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ラグビー コラム 2023年3月17日

盤石の歩み続くワイルドナイツに、8位ダイナボアーズがどう挑むか。ジャパンラグビー リーグワン第12節、注目カード展望

ラグビーレポート by 直江 光信
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三菱重工相模原ダイナボアーズ vs. 埼玉ワイルドナイツ

王者の歩みを止めるチームは、果たして現れるのか。残り5節の終盤戦を迎えたジャパンラグビーリーグワンのディビジョン1の焦点は、そこに絞られてきたといってもいいだろう。

昨季、実質無敗で初代チャンピオンの栄冠を手にした埼玉パナソニックワイルドナイツは、今シーズンも盤石の足どりで頂点への道を快走している。3月4日の第10節で2位クボタスピアーズ船橋・東京ベイとの無敗対決を30-15で制すると、先週の第11節では前年度準優勝の東京サントリーサンゴリアスに前半3-17と先行されながら、後半だけで5トライ38点を奪って41-29で逆転勝ち。相手の気迫みなぎる猛攻を堂々と受け止め、後半の足が止まり始める時間帯にトライを重ねる貫禄をたたえた試合運びで、相次ぐ強敵の挑戦をはね除けた。

何より際立つのは、流れが相手側へ傾いている時もまるで動じず、一人ひとりがすべきことを高いクオリティで遂行できる強靭な精神力と、突破口が開くや瞬時に全員が反応してスコアに結びつける卓越した集中力だ。メンバー表にはキャプテンのHO坂手淳史を筆頭に、PR稲垣啓太、SO松田力也、さらにはLOルード・デヤハーやCTBダミアン・デアレンデ、WTBマリカ・コロインベテらワールドクラスの実力者がずらりと並び、どんな状況にも対応できるチーム総体としての経験値の高さが絶大な強みになっている。CTB/WTB長田智希、PR藤井大喜らフレッシュな活力をもたらす若手の台頭もあり、戦力はさらに厚みを増した感すらある。

その揺るぎなき牙城に今節挑むのが、ディビジョン2からの昇格1年目にして序盤戦で旋風を巻き起こした三菱重工相模原ダイナボアーズだ(3月19日14時30分キックオフ@秩父宮)。今季はアシスタントコーチから昇格したグレン・ディレーニー新ヘッドコーチのもと、どこよりも早い7月上旬にチームトレーニングを開始。厳しい走り込みで培ったフィットネスとディフェンスをベースに、ひたむきなスタイルでここまで印象的な戦いを演じてきた。

 

第6節から4連敗を喫するなど中盤戦では最上位カテゴリーの厳しさも味わったが、第10節の花園近鉄ライナーズ戦で5節ぶりの白星を獲得。4勝5敗1分けの勝ち点20で8位という現在の成績は、十分賞賛に値するものといえるだろう。ただ、第11節終了時点で6位のリコーブラックラムズ東京(勝ち点23)から入替戦圏となる10位の静岡ブルーレヴズ(同17)まで勝ち点6ポイントの間に5チームがひしめいており、まだまだ気は抜けない状況だ。残り5試合でひとつでも多くの勝ち点を積み上げることが、ここからの最重要テーマとなる。

キックオフ48時間前に発表された登録メンバーをチェックすると、ダイナボアーズの前節横浜キヤノンイーグルス戦からの先発変更は4人。4番に今季三重ホンダヒートから移籍加入した中川真生哉が入り、FL鶴谷昌隆が2節ぶりに先発に復帰してゲームキャプテンを務める。これにともない、イーグルス戦でトライを挙げるなど活躍した佐藤弘樹が6番から7番にシフトした。

BKではSH柴田凌光がキャプテンの岩村昂太に代わって今季初めて9番を背負う。前節14番の奈良望は11番に移り、韓尊文が15番から14番へ。FBには石田一貴がリザーブから繰り上がって入った。

対するワイルドナイツは、前週のサンゴリアス戦のスターティングラインアップから7人を入れ替えた。大きく顔ぶれが変わったのはFWで、第1列は左からPRダニエル・ペレズ、HO島根一磨、PR藤井大喜の並びに。4番はマーク・アボットが第2節以来の戦列復帰で、6番に入る福井翔大がゲームキャプテンを担う。

BKはSH内田啓介がリザーブからスタメンに移動。圧倒的なスピードを誇るフィニッシャー、11番のマリカ・コロインベテは2節ぶりの先発だ。替わって前節11番の野口竜司が、本来のポジションであるFBに下がった。

なおディビジョン1は先週末でカンファレンスをまたいだ交流戦が終了し、今節から同一カンファレンス内の2巡目の対戦に突入する。ファーストレグの課題をいかに修正、克服し、進歩したパフォーマンスを披露するかという点も、今後の見どころのひとつだ。前回はワイルドナイツがホストスタジアムの熊谷ラグビー場で40-5の完勝を収めている。今回ホストのダイナボアーズの今季の秩父宮での戦績は2勝2敗。果敢なチャレンジを期待したい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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