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ラグビー コラム 2023年3月4日

【ハイライト動画あり】横浜キヤノンイーグルスvs.静岡ブルーレヴズ、金曜夜の決戦は激戦の末のドロー。ジャパンラグビー リーグワン第10節

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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大学4年生ながら冷静にコントロールする静岡SO家村

今季初の金曜ナイターは最後まで勝負のわからない熱戦となった。

「NTTジャパンラグビー リーグワン」のディビジョン1、今週末はA・Bのカンファレンス交流戦5試合目となる第10節が行われ、3月3日(金)の夜、東京都・秩父宮ラグビー場でプレーオフ圏内につける4位の横浜キヤノンイーグルスに、8位の静岡ブルーレヴズが挑んだ。

トップ4入りを目指すイーグルスは、前節もトヨタヴェルブリッツを39-7で下し、3連勝。沢木啓介監督は前節からFW(フォワード)2名の先発変更にとどめた。FWは日本代表復帰を狙うHO(フッカー)庭井祐輔、ウェールズ代表32キャップLOコリー・ヒル、新人NO8ハラシリ・シオネ(日本大学出身)らが入った。

突破力の高さを見せた横浜CTBクリエル

BK(バックス)は南アフリカ代表SH(スクラムハーフ)ファフ・デクラークと、元日本代表SO(スタンドオフ)田村優、好調な国際経験豊富なハーフ団、CTB(センター)はキャプテンの日本代表の梶村祐介とスプリングボクスのジェシー・クリエルのコンビが入り、FB(フルバック)は小倉順平が務める。

大学4年で出場する静岡のWTB槇

一方、接戦するが勝ちきれない試合が多い静岡ブルーレヴズ。前節も後半追い上げるも17-25で敗れた。堀川隆延HC(ヘッドコーチ)は、前節からの変更は1名のみとし、アーリーエントリー制度を利用して大学4年生のSO家村健太(京都産業大学)、WTB槇瑛人(早稲田大学)の2人が、2試合続けてのスターターとなった。

FWは日本代表HO日野剛志、FLに新人のジョーンズリチャード剛(東海大学出身)、NO8はキャプテンを務める南アフリカ代表のクワッガ・スミスが入った。BKはSHブリン・ホールがSO家村とコンビを組み、突破力に長けたCTBビリアミ・タヒトゥア、FBキーガン・ファリアが入った。

試合は3月3日(金)、5,929人の観客を集め、午後7:00にブルーレヴズのボールでキックオフされた。序盤、接点で優勢だったのはビジターのブルーレヴズだった。前半2分のPG(ペナルティゴール)は外したものの、4分にSHホールが中央からのPGを決めて3点の先制に成功する。

ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1

【ハイライト動画】第10節 横浜キヤノンイーグルス vs. 静岡ブルーレヴズ

逆転トライを挙げる横浜NO8ハラシリ

イーグルスもスクラムでの反則を誘い、相手陣での時間が増えてくると15分、スクラムを起点に連続攻撃を見せて、最後はSHデクラークのパスを受けたNO8ハラシリが右中間にねじ込んでトライ。SO田村がゴールを決めて7-3と逆転に成功する。

SO田村のトライを称えるチームメイト

29分のSO田村のPGを挟んで、イーグルスは35分にはラインアウトからモールを押し込んだ後、順目に攻撃し、最後はSHデクラークのパスを受けたSO田村がファイブポインターとなり15-3とリードを広げる。

攻撃を引っ張った横浜SHデクラーク

一方のブルーレヴズは38分、キックカウンターから10フェーズを重ねて、最後はラックからボールを持ち出したNO8スミスが右中間にトライを挙げ、7点差に追い上げて前半を終えた。

後半序盤から、イーグルスが相手陣でボールを持つ時間帯が続く。だが、「ディフェンスが素晴らしかった」と堀川HCが胸を張ったようにブルーレヴズがゴール前ディフェンス、モールで粘りを見せてゴールラインを割らせない。

すると21分、ピンチを耐えたブルーレヴズにチャンスが到来。カウンターアタックからボールを継続し、最後はSO家村、途中出場のFBグリーンとつなぎ、最後はWTBに回ったファリアが左中間にトライ。FBサム・グリーンがゴールを決めて、ついに15-15の同点に追いつく。

さらに31分、ブルーレヴズはFLマルジーン・イラウア突破でチャンスをつかみ、NO8スミスがジャッカル直後に、クイックタップから2つ目のトライを挙げ、ゴールを沈めて22-15とリードする。

しかし直後の33分、イーグルスはカウンターアタックからFBのSP・マレーが抜け出し、オフロードパスを受けたWTB竹澤正祥が左中間にトライ、FB小倉順平がゴールを決めて、試合は再び22-22の同点となる。

FB小倉、勝ち越しのPGは決まらず

39分、イーグルスは左中間からPGのチャンスを迎えたがFB小倉は決めることができず、22-22のまま。ラストプレーでブルーレヴズも相手の反則を得て、攻め込んだがノックオンでノーサイドを迎えた。

ともに南アフリカ代表の横浜CTBクリエルが静岡NO8スミスを称える

結局、試合は22-22でディビジョン1では今季の3試合目となる引き分けとなり、それぞれ勝ち点2ずつを獲得した。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)にはブレーレヴズのキャプテンNO8スミスが選出された。

終盤に勝ち越すも追いつかれたブルーレヴズの堀川HCは「我々はラスト10分リードして勝ちきれないゲームが続いている。しっかり今日のゲームを見て、選手と会話をしてもう一度改善したい」と反省したが、「選手は成長を遂げている。チーム一丸となって次のゲームに向かいたい」と前を向いた。

POMのNO8スミス

2トライを挙げてPOMにも輝いたキャプテンNO8スミスは「終盤チャンスを失ってしまうのが続いている。取り切るという課題を改善したい。それでもイーグルス相手に素晴らしいパフォーマンスができた」と胸を張った。

一方、イーグルスの沢木監督は「我々のパフォーマンスは良くなかった。自分にベクトルを向けて、もう1回成長できるように来週の試合で、自分たちが納得いくパフォーマンスを見せたい。障害があっても脱せる強さを持たないといけない」と渋い表情を見せた。

梶村キャプテン(中央)

CTB梶村キャプテンは「今日の試合は本当にタフなゲームになることは試合前から分かっていたが、自分たちで用意してきたことができなかった。矢印を自分たちに向けて、週明けから準備していきたいし、僕も含めてまた1人1人のパフォーマンスを見つめ直して、個人としてもチームとしても、もう一度成長できるようにしていきたい」と反省しつつも先を見据えた。

クロスカンファレンスマッチも残り1試合。勝ち点2を加えて17とした静岡ブルーレヴズ、次節は3月11日(土)、ホストの静岡県・ヤマハスタジアムで強豪・クボタスピアーズ船橋・東京ベイを迎える。

勝ち点2を重ねて総勝ち点を33とし、4位をキープした横浜イーグルスは、12日(日)は神奈川県・相模原ギオンススタジアムで、三菱重工相模原ダイナボアーズとの「神奈川ダービー」を戦う。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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