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FWが前に出続けた桐蔭学園
3月28日(火)、埼玉・熊谷ラグビー場で、全国高校ラグビー選抜大会の準々決勝4試合が行われた。
1試合目は九州新人大会Bパート優勝の佐賀工業(佐賀)と関東新人大会準優勝の國學院栃木(栃木)が対戦した。
序盤、試合の主導権を握ったのは佐賀工業だった。前半6分、モールを押し込み、最後はキャプテンCTB(センター)大和哲将(2年)がステップでトライを奪い、7点と先制する。10分にもスクラムを起点にSO(スタンドオフ)SO服部亮太が抜けだしオフロードパス、そのパスを受け取ったFB(フルバック)川原悠悟(1年)がトライを挙げて14-0とリードする。
2トライを挙げた国栃のNO8山口
だが、國學院栃木も負けていない。相手陣奥に攻め込むと最後はNO8(ナンバーエイト)山口匠人(2年)がトライ、さらに28分、相手がミスしたボールをCTB(センター)福田正武(2年)が足にかけてそのまま拾い上げ、70mを走り切ってトライ。ゴールも決まって14-14とし、ハーフタムを迎えた。
後半2分、佐賀工業はCTB増本隼(2年)のトライで19-14とリードするが、アタックにテンポの出てきた國學院栃木。11分には再びNO8山口がトライを挙げると、17分、自陣からボールをつないで最後はキャプテンSH(スクラムハーフ)小倉光希矢がトライ。24分にはWTB永沢拓夢もトライを挙げて33-19とリードを広げる。
佐賀工業SH井上の同点ゴールは決まらず
あきらめない佐賀工業は後半30分にキャプテンCTB大和がトライ、62分にはSO服部が持ち込んでトライを挙げて2点差に迫った。コンバージョンのゴールが決まれば引き分けとなるところだったが、SH井上達木(2年)が左へ外してしまい、ここでノーサイド。國學院栃木が33-31で激闘を制した
2試合目はともに花園での優勝を経験している『桐蔭』同士の対戦となった。春の関東新人大会王者・桐蔭学園(神奈川)と近畿大会優勝の大阪桐蔭(大阪)は熱戦が予想された。
2試合目は『桐蔭』対決
前半4分、大阪桐蔭に先制トライを許したが、その後は桐蔭学園の時間帯になり、セットプレー、接点でFW(フォワード)が前に出る。10分、LO(ロック)中森真翔、24分にHO(フッカー)田中健心(ともに2年)がトライを挙げ、14-5とする。さらに29分、ボールを外まで運ぶと、FB吉田晃己(2年)がボールを裏に蹴って、そのボールを自らキャッチしトライを挙げて21-5とリードを広げた。
第24回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会
【ハイライト動画】桐蔭学園 vs. 大阪桐蔭
後半も桐蔭学園のペースは変わらず、HO田中らが2トライを挙げるなど、大きくリードを広げる。大阪桐蔭もHO西野陽(2年)がトライを返したが、結局、38-10で桐蔭学園が快勝した。
3試合目は國學院久我山(東京)が、花園王者で九州新人Aパート優勝の東福岡(福岡)にチャレンジした。
前半、東福岡はCTB村上のトライでリード
前半から國學院久我山がディフェンスに前に出てプレッシャーをかけ、アタックでも果敢に攻める。CTB長谷川裕太がPG(ペナルティゴール)を2本決め、6点をリードする展開に。しかし、前半終了間際、東福岡のCTB村上有志(2年)が相手のこぼれ球を足にかけてそのままトライ。ゴールも決まって7-6と逆転してハーフタイムを迎えた。
後半は自陣からでも積極的にワイドに攻める東福岡のペースとなり、HO(フッカー)田中京也(2年)らが3トライを重ねた。國學院久我山も1トライを返したが、東福岡が24-13で勝利を収めた。
4試合目は昨年王者の報徳学園(兵庫)と、近畿大会準優勝の常翔学園(大阪)が対戦した。展開力に定評のある報徳学園がいきなり猛攻を仕掛けて、前半10分までにCTB福田幹太、WTB長谷川諒、FB太田啓嵩(いずれも2年)がトライを挙げて21-0とリードする。
ハットトリックを達成した常翔FL岩本
しかし、フィジカルで上回る常翔学園が落ち着きを取り戻して反撃すると、16分、26分にFL(フランカー)井本章介(2年)がトライ。さらに29分には、CTB内田元(2年)、そして前半ロスタイムにはFL井本がハットトリックとなるトライを挙げて28-21と逆転に成功してハーフタイムを迎えた
後半13分、常翔学園はSO神田丈英(2年)がトライを挙げてさらにリードを広げる。18分、報徳学園はFB大田がトライを挙げて、26-35と追い上げる。ロスタイムには常翔学園がPGを決めれば、報徳学園は1トライを返したが、結局、常翔学園が38-31で逆転勝利を収めた。
◆準々決勝の結果
●佐賀工業 31-33 國學院栃木○
○桐蔭学園 38-10 大阪桐蔭●
●國學院久我山 13-24 東福岡○
●報徳学園 31-38 常翔学園○
3月29日(水)の準決勝のカードは下記の通りとなった。31日(金)の決勝に進むのはどの2チームとなるか目が離せない。
◆準決勝組み合わせ
11:00 國學院栃木(栃木)vs.桐蔭学園(神奈川)
12:30 東福岡(福岡)vs.常翔学園(大阪)
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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