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ラグビー コラム 2023年3月13日

【ハイライト動画あり】ブレイブルーパス、一時13人になるも後半の4連続トライでグリーンロケッツを突き放す。ジャパンラグビー リーグワン、第11節レビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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松永拓(東芝ブレイブルーパス東京)

試練はいきなり訪れた。キックオフから間もない前半8分、東芝ブレイブルーパス東京の右PRタウファ・ラトゥが、NECグリーンロケッツ東葛のFL細田佳也への危険なタックルによりレッドカードで一発退場。プレーオフ進出へ望みをつなぐために絶対に勝利が必要なブレイブルーパスは、残り70分あまりを14人で戦うこととなった。

ゲーム展開に大きな影響をおよぼす、あまりにも痛いアクシデント。ともすればチーム全体がパニックに陥りかねない状況だ。しかし、ブレイブルーパスはここで崩れなかった。

数的不利をものともせずアグレッシブにボールを動かしてアタックを仕掛け、13分にラインアウトモールを押し切って先制。以降も身上の接点で激しく体を当ててゲインラインバトルを支配し、ゲームを優勢に進める。21分にこの日がデビュー戦のアーリーエントリー選手、グリーンロケッツのSO吉村紘にPGで3点を返されたものの、その直後にキックチャージからチャンスをつかみ、WTB豊島翔平のトライで12-3とリードを広げた。

吉村紘(グリーンロケッツ東葛)

その後、互いに1本ずつPGを加えて迎えた33分。今度はチーム全体でのペナルティの繰り返しにより、ブレイブルーパスのSHジャック・ストラトンにイエローカードが提示される。15人対13人の圧倒的有利な状況となったグリーンロケッツは、この好機に乗じてゴール前ラインアウトからモールをドライブし、HOアッシュ・ディクソンがグラウンディング。SO吉村が難しい角度のコンバージョンを決め、2点差に詰め寄った。

前半ラストプレーのFB松永拓朗のPG成功で18-13としてハーフタイムを迎えたブレイブルーパスだったが、2人少ない不利はやはり大きく、後半開始直後にもグリーンロケッツにビッグプレーを許してしまう。防御裏の手薄なスペースをキックで突かれ、ラインブレイクしたCTBクリスチャン・ラウイが約70メートルを独走。SO吉村がコンバージョンの2点を加え、グリーンロケッツが20-18とこの日初めてリードを奪った。

ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1

【第11節ハイライト動画】グリーンロケッツ東葛 vs. 東芝ブレイブルーパス東京

ホストのグリーンロケッツにすれば一気にたたみかけたい場面だったが、47分、不用意なプレーでみずからそのチャンスを手放してしまう。ラック内で倒れていたNO8フェトゥカモカモ・ダグラスが、パスアウトしようとする相手選手のボールに手を出してシンビンに。これにより、人数は14対14のイーブンとなった。

そしてこの出来事をきっかけに、試合の天秤は大きくブレイブルーパスの側へと傾いていく。49分、ラインアウトモールを起点に左オープンへ展開し、FB松永が相手防御のギャップをきれいに抜いて左中間にトライ。25-20とふたたび一歩前に出ると、57分にはラインアウトからまたもモールを押し込み、入替で入ったばかりのHO原田衛がゴールラインを越える。

32-20とワンチャンスでは届かない点差になったブレイブルーパスは、以後余裕を持ってゲームをコントロール。強みである縦の推進力を前面に押し出して陣地を進め、敵陣の深い位置でグリーンロケッツFWにプレッシャーをかける。

リーチマイケル(東芝ブレイブルーパス東京)

67分、テンポのいい連続攻撃でディフェンスを崩し切ってHO原田がこの日2本目のトライを挙げると、75分にもパワフルな縦の突進を繰り返してレッドゾーンへ攻め入り、NO8リーチマイケルがフィニッシュ。終了間際にもFB松永がPGを加え、49-20の最終スコアでフルタイムとなった。

終わってみればボーナスポイント付きの勝利で、勝ち点5を手にしたブレイブルーパス。2枚のカードで苦しい状況を招いた点は反省すべき点だが、試合開始早々のビッグトラブルにも動じず、後半の勝負どころの時間帯でトライを重ねて相手を突き放した内容は、確かな地力の証といえるだろう。

これで6勝5敗と白星をひとつ先行させ、トータルの勝ち点は31に。4位東京サントリーサンゴリアス(同37)との差は6ポイントだ。残り5試合、昨シーズンのように終盤戦で力強い上昇気流に乗れるかが、ここからのポイントになる。

一方のグリーンロケッツ。圧倒的に優位な状況にありながら不要なペナルティでみずから流れを手放し、結果として勝ち点1すら取れなかったのはいかにももったいなかった。規律の乱れで試合展開を苦しくしてしまうのは、シーズン当初から続く重い課題だ。今後の戦いでひとつでも多く勝ち点をつかむために、改善を急ぎたい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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