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プライドをかけたダービーマッチ。ジャパンラグビー リーグワン第15節、グリーンロケッツ東葛×スピアーズ船橋・東京ベイ戦プレビュー
ラグビーレポート by 直江 光信グリーンロケッツ東葛 vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
同じ都市に本拠を置くチームが激突する「ローカルダービー」は、さまざまなスポーツにおいて熱狂的な盛り上がりを見せる人気カードのひとつだ。地理的な関係性が特別な対抗意識を呼び、プレーヤーもサポーターもいつも以上に気持ちをたかぶらせてその一戦に臨む。そうした背景から、数々の名勝負が繰り広げられてきた。
4月16日、柏の葉公園総合競技場では、NECグリーンロケッツ東葛とクボタスピアーズ船橋・東京ベイの「千葉ダービー」が行われる(14時30分キックオフ)。14節終了時点でグリーンロケッツは10位以下、スピアーズは4位以上が確定し、それぞれ入替戦とプレーオフへの進出が決まっているが、立ち位置は違っていても、同じ千葉県をホストエリアとする両者にとって大きな意味を持つゲームであることに変わりはないはずだ。特にグリーンロケッツにとっては1巡目の対戦で7-40と敗れているだけに、レギュラーシーズンのホストゲーム最終戦となるこの試合では意地を示したいところだろう。
両チームのスタッツを比較してもっとも差が顕著なのは得点力だ。スピアーズが12チーム中トップの538得点(1試合平均38.4点)を記録している一方、グリーンロケッツは12番目の235点(同16.8点)。トライ数もスピアーズの70(全体2位)に対しグリーンロケッツは35(全体11位)で、大きな差がある。グリーンロケッツとしては何よりまずディフェンスで奮闘し、ロースコアのゲームに持ち込むことが、この試合の一番のテーマとなる。
もうひとつ注目したいのがインプレーキックの数だ。スピアーズの383本(1試合平均27.4本)に対しグリーンロケッツは270本(同19.3本)で、1試合平均で8本以上スピアーズが多く蹴っていることになる。キックで一気に陣地を進め、いいフィールドポジションでリーグ有数の強力FWの推進力を存分に生かすというスピアーズのスタイルを表すデータといえるだろう。ボールキャリー数やゲインメーター、パス回数はさほど変わらないにも関わらず倍のトライを挙げていることからも、スピアーズがいかに効率よく攻めているかがわかる。
スピアーズ自慢のビッグパックが前がかりにたたみかける展開になれば、どのチームであっても対抗するのは困難だ。キッキングゲームで優位に立ち、できるだけ長く敵陣で戦うことも、グリーンロケッツが勝利するための条件になるだろう。
グリーンロケッツ東葛スターティングメンバー
2日前に発表された登録メンバーを見ると、グリーンロケッツは前節の横浜キヤノンイーグルス戦からFW、BKで3人ずつ先発を入れ替えた。右PRに菊田圭佑が入り、右LOはジェイク・ボールからルーク・ポーターへチェンジ。前節8番をつけたアセリ・マシヴォウは7番に移り、フェトゥカモカモ・ダグラスがNO8を務める。
BKではニック・フィップスに替わって藤井達哉が9番でスタートし、前節好アシストを見せたSO前田土芽とコンビを組む。両WTBは左に尾又寛汰、右に後藤輝也という並びで、尾又は3試合ぶり、後藤は2試合ぶりのスタメンだ。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイスターティングメンバー
対するスピアーズの前節からの先発変更は5人。両PRが紙森陽太と北川賢吾に入れ替わり、LOではルアン・ボタが4番に名を連ねた。バックローはNO8ファウルア・マキシが2試合ぶりにスタメンに復帰。青木祐樹と末永健雄が1番ずつ繰り上がって両FLを務める。
BKは前節リザーブの押川敦治が10番に昇格。またキャプテンの立川理道が2試合ぶりのスターターで左CTBに入った。それにともない、リカス・プレトリアスとハラトア・ヴァイレアはそれぞれ13番、14番に下がる。
リーグ戦の先に控える決戦に向け残された実戦の場は、今節を含めあと2つ。笑顔でシーズン終了を迎えるためには、この貴重な機会をどこまでチーム力向上につなげられるかが重要なポイントになる。それぞれの戦いぶりに注目だ。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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