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【ハイライト動画あり】花園近鉄ライナーズが先勝!浦安D-Rocksはチーム初黒星。ジャパンラグビーリーグワンD1/D2入替戦第1戦レビュー
ラグビーレポート by 多羅 正崇ディビジョン間の入替戦が始まった2年目のジャパンラグビーリーグワン。
5月7日(日)は、小雨の降る宮城・ユアテックスタジアム仙台で、D1(ディビジョン1)12位と、D2(ディビジョン2)1位の入替戦第1戦(全2戦)が行われた。
2022年のチーム誕生後無敗だったD2首位の浦安D-Rocks(浦安DR)が迎え撃ったのは、D1で12位だった花園近鉄ライナーズ(花園L)。
序盤戦は、浦安DRのヨハン・アッカーマンHC(ヘッドコーチ)が「良いスタートだった」と振り返ったように、D2王者が16次攻撃を繰り出した。
いきなり7点リードを奪った浦安DRだが、この後約60分間得点から遠ざかった。
「こうした天候(雨)の試合は、ペナルティの数と、エリアが重要です。そこを上手くマネジメントできませんでした」(浦安DR、グレイグ・レイドロー)
2トライ目を狙った浦安DRだが、シーズンの課題である規律に苦しみ、倒れた後のエクストラ・ロール、オフサイドの反則から自陣方向に後退。
さらに3連続となるペナルティでアドバンテージをもらった花園Lは、前半11分、キックパスをWTBセミシ・マシレワに通して最初のトライ。ゴールは失敗したが、2点差(5-7)とした。
さらに今季2度目の先発となったSOクエイド・クーパーが魅せる。
前半14分、SOクーパーが防御裏へショートキック。ボールは混戦から花園Lの懐に入り、PR田中健太のチーム2トライ目を演出した。
そして、この日花園Lの大きな武器となったのがスクラムだ。
前半16分のファースト・スクラムは互角模様。しかし3分後のスクラムから次第に優勢となり、その後はスクラム・ターンオーバーも。会心のスクラム劇を展開した。
試合前に引退を発表していた35歳のHO樫本敦は、最前列で戦ったスクラム・バトルをこう振り返った。
「フォワードにいつも言ってきたことは『相手どうこうではなく、自分たちの形のスクラムを出していこう』『それが良い結果に繋がる』ということです」
「今日は自分たちの形を崩さなかったことが、試合に活きました」(花園L、HO樫本)
浦安DRはその後も規律に苦しんだ。
前半27分にCTBトゥクフカトネ、前半37分にFLジェームス・ムーアにイエローカード。後半17分にもスクラムでの反則の繰り返しにより3枚目のイエローをもらった。
ただタレント豊富な浦安DRは、NO8リアム・ギルがジャッカルなど獅子奮迅の働き。花園Lの勢いを止めるが、前半終了前の39分だった。
花園Lのサインプレーが炸裂。ブラインドから参加したWTB林隆広が待望のチーム3トライ目。19-7とリードし、後半へ向かった。
浦安DRのSH飯沼主将は「リードされたらどうするかという話もしていました」と入念な準備を明かしたが、後半5分、まだ14人の浦安DRに対し、花園Lがラインアウトモールから攻勢。
殊勲のチーム4トライ目は、フォワードで決めようと話してきたFL野中キャプテン。モールからキャリーに切り替え、グランディングに成功した。
ここで後半開始から投入された司令塔、ジャクソン・ガーデンバショップのゴール成功で26-7。後半24分にはペナルティゴールも決め、リードを22点(29-7)に広げた。
浦安DR、待望の2トライ目は泥臭いキックチャージから。
仕事場のブレイクダウンで活躍したNO8ギルが、相手キックをチャージ。同じく豪州代表キャップを持つFBイズラエル・フォラウへパスを通し、ゴール成功で15点差(29-14)に迫った。
しかし浦安DRは敵陣でのハンドリングエラーにも苦しみ、得点が伸びない。一方のライナーズはディフェンスの課題を克服。高い攻撃力を誇るD2王者を止め続けた。
ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1/2
【入替戦 第1節ハイライト】浦安D-Rocks(D2 1位) vs. 花園近鉄ライナーズ(D1 12位)
花園Lの決め手は、乱れたパスを脚にかけたCTBシオサイア・フィフィタの突破から。バックフリップパスを見事に決め、残り5分(後半35分)でチーム6本目を奪った。
ラストアタックでFBフォラウが流石のビッグゲインをみせたが、選択したキックを再獲得できず。ラストプレーでFBフォラウにキックを選択させた、花園Lの戻りも献身的だった。
そして36-14でノーサイド。逃げ切ったライナーズは、3トライ差以上の勝利によりボーナス1点も獲得。
大舞台でシーズン2勝目、勝点5を勝ち取り、ホスト花園での最終第2戦へ向かうことになった。
練習試合を含めて無敗だった浦安DRは、これがチーム史上初の敗戦。アッカーマンHCは「ライナーズはテリトリーを上手くとって戦ってきました」と相手を讃えた。
「自分たちはセットピースも苦しみました。ボールのバウンドの方向、細かい判定など、すべての物事が上手くいってないように思えた時もありました」
「その中でもチームのために闘い続けてくれたことに感謝しています。あとは自分たちのたってきたことを信じて先に進むだけです」(浦安DR、アッカーマンHC)
23歳の若きキャプテン、SH飯沼は「結果が決まったわけではありません」と毅然としていた。
「どれだけ準備できるかで、未来は変わってきます。(第2戦まで)あと5日間、最高の準備をするために、良い雰囲気から作っていきたいと思います」(SH飯沼)
第1戦で勝利した花園Lの水間HC。こだわりのあるスクラムの強化について訊ねられると、元フッカーの指揮官はスタッフの仕事を讃えた。
「昨シーズンはコロナで全然組めませんでした。今シーズンは8月からフロントローは活動を始め、ユニット練習も週1時間半はスクラムに当てて、積み上げてきました」
「太田春樹FWコーチ、豊田大樹アシスタントコーチが、フロントローの一人ひとりに丁寧に指導してくれています」
そして先発させたSOクーパーについては「しっかりゲームをコントロールしてくれました」と評価。後半最初から替えた意図については「それは次の試合の後に答えます」と笑った。
そして今季限りでの引退を公表したHO樫本。
最終結果が決まる次週の入替戦、最終第2戦はラストゲームとなる。
「やることは変わりません。フォワードで徹底的に優位に立ちたいです」
「(ラストゲームだが)僕のことはどうでもいいです。最後に大仕事をして、勝利に貢献できるように頑張りたいです」(HO樫本)
勝利に貢献したSOクーパーは、5月13日(土)、大阪・東大阪市花園ラグビー場での決戦へ向けて、こんな心構えを語った。
「ボーナスポイントを取った勝ったことについてですが、試合が終わっているので関係ありません。ゼロからのスタートです」
「まず家族の元に戻ってリフレッシュして、マインドセットを整え、来週から一歩ずつ前に踏み出していきます」(花園L、SOクーパー)
いよいよ最終決戦。聖地・花園で、今季2チームの命運は決する。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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