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ラグビー コラム 2023年3月27日

【ハイライト動画あり】東京サンゴリアス、スクラム圧倒で快勝 GR東葛は健闘むなしく、今季11敗目

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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グリーンロケッツ東葛 vs. 東京サンゴリアス

花冷えの3月26日(日)、柏の葉公園総合競技場(千葉県)では、3位東京サンゴリアス(東京SG)と、11位のグリーンロケッツ東葛(GR東葛)が対戦した。雨が降りしきる午後2時30分、GR東葛FBレメキ ロマノ ラヴァのキックオフで激闘の幕が上がった。ホストゲームのGR東葛は立ち上がりから激しいコンタクトプレーで前に出た。開始2分、東京SGのミスボールを拾って攻め、最後はCTBクリスチャン・ラウイがタックルを引きずりながらインゴールにボールを押さえる。どん欲に前に出る姿勢が生んだトライだった。

東京SGも前半7分、SOアーロン・クルーデンがPGを返して3-7とし、悪天候のなか自陣からボールを保持して攻める。しかし、GR東葛の闘志あふれるタックルに阻まれ、追加点があげられない。手によるパスが難しければ足でパスとばかり、前半22分、高いスキルが光るトライが生まれた。自陣中盤の左中間スクラムから、まずはクルーデンが右タッチラインに向かって大きくキックパス。ボールは正確にWTB尾崎晟也の前に飛んだ。これを尾崎は、大切にキャッチしながら一瞬止まってタックラーのタイミングを外し、タッチライン際を抜け出す。

バッキングアップのディフェンスを見て、走り切れないと判断した尾崎はフィールド中央に目をやった。そこに走り込んできたのはCTB中村亮土とクルーデンだ。「晟也(せいや)と目が合って意思疎通出来ました。いいところにキックしてくれました」(中村)。尾崎のキックパスをゴールライン手前10mくらいの位置で確保した中村は、そのままインゴールに滑り込む。3選手の高いスキルと判断力、コミュニケーション能力が生んだトライだった。クルーデンのゴールも決まって、スコアは、10-7となる。

その後は一進一退の攻防となるが、前半終了間際、東京SGが貴重なトライを追加する。ゴール前のラインアウトからのモールは止められたが、GR東葛のボールのスクラムでSHニック・フィップスがすぐにボールを投げ入れない遅延行為の反則を犯す。東京SGは、NO8テビタ・タタフが速攻を仕掛け、最後は左コーナーにWTBテビタ・リーが飛び込む。スコアは、15-7。このトライで東京SGは精神面でも優位に立った。

後半に入ると、GR東葛はこの日でチームの公式戦150試合目となるベテランPR瀧澤直ほか、FW第一列を全員交代させてスクラムの立て直しを図る。だが、東京SGの優位は変わらなかった。後半17分、中村亮土が個人技でタックルをかわし、この日2つめのトライ。26分のトライは運も味方した。クルーデンがハイパントを蹴り上げ、このボールを追った交代出場のWTB尾崎泰雅がキャッチの体勢に入る。ディフェンス側のレメキは尾崎がキャッチした直後にタックルしようと待ち構えた。しかし、尾崎はボールに触らずにボールは転々とする。これをクルーデンが捕ってトライ。その後、交代出場のHO中村駿太がトライを追加し、32-7とした東京SGが今季10勝目をあげた。

「キッキングゲームは想定していました。うまく対処することができたと思います」と、東京SGの田中澄憲監督。敗れたGR東葛のレメキ ロマノ ラヴァキャプテンは、「タキさんの150キャップなのに、負けちゃってごめんなさい。みんなのファイトは良かったけど、セットピースでプレッシャーをかけられました」と悔しそうに語った。リーグワンは一週の休みをはさんで、4月7日(金)に再開する。東京SGは、7日夜、秩父宮ラグビー場で神戸スティーラーズと対戦し、GR東葛は、4月9日(日)、柏の葉で横浜イーグルスを迎え撃つ。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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