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【ハイライト動画あり】「BACK TO BASICS」(原点に戻る)を体現。クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、課題修正し、えどりく13連勝
村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一木田晴斗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)の強さが際立つ試合だった。2月19日(日)、S東京ベイは、今季の台風の目となっている三菱重工相模原ダイナボアーズ(相模原DB)をホーム「えどりく」(江戸川陸上競技場)で圧倒した。ここまで6勝1分けと負けなしで走るS東京ベイだが、第6節(1月29日)、第7節(2月4日)は前半をリードしながら後半に追い込まれる苦戦が続いた。2週間の準備期間があった今回のテーマは、「BACK TO BASICS」。スクラム、ラインアウトでの各自の役割、パス、キック、タックルなどの基本を確認し、丁寧に戦うことでパフォーマンスの波を無くそうという取り組みだった。
午後2時30分、相模原DBのSOマット・トゥームアのキックオフで試合は始まった。オーストラリア代表59キャップのトゥームアは今季初先発。怪我が癒え、どんなゲームコントロールを見せるか注目された。対するS東京ベイのSOバーナード・フォーリーはオーストラリア代表75キャップ。チームメイトとして世界の舞台で戦った2人がまずはPG合戦。前半12分でS東京ベイが6-3とリードする。S東京ベイは、前半16分、相模原DBのゴールライン直前の右ラインアウトからモールを押し込みゴールに迫った。これは止められたが、左オープンに展開し、WTB木田晴斗がトライをあげる。フォーリーが難しい角度のゴールを決めて、13-3とリードする。
「クボタは(サイズの)大きなチームです。こちらはボールをキープして動かし続けることで対抗しようとしました。前半はプラン通りでした」(相模原DBグレン・ディレーニーヘッドコーチ)。相模原DBはトゥームア不在のあいだにSOを務めたジェームス・シルコックがFBの位置から果敢に攻撃し、何度もチャンスを作った。34分には、シルコックの突破でゴールラインに迫り、最後はトゥームアのキックパスを右タッチライン際にいた身長198cmのFLサム・チョンキットがフォーリーと競り合ってキャッチし、WTB韓尊文につないでトライをあげる。前半は13-8という1トライ差で終了した。
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【第8節ハイライト動画】クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. 三菱重工相模原ダイナボアーズ
均衡状態が崩れたのは、後半開始早々のことだ。相模原DBのWTBタウモハパイ ホネティが危険なタックルでシンビン(10分間の一時退場)になってしまう。15人で懸命に耐えていた相模原DBの組織ディフェンスが、14人になってほころびはじめた。S東京ベイはラインアウトのモールからHOマルコム・マークスがトライを奪って勢いに乗ると、インパクトプレーヤーのPRオペティ・ヘル、LOヘル ウヴェが躍動。後半5分、オペティ・ヘルの突破からFBゲラード・ファンデンヒーファーがトライ。8分、WTB根塚洸雅のカウンターアタックでチャンスを作ると、好サポートのSH谷口和洋がトライ。そして11分、フォーリーのキックパスを受けた木田が今季9個目のトライをあげる。9分間に4トライという猛攻だった。スコアは41-8、勝敗はほぼ決した。その後、相模原DBもCTB奈良望、LOエピネリ・ウルイヴァイティがトライを返したが、S東京ベイもトライを追加。後半37分には、交代出場のPR山本剣士がラインアウトの後ろにこぼれたボールを拾って突進し、チーム8個目となるトライでダメを押した。
最終スコアは、60-22。S東京ベイは7勝1分けの勝ち点33として2位をキープした。原点に戻るというテーマ通り、80分、最後までハードワークを続け、後半に入った交代選手がチームを勢いづけた。「80分間を通して、良いパフォーマンスを続けてくれました」(フラン・ルディケヘッドコーチ)。これで「えどりく」13連勝を達成。後半失速する課題を修正し、チーム力を一段階上げる勝利だった。次節もこの場所で東芝ブレイブルーパス東京と対戦する。ホームでの不敗神話はいつまで続くのか。一方、相模原DBは、3勝4敗1分けで勝ち点を伸ばせなかったものの、他の下位チームも敗れたため7位をキープした。次節は、秩父宮ラグビー場でグリーンロケッツ東葛と対戦する。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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