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ジェシー・クリエル(横浜キヤノンイーグルス)
「次の試合はディシプリン(規律)がフォーカスポイント」
前節の勝利後、トヨタヴェルブリッツのゲームキャプテン、南アフリカ代表のFLピーターステフ・デュトイはそう言っていた。
しかし迎えたジャパンラグビーリーグワンのD1(ディビジョン1)第9節交流戦。
4位(5勝1分2敗)の横浜キヤノンイーグルスを迎えたホストゲームで、9位(3勝5敗)のヴェルブリッツは規律に泣いた。
前半のヴェルブリッツは風上に立った。しかし――
「風がありながら、自陣でプレーをしすぎました。風を上手く使うことができなかった」(ヴェルブリッツ、ベン・ヘリングHC)
ヴェルブリッツは序盤に14次攻撃を防ぐなど幸先は良かった。しかし前半11分までに2回あったPG(ペナルティゴール)を連続で失敗。
風上ながら加点はできず、停滞ムードが漂った。
するとイーグルスが自慢の遂行力をみせる。
竹澤正祥(横浜キヤノンイーグルス)
強風を考慮した2種類の短いキック&再獲得で、WTB竹澤正祥が鮮やかに5点を先制した。
イーグルスはセットプレーの攻防でもジワリ優勢に。前半25、27分にスクラムでコラプシングを連続奪取した。
すると前半30分、ヴェルブリッツの規律が乱れる。
ラインアウトモールを止めるなど粘り強かったヴェルブリッツだが、LOマイケル・アラダイスが、相手9番ファフ・デクラークの頭部に対するチャージで一発退場(レッドカード)。
ヴェルブリッツは約50分を14人で戦うことになった。
今季第6節コベルコ神戸スティーラーズ戦では12人でトライを獲ったこともあるヴェルブリッツ。FL姫野和樹共同キャプテンは、目の前の仕事に集中しようと伝えた。
「スコア関係なしに『今』にフォーカスしようと伝えました。しかしチームとして焦りがあり、自分たちで首を絞めてしまいました」
イーグルスは前半38分にCTBジェシー・クリエルのカウンターから、WTBイノケ・ブルアがエリア右の2対2で勝負。ステップで相手をかわし、チーム2トライ目を決めた。
梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス)
「前半は短いパス、短いキックを使いながらテリトリーを取っていこうと話していました。前半は良い時間の使い方ができました」(イーグルス、CTB梶村キャプテン)
比較的リスクの少ない短いパス、キックを活用したイーグルスが、10-0とリードして後半へ。
ただ前節は後半が課題だった。後半に東芝ブレイブルーパス東京の逆襲を受け、後味が悪い勝利となった。
しかしこの日は「80分間常にオン(ON)の状態でいようと言ってきて、そこは前回から改善されました」(イーグルス、CTB梶村キャプテン)。
イーグルスは後半開始直後、FB小倉順平がキック「50:22」でチャンス到来。早々に風上の利を活かす。
直後のモールはヴェルブリッツが止める好守。後半4分にイーグルスのCTBクリエルが抜け出すが、ここは日本代表WTB高橋汰地が落球を誘うタックルでトライセーブ。
しかし後半9分、インターセプトを狙ったギャンブル・ディフェンスが外されて自陣ゴール前に後退。混戦からイーグルスのCTB梶村キャプテンがチーム3本目を奪った。
ヴェルブリッツはここまで奮闘していたモールでも後半15分に1トライを奪われ、ビハインドは22点に。
姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)
その後のFL姫野共同キャプテンのトライは、直前のパスがスローフォワードとなってノートライ判定。
反撃に転じたいが、後半27分には自陣ゴール前のクイックスローインがミスとなり、CTBクリエルに簡単なトライを許す。
ただ14人のヴェルブリッツは後半33分にチーム初トライ。
途中出場したSH福田健太の速攻から、折り返しの接点に帝京大学で主将を務めたLO秋山大地が走り込んで、チーム初トライ。14人でトライラインを割った。
点差は22点(7-29)。
ここでさらに点差を詰められていたら、イーグルスはまたも終盤に課題を残しただろう。
しかし自陣からボール保持で展開したヴェルブリッツに対し、イーグルスは早いプレッシャーで攻守交代。
途中出場のSH山菅一史から、同じくリザーブ出場のコリー・ヒルが5本目を決めて36-7とした。
ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1
【第9節ハイライト】トヨタヴェルブリッツ vs. 横浜キヤノンイーグルス
「前回のゲームからしっかり成長した姿を少しは見せられました。ただ、選手達も貪欲にレベルアップしたいという話をロッカールームでしており、まだまだ成長できます」(イーグルス、沢木敬介監督)
さらにイーグルスは後半38分に途中から10番の位置に入っていた小倉順平がPG成功。容赦なく点差を広げて、39-7で快勝した。
6勝目を挙げて4位をキープしたイーグルス。いつもは辛口の沢木監督だが、この日はチームに及第点を与えていた。
「良いプレーもたくさんあり、自信を持っていい局面を多く作れていました。気を緩めることなく、さらなる成長に繋げていきたいです」
イーグルスの次戦は3月3日(金)。
相手はタフさが光る8位(2勝1分6敗)の静岡ブルーレヴズだ。秩父宮ラグビー場での金曜ナイター(19時キックオフ)となる。
ヴェルブリッツのベン・ヘリングHCは、前半のレッドカードを敗因の一つに挙げた。
「14人でイーグルスのような相手と戦うのは厳しかったです。結果は非常に残念。毎日プッシュして改善に向けて取り組んでいます」(ヴェルブリッツ、ヘリングHC)
FL姫野共同キャプテンは終始厳しい表情だった。
「正直残念です。早いうちに1人失い、そこからゲームコントロールもできず、焦って自分たちの首を絞めてしまった。それが今シーズンすごく多くあるので直さなければいけません」
国内外のスターを揃えながら6敗目を喫し、入替戦圏内の10位に転落したヴェルブリッツ。
不調の理由を問われたFL姫野共同キャプテンは、殊勝に言葉を紡いだ。
「大きなことではなく小さなことの積み重ねだと思います。大きなピクチャーは間違っていません。小さなディテールを積み重ねたい」
「タイトにコネクトすれば絶対に優勝できるポテンシャルはある。そこは信じています」
次戦は「自分たちを取り戻す良いチャンス」(FL姫野共同キャプテン)という東京サンゴリアス戦だ。
3月5日(日)、ビジターとして東京・秩父宮ラグビー場に乗り込み、8連勝で3位につけるサンゴリアスと対峙する。ヴェルブリッツは反撃の狼煙を上げられるか。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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