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ラグビー コラム 2023年3月25日

【ハイライト動画あり】「東京ダービー」は雨の中の激戦。リコーブラックラムズ東京vs.東芝ブレイブルーパス東京。ジャパンラグビー リーグワン第13節

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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途中出場の東芝HO原田が滑り込んでトライ

「NTTジャパンラグビー リーグワン」ディビジョン1のリーグ戦も残すところあと4試合。3月24日(金)には東京都・秩父宮ラグビー場で、ホストの6位リコーブラックラムズ東京(5勝7敗、勝ち点24)が、5位の東芝ブレイブルーパス東京(7勝5敗、勝ち点35)を迎え撃つ、ともに東京を本拠地とするチーム同士の対戦となった。

シーズン前半は、第5節から4連敗するなど、厳しい状況だったブラックラムズだが、第9節から3連勝し順位を上げた。しかし、前節の静岡ブルーレヴズ戦では前半とリードするも後半に逆転を許し15-19と惜しくも敗れた。

FW(フォワード)では、元オーストラリア代表の右PRパディー・ライアン、第10節以来のメンバー入りとなったLO(ロック)マイケル・ストーバーグ、FL(フランカー)アマト・ファカタヴァ、ブロディ・マクカラン、元イングランド代表のNO8(ナンバーエイト)ネイサン・ヒューズが先発した。

BK(バックス)は、SH(スクラムハーフ)高橋敏也、SO(スタンドオフ)堀米航平の2人が3試合続けてコンビを組んだ。CTB(センター)は6試合ぶりに礒田凌平が先発し、池田悠希が前日に変更となり、リザーブに入っていた栗原由太が上がった。

他にもWTB(ウイング)はラインブレイク数がリーグトップ(21回)のネタニ・ヴァカヤリア、ロトアヘアアマナキ大洋、ゲームキャプテンはFB(フルバック)マット・マッガーンがスターターとなった。

一方、前節のトヨタヴェルブリッツ戦で19-18と逃げ切って3連勝、プレーオフ進出圏内に食らいついているブレイブルーパス。トッド・ブラックアダーHCは、FWは1名の交替に留めたが、BKは3名の先発を変更した。

雨の中、キャリーを繰り返した東芝のNO8リーチ

FWでは全試合に先発している日本代表のワーナー・ディアンズと、ヴェルブリッツ戦でPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)を獲得したジェイコブ・ピアスが、LOでコンビを組んだ。NO8にはゲームキャプテンを務める日本代表のNO8リーチ マイケルが入った。

ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1

【ハイライト動画】第13節 ブラックラムズ東京 vs. 東芝ブレイブルーパス東京

BKはSHに共同キャプテンの小川高廣が第10節以来の先発に復帰し、トム・テイラーとハーフ団を組んだ。今季3試合目の先発となる眞野泰地と、ブラックラムズのFLブロディの弟ニコラス・マクカランがCTB陣を構成する。14番は決定力に長けたWTBジョネ・ナイカブラが約2ヶ月ぶりに復帰した。

プレーオフ進出には絶対に負けられない東芝ブレイブルーパス東京が4連勝を達成するか。それとも負けるとプレーオフ進出が厳しくなるホストのリコーブラックラムズ東京が意地を見せるか。カンファレンスAの両者は今季、12月24日の第2節で対戦し、ホストのブレイブルーパスが17-7で勝利している。

雨にもかかわらず3472人の観衆が見守る中、「東京ダービー」は午後7:00にブレイブルーパスボールでキックオフされた。序盤、ブレイブルーパスは相手陣でボールを展開するが、ブラックラムズも「先週は自分たちのDNAである泥臭いプレー、エフォート出せなかったが今週は出そうと臨んだ」(CTB栗原)という粘り強いディフェンスを見せて相手のノックオンを誘うなど得点を許さなかった。

