いのまま、ファイナルに駒を進めるのか。
ラグビーファンだけでなくスポーツファンも注目する一戦は、5月13日(土)東京・秩父宮ラグビー場で午後2:35にキックオフされる。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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