「間違いなく面白い試合になるでしょう」。 ロビー・ディーンズ監督も胸躍る無敗同士の頂上決戦。ジャパンラグビー リーグワン第10節 埼玉ワイルドナイツ vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

埼玉ワイルドナイツ vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

いよいよこの日がやってきた。ラグビーファン待望の頂上決戦である。2022年に開幕したリーグワンでいまだ負けがなく、今季も9連勝で首位に立つ埼玉ワイルドナイツ（埼玉WK）と、8勝1分けで2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ（S東京ベイ）の対戦だ。舞台は埼玉WKの本拠地・熊谷ラグビー場（埼玉県熊谷市）。両者は昨季2度対戦しており、レギュラーシーズンは埼玉WKが35－14で勝利（2022年5月7日）。プレーオフ準決勝でも、24－10で埼玉WKが勝っている（2022年5月22日）。着実に力をつけるS東京ベイが、この差を覆すのか、それとも埼玉WKが底力を見せつけるのか。

埼玉WKのロビー・ディーンズ監督は決戦を前に次のように語った。「間違いなく面白い試合になるでしょう。気候も良くなってきて、ポジティブなラグビーが見られるでしょうね。私も楽しみです。スピアーズはフィジカルなチームで、カウンターアタックも仕掛けてくる。マルコム・マークスはボールを奪うのが上手です。キーポイントはいつもと同じですが、セットプレーと規律。プレーの精度が重要になります」。

埼玉ワイルドナイツスターティングメンバー

埼玉WKは前節の神戸スティーラーズ戦から、先発15名で6名の変更と、いくつかのポジションチェンジがある。前節先発のPR藤井大喜、FLラクラン・ボーシェー、WTB丹治辰碩はリザーブ席へ。この3名に代わってはPR平野翔平、FL福井翔大、WTB長田智希が先発。前節脳震とうのチェックを受けたSH内田啓介、SO松田力也は欠場し、小山大輝、山沢拓也がHB団を務める。5番のLOは第8節以来の出場となる南アフリカ代表のルード・デヤハー、オーストラリア代表のWTBマリカ・コロインベテは前節11番に入った野口竜司に代わってWTBに入り、野口は本来のFBへ。

フィジカル面に強みを持つS東京ベイと戦うにあたって、デヤハーとコロインベテの復帰は何より心強いだろう。本来はCTBの長田をWTBで起用することについて、ディーンズ監督は「彼はチームにどう貢献するか、常に考えている選手です」と信頼を寄せる。毎節、疲れのある選手、怪我を抱えた選手を休ませながらメンバー編成をする埼玉WKだが、どんな組み合わせでも戦力ダウンを感じさせないマネージメントは常勝の大きな理由だろう。

クボタスピアーズ船橋・東京ベイスターティングメンバー

埼玉WKに対し、フィジカル面で優位に立ちたいS東京ベイは、前節から5名変更の先発メンバーで臨む。前節先発のPR紙森陽太、LO青木祐樹、SH谷口和洋がリザーブに下がり、海士広大、ヘル ウヴェ、藤原忍がそれぞれのポジションで先発。CTB（12番）は第6節以来の先発となる立川理道キャプテンが入り、前節12番のリカス・プレトリアスは13番に移動。根塚洸雅に代わってゲラード・ファンデンヒーファーが15番から14番へ。FBは第6節以来の出場となる島田悠平だ。前節、インパクトプレーヤーとなったヘル ウヴェ、藤原の先発は序盤から猛攻を仕掛ける意思表示だろう。

S東京ベイのSOバーナード・フォーリーは、ここまで個人得点が113点でリーグトップ。エネルギッシュなプレーでトライを積み上げるWTB木田晴斗は、11トライで東京サンゴリアスの尾崎晟也に次いでトライランキング2位。チームとしての390点、51トライは、いずれもリーグトップで抜群の得点力が数字に表れている。対する埼玉WKの109失点はリーグ最少だ。鉄壁のディフェンスをS東京ベイが打ち破るのか、それとも、埼玉WKがはじき返すのか。特に試合序盤はすさまじいフィジカルバトルが展開されるだろう。