ブラックラムズのFBマッガーン

前半の中盤、キッキングゲームを主体に組み立てたブラックラムズが、左中間からPG(ペナルティゴール)のチャンスを得たが、FBマッガーンが決めきることができず得点ボードは動かない。ブレイブルーパスもターンオーバーから、相手陣に攻め込んだがゴールラインを割ることはできず、そのまま0-0でハーフタイムを迎えた。

後半、雨の中、先にパッションを見せたのはホストのブラックラムズだった。5分、FBマッガーンがPGを成功させて先制に成功。さらに9分、ブラックラムズはスクラムでペナルティを得た後、相手陣でモールを形成し、15mを押し切って最後はNO8ヒューズが右中間にトライ。ゴールも決まって10-0とリードを広げた。

ただ、ブレイブルーパスも焦りを見せることはなかった。「途中10点差になった中でも切れることなく、自分たちのやることを遂行した。特別なことせず、1人ひとり役割ができた」(小川主将)。

主将の言葉が現実となるのは18分、ラインアウトからボールを継続し、途中出場の新人HO原田衛(慶應義塾大学出身)がゲインし、滑り込みながら中央右にトライ。ゴールも決まって3点差に追い上げる。

WTBナイカブラの逆転トライ

さらに30分、相手が反則を繰り返しシンビンとなり数的優位となったブレイブルーパスは、再びラインアウトからボールを左右に大きく展開し、最後はNO8リーチ、WTBナイカブラとつないで右隅にグラウンディング。ゴールは失敗したものの、ついに12-10と逆転に成功する。

ブラックラムズも最後まであきらめない姿勢を見せるが、相手陣でモールを形成するも自らの反則でチャンスを潰す。さらに残り2分で、右中間でPGのチャンスを得たがFBマッガーンが決めきることができず、試合はそのまま2点差でノーサイドを迎えた。

POMにはブレイブルーパスのHO原田が選出された。「リーグワンでは初めて(POM)取れてうれしいです。ボールを継続しても相手のディフェンスが良かったのですが、トライが取り切れて良かった」。

僅差で敗れたブラックラムズのピーター・ヒューワットHCは「もちろん勝ちたかったので、最後の20分違う戦い方をすれば結果は違ったかもしれない」と悔やみつつも、「非常に選手たちを誇りに思います。ケガ人が多いが、チームはしっかり出し切った。誰が試合に出ても、その選手がステップアップしてくれる。今季あまりプレーしていない選手もしっかりよいパフォーマンスをしてくれた」と諦めずに最後まで戦った選手たちを称えた。

ゲームキャプテンのFBマッガーンも「やはりラスト数分が少し…」と悔しそうな表情を見せたが、「気持ちの部分では問題なく、自分たちのパフォーマンスを見せられた」と負けたものの胸を張った。

前節に続いて、今節も接戦をものにして上位チームを追走するブレイブルーパスのブラックアダーHCは「タフなコンディションで、プレッシャーかかった試合でした。最終的には重要な瞬間、瞬間にどちらが取れるかという試合でした。タフに戦えたことを誇りに思います。しっかりチャンスものにすることができた。ここ6試合で4試合勝てたことに満足しています」と振り返った。

雨の中、2点差で東芝が勝利

SH小川主将は「勝ててホッとしています。2週連続、競った試合で勝ち切れて、強くなってきている証拠かなと感じています。Bye Week(休みの週)を挟んで1戦、1戦、賭けて戦っていきたい」とプレーオフ進出へ意欲を見せた。

7点差以内の敗戦で勝ち点1を得て総勝ち点を25としたものの、プレーオフ進出の可能性がなくなったリコーブラックラムズ東京は、Bye Weekを挟んで、次節は4月8日(土)、埼玉県・熊谷スポーツ文化公園ラグビー場で首位に立つ埼玉パナソニックワイルドナイツにチャレンジする。

勝ち点4点を積み上げて総勝ち点を39に伸ばした東芝ブレイブルーパス東京は、やはり休みの週を挟んで、4月8日(土)に静岡県・エコパスタジアムで静岡ブルーレヴズと戦う。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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