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ラグビー コラム 2023年4月10日

【ハイライト動画あり】横浜イーグルス、成長示す最終盤のトライでグリーンロケッツ東葛を退けプレーオフへ前進。ジャパンラグビー リーグワン第14節レビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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NECグリーンロケッツ東葛 vs 横浜キヤノンイーグルス

残り10分を切った時点のスコアは33-17で、トライ数は5本対3本。トップ4入りに向け3トライ差以上のボーナスポイントつきの勝利がほしい横浜キヤノンイーグルスにとっては、焦れるような展開だったはずだ。それでもゲーム最終盤の5分間で見事な集中力を発揮し、懸命に食い下がるNECグリーンロケッツ東葛から2トライをもぎ取って注文通りの勝ち点5を手にした。チームとしての成長を示す勝利で、イーグルスがまた一歩プレーオフへの階段を上った。

風上の利とセットプレーの優位性を生かして効率よく陣地を進め、自慢のラインアウトモールで手数をかけずにトライを奪う。第13節終了時点でポイントテーブルの4位につけるイーグルスは、身上のスマートな試合運びで序盤の主導権を握った。

リアキマタギ・モリ(キヤノンイーグルス)

開始6分、ゴール前の右ラインアウトからモールを押し込んでHO庭井祐輔がゴールラインを越えると、17分にも同じ形で庭井が右中間になだれ込む。22分には前に出るグリーンロケッツ防御と入れ替わるようにLOリアキマタギ・モリが抜け出し、21-0と大きく先行した。

ここまではほとんどの時間をイーグルスが相手陣で戦う一方的な展開。しかし中盤でのペナルティをきっかけに流れが途切れると、25分以降はホストのグリーンロケッツが敵陣へ攻め込むシーンが増え始める。

そして迎えた41分、ホーンが鳴った後のプレーで好タックルからペナルティを獲得すると、タッチに蹴り出して敵陣22メートル線内へ前進。ラインアウトから辛抱強く攻撃を継続し、FL カヴァイア・タギヴェタウアがインゴールへ飛び込む。グリーンロケッツが5-21とスコアを詰めて前半を折り返した。

サイドが入れ替わった後半は、グリーロケッツFWの接点での奮闘もあって、一進一退の流れで進む。

ジェシー・クリエル(キヤノンイーグルス)

キックオフ直後、イーグルスのCTBジェシー・クリエルが狙いすましたインターセプトで約50メートルを独走し28-5とリードを広げたが、その後の敵陣ゴール前でのチャンスはグリーンロケッツの激しいディフェンスに圧力を受け、仕留めきれず。逆にここをしのぎきったグリーンロケッツは50分、SO前田土芽のラインブレイクからキャプテンのFBレメキロマノラヴァが滑らかな走りでフィニッシュし、点差を縮める。

ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1

【第14節ハイライト】グリーンロケッツ東葛 vs. 横浜キヤノンイーグルス

54分にはイーグルスがキックレシーブから統制のとれたカウンターアタックで右ショートサイドを崩し、WTBイノケ・ブルアがチーム5本目のトライをマーク。しかしグリーンロケッツもリザーブのフレッシュレッグを一気に投入してアタックのテンポを上げ、長い連続攻撃から敵陣レッドゾーンへ。最後は大外のスペースでカットパスを受けた途中出場の巨漢WTBタンゲレ・ナイヤラボロがタックラーを跳ね飛ばし、スコアはふたたび16点差になった。

しかし同じようにナイヤラボロが左ライン際を駆け抜けた72分のシーンは、直前のプレーでノックオンがあったというTMO判定によりノートライに。すると今度は、細かいミスで足踏みする場面が続いていたイーグルスに好機が巡ってくる。

待望の6本目のトライが生まれたのは75分だ。中盤右でのラインアウトからNO8シオネ・ハラシリがはじけるような弾丸ランでゴール前までゲインすると、入替で入ったばかりのCTB田畑凌が好サポートから右コーナーにダイブ。トライ数を3本差に広げる。

これで気持ちに余裕が生まれたイーグルスは、78分にもラインアウト起点のアタックで狭いスペースを突破。SHファフ・デクラークが絶妙のタイミングで右ブラインドサイドにパスを配し、WTBブルアが右スミに押さえる。最終的には45-17までスコアを広げて、フルタイムとなった。

相次ぐエラーでフラストレーションがたまる展開ながら、集中力を切らさずきっちりボーナスポイントつきの勝利を手にした戦いぶりは、「ウイナーズ・マインドセット」をスローガンに掲げるイーグルスの進歩をあらためて証明するものだった。これでトータルの勝ち点を48に伸ばし、5位東芝ブレイブルーパス東京との差は「5」に拡大。残り2節は東京サントリーサンゴリアスコベルコ神戸スティーラーズと強敵との連戦になるが、悲願のプレーオフ進出に向け、機は熟しつつあるといっていいだろう。

敗れたグリーンロケッツも、突き放されそうな局面からよく盛り返して、最後まで戦う姿勢を見せた。次節は、レギュラーシーズン最後のホストゲームとなるクボタスピアーズ船橋・東京ベイとの千葉ダービー(4月16日14時30分キックオフ@柏の葉公園総合競技場)。5月に控える入替戦に向け、地元サポーターの前でいいパフォーマンスを発揮して勢いをつける機会にしたい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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