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ラグビー コラム 2023年3月27日

【ハイライト動画あり】スピアーズ、雨中の激闘でスティーラーズを振り切りプレーオフへ前進。ジャパンラグビー リーグワン第13節レビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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コベルコ神戸スティーラーズ vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

奪ったトライ数はそれぞれ2本ずつ。ボールと芝を濡らす冷たい雨の影響でいつものようなハンドリングはかなわず、3本のPGが勝者と敗者を分けた。2季連続のプレーオフ進出に向け着実に歩を進めるクボタスピアーズ船橋・東京ベイが、コベルコ神戸スティーラーズとのタイトなせめぎ合いを制し、トップ4入りへまた一歩前進した。

滑りやすいコンディションにもひるむことなく立ち上がりから積極的に仕掛け合う中、前半の40分を支配したのはビジターのスピアーズだった。開始6分、SOバーナード・フォーリーがゴール正面のPGを決めて先制すると、23分にもPRオペティ・ヘルの猛烈な突進からペナルティを獲得。フォーリーのPGで3点を加え、6-0と先行する。

直後の25分には相手キックオフのダイレクトタッチで得たセンタースクラムのチャンスから、SOフォーリーがディフェンスのギャップを鋭く突いてラインブレイク。左ライン際でWTB木田晴斗-CTBテアウパシオネとオフロードがつながり、サポートしたNO8ファウルア・マキシが左スミにフィニッシュする。難しい位置からのコンバージョンも決まって、リードは13-0に広がった。

その後もスピアーズはセットピースとキックの蹴り合いで優位に立ち、優勢にゲームを進める。前半終了間際の敵陣22メートルライン内での攻撃機はスティーラーズのキャプテン、FL橋本皓の渾身のジャッカルに阻まれたものの、主導権で握った状態でハーフタイムを迎えた。

後半も先にスコアを刻んだのはスピアーズだった。ラインアウト起点の連続攻撃で力強く前進すると、42分にSOフォーリーが3本目のPGを成功。16-0と2チャンスでも追いつけない点差までスコアを拡大する。

このままスピアーズペースで展開していくかに思われた場面だったが、スティーラーズもここでようやく好機をものにする。45分、相手陣22メートル線上のスクラムから波状攻撃でたたみかけると、FB山中亮平が乱れたパスをうまく拾い上げて入れ替わるようにディフェンスラインの裏へ。体勢を崩されながらも左手のバックフリップで外を走るCTBリチャード・バックマンへとつなぎ、ついにインゴールを陥れる。

ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1

【第13節ハイライト動画】コベルコ神戸スティーラーズ vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

9点差に詰め寄られたスピアーズは49分、ラインアウト起点のサインプレーでLOデーヴィッド・ブルブリングがポスト下になだれ込むも、グラウンディング直前でスティーラーズのディフェンダーが体を下に入れてトライを阻止。直後のスクラムからFL末永健雄が左中間に飛び込んだプレーも妨害行為があったためTMOでトライキャンセルとなり、足踏みするシーンが続く。

嫌なムードが漂いかけた時間帯だったが、この膠着状況を打開したのは、リーグ屈指の推進力を誇る大型FWのパワーだった。59分、敵陣レッドゾーンで厳しく体を当ててプレッシャーをかけると、LOブルブリング→LOルアン・ボタ→HO杉本博昭で近場を崩して中央にトライ。23-7とふたたび引き離しにかかる。

しかしスティーラーズもここで気持ちを切らさず、負けじとハードヒットを連発して反撃。すると64分にスピアーズのWTB根塚洸雅が危険なタックルでシンビンの判定を受け、数的有利な状況になる。このチャンスに乗じて一連の流れからFB山中が右中間にトライ。みずからゴールも決めて9点差に戻す。

ただ、スピアーズもここからしぶとかった。フレッシュレッグを次々に投入して運動量で数の不利をカバーし、FWの局地戦で意欲的に前に出て敵陣でプレーを進める。追加点こそ奪えなかったものの最後まで攻める姿勢を維持し、主導権を保ったまま23-14でフルタイムを迎えた。

この勝利でスピアーズは勝ち点を51に伸ばし、2位を堅持。5位東芝ブレイブルーパス東京との勝ち点差は12で、次節(対近鉄花園ライナーズ、4月8日12時キックオフ@江戸川区陸上競技場)に勝利すればプレーオフ進出が決まるという状況になった。最終節で対戦する3位東京サントリーサンゴリアス(勝ち点47)との差は4。残り3節で2位通過が十分視野に入るポジションにつけており、悲願のタイトル奪取に向け、着実にステップアップしている印象だ。

敗れたスティーラーズも意地を感じさせるプレーを80分間続け、プライドを示した。総勝ち点24の9位で入替戦圏(下位3チーム)が迫る立ち位置ではあるが、上位チームとこの内容のゲームをできるということは確かな地力の証といえる。残る3節、入替戦回避だけでなくディビジョン1をさらに盛り上げる存在になっていくことを期待したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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