プレーオフ進出を目指す東京サントリーサンゴリアスと入替戦を回避したいコベルコ神戸スティーラーズの対戦。ジャパンラグビー リーグワン第14節

東京サントリーサンゴリアスvs.コベルコ神戸スティーラーズ

「NTTジャパンラグビー リーグワン」ディビジョン1のリーグ戦も残すところ、あと3試合となった。先週は「Bye Week」（休みの週）で、4月7日（金）～9日（日）は第14節が行われる。7日（金）の夜は東京都・秩父宮ラグビー場で、3位でプレーオフ圏内につけるホストの東京サントリーサンゴリアス（10勝3敗、勝ち点47）に、9位のコベルコ神戸スティーラーズ（5勝8敗、勝ち点24）が挑む。

2年連続プレーオフ進出、そしてリーグワン初優勝を目指すサンゴリアスは、先月は2連敗を喫したものの、その後は2連勝。現在、3位につけている。32-7で勝利した前節のNECグリーンロケッツ東葛戦の後、田中澄憲監督は「ここから負けられない試合が1戦1戦続くので、ゲームの中で成長しながらやっていきたい」と話し、前節から先発はFW（フォワード）1名の変更にとどめた。

東京サントリーサンゴリアス

第1列は3試合連続先発となった共同キャプテンのHO（フッカー）堀越康介と、森川由起乙、垣永真之介の両PR（プロップ）の3人で構成する。LO（ロックは）小林航と、83回でラインアウトキャッチ成功でリーグトップのハリー・ホッキングスのコンビ。バックローはFL（フランカー）が6番に飯野晃司が控えに回り、今季初出場となるトム・サンダーズが、箸本龍雅が引き続き7番に、NO8（ナンバーエイト）は日本代表のテビタ・タタフが入った。

BK（バックス）は変更なく、日本代表で共同キャプテンのSH（スクラムハーフ）齋藤直人と、昨季までスティーラーズに在籍していたSO（スタンドオフ）アーロン・クルーデンがハーフ団を組む。CTB（センター）は前節2トライの中村亮土と、中野将伍の日本代表コンビ、WTB（ウイング）はテビタ・リーと、18トライでランキングトップに立つ尾崎晟也が両翼を担い、FB（フルバック）は日本代表の松島幸太朗が務める。

リサーブには他にHO中村駿太、PR石原慎太郎、祝原涼介、元日本代表でベテランのFLツイ ヘンドリック、2節連続でのベンチ入りとなったSH大越元気、SO田村煕、尾崎晟也の弟でCTBの泰雅が入った。

コベルコ神戸スティーラーズ

一方、3連敗を2度経験し、9位に沈んで10位以下の入替戦出場の可能性も出てきたスティーラーズ。前節はホストでクボタスピアーズ船橋・東京ベイと対戦、後半追い上げるも14-23で敗れた。

試合後、「キッキングゲームがうまくいかなかったことで、自陣で過ごす時間を多くさせられてしまい、それが最終的な結果につながってしまった」と肩を落としたニコラス・ホルテンHC（ヘッドコーチ）は、FW3名、BK2名と先発を大きく動かした。

フロントローのPRは日本代表の具智元がメンバー外となり、2019年ワールドカップメンバーの中島イシレリと、ベテランの元日本代表山下裕史がコンビを組む。HOには9試合先発出場中の松岡賢太が入った。

LOは前節4番でプレーしたジェラード・カウリートゥイオティが5番にシフトし、JD・シカリングが外れて張碩煥が、リザーブから上がり4番に入った。FLは前節に続いて今村陽良とキャプテン橋本皓の2人が務め、NO8にはアーリーエントリー制度でプレーするティエナン・コストリー（IPU環太平洋大）がベンチに下がり、今季、横浜キヤノンイーグルスから移籍したサウマキ アマナキが入った。

BKはSH中嶋大希とハーフ団を組むのは、第9節の埼玉パナソニックワイルドナイツ戦以来の復帰となった日本代表のSO李承信だ。CTBは前節までSOでプレーした日本代表経験のあるラファエレ ティモシーが12番に下がり、13番に下がったリチャード・バックマンとコンビを組む。

WTBはアタアタ・モエアキオラが11番から14番となり、昨季トライ王に輝いた山下楽平が11番をつける。FBは前節2トライを挙げた日本代表の山中亮平が務める。リサーブメンバーは他にHO王鏡聞、PR山本幸輝、前田翔、LO小瀧尚弘、SH徳田健太、ユーティリティBKのボーディン・ワッカ、ルーキーFB松永貫汰（筑波大学出身）が控える。

両者は今季、第4節でスティーラーズのホストで対戦しているが、この時はサンゴリアスが39-19で快勝した。昨季も1度対戦し、サンゴリアスが56-17で勝っているが、トップリーグ時代の2019-20、2018-19シーズンはスティーラーズがサンゴリアスを下している。

今週の金曜日も雨が予想されているが、サンゴリアスのHO堀越キャプテンは、前節の試合後、「雨の中で我慢強く戦えたのはチームのプラスになった。あと、FWパックがこの試合で成長した部分も見られた」と自信をのぞかせた。トライ数は65で2位につけるサンゴリアスは、キックを交えた攻撃ラグビーでトライを量産したい。

一方、スティーラーズのFL橋本キャプテンは「自分たちのミスで終わってしまったことが大きかった」と前節の反省を口にしていた。ただ、勢いに乗れば攻撃力に長けたチームだけに、先制して試合を優位に進めたいところ。

勝利すればプレーオフ進出に大きく近づくサンゴリアスが第4節に続いて、ホストの対戦でもスティーラーズを退けるのか。何としても入替戦を回避したいスティーラーズがビジターでリベンジを果たすか。ともに日本ラグビーを牽引していた名門チーム同士の激突は4月7日（金）午後7:00に東京都・秩父宮ラグビー場でキックオフされる。

文：斉藤健仁