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【ハイライト動画あり】横浜キヤノンイーグルスvs.東芝ブレイブルーパス東京、プレーオフを狙う強豪対決は両チーム合わせて15トライ。ジャパンラグビー リーグワン第8節
ラグビーレポート by 斉藤 健仁横浜キヤノンイーグルスvs.東芝ブレイブルーパス東京
A・Bカンファレンスの交流戦が行われている「NTTジャパンラグビー リーグワン」のディビジョン1。先週は「Bye Week」(休みの週)だったが、今週末から再開され、リーグ戦の折り返しとなる第8節が行われた。
2月18日(土)、大分県・レゾナックドーム大分(旧昭和電工ドーム)では、大分県をセカンダリーホストエリアとする横浜キヤノンイーグルスが、東芝ブレイブルーパス東京を迎えた。
初のトップ4入りを狙うイーグルスは、3連勝の後、第6節で埼玉パナソニックワイルドナイツに逆転を許し、19-21で敗れたものの、前節はリコーブラックラムズ東京に34-13と勝利、プレーオフ出場圏内の4位につけている。
FW第1列は、HO(フッカー)にベテラン庭井祐輔が今季初先発となった。SH(スクラムハーフ)が南アフリカ代表のファフ・デクラーク、SO(スタンドオフ)は日本代表経験豊富な田村優が先発に復帰。CTB(センター)はキャプテンで日本代表の梶村祐介、南アフリカ代表のジェシー・クリエルらが引き続き先発した。
一方、2年連続でプレーオフ進出を狙うブレイブルーパスは、前節は東京サントリーサンゴリアスに34-40で敗れて5位に後退したが、今週は勝ってプレーオフ圏内に浮上したいところだ。
フロントローは左PR(プロップ)に東海大学出身の新人・木村星南が入り、HOには慶應義塾大学出身の新人の原田衛が入った。LO(ロック)には日本代表ワーナー・ディアンズ、FLには徳永祥尭、元オールブラックスのマット・トッド、そして日本代表のベテランNO8リーチ マイケルらが先発。BKはキャプテンのSH小川高廣、FB松永拓朗らがスタートから出場した。
日本代表や南アフリカ代表など国際経験豊富な選手も多い上位同士の激突は、5830人の観客を集めて午後2:00にブレイブルーパスのキックオフで始まった。
最初に得点を挙げたのは、ビジターのブレイブルーパスだった。前半2分、イーグルスのパスの乱れからこぼれ球を拾いCTBバーガー・オーデンダールがトライを挙げた。だが、イーグルスもすぐさま取り返し、4分、ラックのこぼれ球を拾ったSHデクラークがCTBクリエルにパスし、そのまま走り抜けてトライを挙げ、7-7の同点に追いつく。
ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1
【ハイライト動画】第8節 横浜キヤノンイーグルス vs. 東芝ブレイブルーパス東京
さらに9分、イーグルスはゴール前スクラムからボールを継続し、WTB(ウイング)イノケ・ブルアが右隅にトライ。14-7とリードする。ブレイブルーパスも16分にFB松永のトライで5点を返して2点差としたが、その直後の18分、イーグルスがラインアウトからSHデクラークが抜け出し、パスを受けたNO8(ナンバーエイト)シオネ・ハラシリのトライで21-12と点差を広げる。
ブレイブルーパスも22分、SOテイラーのPG(ペナルティゴール)で3点を返すが、27分にCTBニコラス・マクカランがオブストラクションでシンビンとなり、10分間の一時退場となってしまう。数的優位に立ったイーグルスは一気に畳み掛ける。SO田村がPGを決めると、34分、ラインアウトからキャプテンのCTB梶村、37分にLOマックス・ダグラスと2本のトライを重ねて38-15と点差を広げて前半を折り返した。
後半に入ってもイーグルスの勢いは止まらない。後半5分にWTBブルアがトライをとると、10分には自陣でターンオーバー後にボールをつなぎ、SO田村が40mを走り切って左隅にトライ・自身でゴールを決めて52-15とブレイブルーパスを突き放す。
37点差のビハインドとなったブレイブルーパスだが、このままでは終わらない。15分にイーグルスのSO田村がデリバリーノックオンでシンビンになると、17分に途中出場のPRタウファ・ラトゥ、21分にCTBマクカラン、32分にHO橋本大吾とラインアウトから3連続でトライを重ねる。さらに34分にはFB松永が自陣から繋いだボールをランで取り切って、11点差まで追い上げた。
しかし、イーグルスは37分にFLミッチェル・ブラウンがトライを挙げて59-41と再びリードを広げて勝負を決めた。ブレイブルーパスは40分に自陣から展開してWTB桑山聖生がトライ。59-48としたが、そのままノーサイドを迎えた。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には、パス、キックとアタックの起点として大いに存在感を示したイーグルスのSHデクラークが選出された。
8トライを取ったものの、7トライを奪われ、追い上げられた形となったイーグルスの沢木監督は「前半はチームのためにプレーできている時間もあった。ただ、後半の最後の20分くらいは負け犬根性というか、悪い習慣がまだ残っているようだった。マインドセットを変えないといけない。これで喜んでいるチームであってはならない」と笑顔を見せることはなかった。
CTB梶村キャプテンも「前半はクオリティの高い、いいラグビーをし続けることができた。後半は自分たちの弱さが出た。もっとクオリティの高いゲームになった時に本当に勝てるのか。そういうところをもっと突き詰めていきたい」と冷静に話した。
敗れたブレイブルーパスのブラックアダーHCは「スタートが大事だとはわかっていたが、自分たちのミスから相手につけ込まれた。ラインアウトもプレッシャーを受けてしまった。後半勢いを取り戻し、選手たちはチームの姿勢を見せてくれた。最初からそういう状況に自分たちを追い込まないことを学びしにしたい」と前を向いた。
共同キャプテンのFL徳永は「後半のようにブレイクダウンで、スピード、テンポよく最初からできていたら違うものになっていた。SHデクラークのキックの使い方がうまかった。次に向けて修正していきたい」と語った。
2連勝で勝ち点を26に伸ばして4位をキープした横浜キヤノンイーグルスは、2月25日(土)の第9節、愛知県・パロマ瑞穂ラグビー場で9位のトヨタヴェルブリッツと対戦する。2連敗で、勝ち点が挙げられず、5位のままの東芝ブレイブルーパス東京は25日(土)に東京・江戸川区陸上競技場で今季無敗で2位につけるクボタスピアーズ船橋・東京ベイに挑む。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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