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クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. 東京サンゴリアス
因縁の対決だ。
「次に戦うスピアーズさんには開幕戦で負けているので、必ずリベンジをしたいです」
サンゴリアスは今季開幕戦で、クボタスピアーズ船橋・東京ベイに18年ぶりの敗戦(18-31)。新指揮官の田中澄憲監督は「完敗」と話していた。
チャレンジを受けるスピアーズのフラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)も意気込みは十分だ。
「両チーム共に(開幕戦以降)レベルが上がり、仕上がっている印象です。チャレンジできることを楽しみにしています」
ジャパンラグビーリーグワンのD1(ディビジョン1)最終第16節。
4強によるプレーオフ・トーナメント(優勝決定戦)出場を決めている両軍が、4月22日(土)、スピアーズえどりくフィールド(東京)での再戦に臨む。
ビジターのサンゴリアスは3位(12勝3敗)が確定している。
一方で、勝点61で2位(13勝1分1敗)につけるスピアーズは、1位埼玉ワイルドナイツとの勝点差が「1」。逆転1位の可能性が残る。
ただ、もしスピアーズがこのまま2位通過となれば、両軍は3週間後(5月14日)のプレーオフ準決勝で今季3度目の対決となる。
ホストチームは本拠地「えどりく」で16連勝中のスピアーズだ。
攻撃力はリーグ最強。78トライはD1最多。597得点も1位。サンゴリアスは69トライ(4位)、505得点(4位タイ)となっている。
前節はグリーンロケッツ東葛に59-17で勝利。
試合後、逆転1位の可能性について問われたスピアーズのCTB立川理道キャプテンは「あまりワイルドナイツの結果は考えていないです」と話した。
「次の試合に向けて、何をしなければいけないかが重要です。それを数年やってきて良い結果が出ていることも分かっています」
足下を見つめ、日々向上する。これが立川主将らスピアーズのマインドセットだ。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイスターティングメンバー
その「次の試合」へ向けては、先発15人8人を変更した。
バックスでは164得点で1位のSOバーナード・フォーリー。第6節以来の出場となるCTBライアン・クロッティ。WTB根塚洸雅とFBゲラード・ファンデンヒーファーも先発入りした。
注目される一人は、やはり15トライでトライランキング2位のWTB木田晴斗。
また左ふくらはぎの怪我からの復帰戦となるCTBクロッティは、今季退団が発表されたばかり。
心技体の充実した34歳は「えどりくでの最後の試合を楽しみにしています。オレンジアーミー(スピアーズファンの愛称)の前でプレーできる。待ちきれないです」。
退団後の進路は検討中。選手続行もコーチ転向の可能性もあるという。
かたや開幕戦での雪辱に燃えるサンゴリアス。
開幕戦の敗因の一つは連係面だった。新体制になりアタックに変更が加わった。日本代表からの合流組もおり、開幕戦では連係ミスが目立った。
開幕戦後に田中監督は「『同じ絵を見ているか』という点が課題」と話していた。
「プレシーズンマッチを戦ってきたメンバーと、日本代表で抜けていたメンバー、お互いがコミュニケーションも含めて、グラウンドで確認して合わせていく必要があります」
ただシーズンが深まれるにつれ課題は克服され、リーグ戦は3位フィニッシュで実力を再証明。
前節(第15節)では、2点差(11-9)で横浜キヤノンイーグルスとの上位対決を制した。
東京サンゴリアススターティングメンバー
迎えた雪辱戦の機会。先発は前節から1人変更。WTB尾崎泰雅が入り、大一番で兄・晟也と両翼を担うことになった。
頼もしいハードワークを毎回見せているのがタックル成功163は3位、ラインアウト成功93回は単独1位のLOハリー・ホッキングス。
大注目は18トライでD1トライランク1位のWTB尾崎晟也。22回のラインブレイクは、対峙するスピアーズWTB木田と共に1位タイだ。
攻撃型のイメージが強いサンゴリアスだが、堅守も特徴だ。タックル成功率は86%(スピアーズは84%)。286失点はワイルドナイツの248失点に次いで2位だ。
ただコンバージョン成功率(62.69)とペナルティゴール成功率(85.71)は今回の相手を下回っており、僅差勝負が予想される今後へ向けても改善したい。両軍キッカーの精度に着目したい。
ラインアウトはスピアーズのお家芸だが、今季スピアーズのラインアウト成功率は85.63%。一方でサンゴリアスは成功率88.21%。90%台に迫る高値だ。
ラインアウトと共にサンゴリアスの武器となっているスクラムの行方はどうか。週末土曜日は荒天予報ではない。好条件でのセットプレー・バトルに期待したい。
ホストを務めるスピアーズのルディケHCは「(3度目対戦の可能性がある)セミファイナルはまだ先の話」と語った。
一戦必勝。大注目のバトルは土曜日の午後2時キックオフだ。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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