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リーグ戦折り返しの第8節、上昇気流をつかむのはどちらか。ジャパンラグビー リーグワン、トヨタヴェルブリッツ×グリーンロケッツ東葛プレビュー
ラグビーレポート by 直江 光信ブラックラムズ東京 vs. 東京サンゴリアス
ジャパンラグビー リーグワンのディビジョン1は、今週末でリーグ戦の折り返しとなる第8節を迎える。プレーオフ進出(上位4チーム)、そして入替戦(下位3チーム)回避に向け、ここからはひとつの白星と黒星がより重い意味を帯びてくる。今節はバイウィーク明けの中2週での試合とあってどのチームもいい状態で臨んでくるだけに、見応えある戦いが数多く繰り広げられそうだ。
そうした中、2月18日のパロマ瑞穂ラグビー場ではトヨタヴェルブリッツがNECグリーンロケッツ東葛を迎え撃つ(14時30分キックオフ)。現在2勝5敗、勝ち点10で9位のヴェルブリッツにとっては、後半戦へ弾みをつけるためにいい内容での勝利が求められる大事なホストゲームだ。1勝6敗の勝ち点4で11位のグリーンロケッツも、第2節から6連敗という悪い流れを断ち切って上昇気流をつかみたいところだろう。
第7節までの戦いぶりを振り返ると、ヴェルブリッツは5敗のうち2試合が4点差以内の惜敗で、現在首位の埼玉パナソニックワイルドナイツに19-34、同2位クボタスピアーズ船橋・東京ベイに34-44と、上位勢にも拮抗したゲームを演じている。もとより戦力はディビジョン1でも指折りのチームだけに、方向性さえ定まればパフォーマンスが一変しても不思議はない。十分な準備期間を経て迎えるこのホストゲームを、好転のきっかけにしたい気持ちは強いはずだ。
一方のグリーンロケッツは花園近鉄ライナーズを36-34で破った初戦を最後に勝ち星から遠ざかっており、ここ2戦は静岡ブルーレヴズに0-21、ワイルドナイツに0-45と完封負け。7試合の合計得点107(1試合平均15.3)は12チーム中最下位で、同じくワーストの反則数(108/1試合平均15.4)とともに、得点力不足が大きな課題となっている。前節からの2週間でそうした部分をどこまで改善できたかが、このゲームで試されることになる。
ゲインメータースタッツのチームランキング
両チームのスタッツを比較すると、ボールキャリーでヴェルブリッツが全体1位の858回に対し、グリーンロケッツは同9位の656回。ゲインメーターでもヴェルブリッツが全体2位の5847メートルで、4601メートル(同8位)のグリーンロケッツを大きく上回っている。ボールを保持する力で上回るヴェルブリッツにとっては、攻め込んだところできっちり仕留め切ることが、この試合の最大のテーマになるだろう。グリーンロケッツにすれば粘り強いディフェンスで失点を最小限にとどめ、ロースコアのゲームに持ち込むことが、勝利への条件といえそうだ。
トヨタヴェルブリッツスターティングメンバー
発表された登録メンバーを見ていくと、ヴェルブリッツは前節のスターティングラインアップから6人を入れ替えた。FWではHO延山敏和とLO西村龍馬がリザーブから繰り上がり、FLピーターステフ・デュトイは第6節、NO8姫野和樹は第4節以来の先発復帰。共同主将のFL古川聖人、姫野に代わってデュトイがゲームキャプテンを務める。
グリーンロケッツ東葛スターティングメンバー
対するグリーンロケッツの前節からの先発変更は8人。FW第1列はPR久保優、HO新井望友、PR上田聖と3人すべて入れ替わり、5番にはウエールズ代表のLOジェイク・ボールが2試合ぶりに復帰した。7番のFL亀井亮依も第6節以来のスターターだ。
SOは開幕節から5試合連続で10番を背負った金井大雪が戻り、アウトサイドCTBのマリティノ・ネマニは第3節以来今季2度目のスタメン。右WTBには杉本悠馬が入り、前節14番のキャプテン、レメキロマノラヴァは最後尾のFBに下がる。
なおディビジョン1は、今節から今シーズン最長となる6連戦に突入する。試合が重なるにつれて疲労やケガが増えるのは避けられないだけに、白星先行でいい流れを作りたいというのがどのチームにも共通する思いだろう。試練の連戦に向けどちらがいいスタートを切るかという意味でも、大切なゲームとなる。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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