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【ハイライト動画あり】神戸スティーラーズ、自慢のアタックで好調相模原ダイナボアーズに攻め勝つ。ジャパンラグビー リーグワン第7節レビュー
ラグビーレポート by 直江 光信三菱重工相模原ダイナボアーズ vs. コベルコ神戸スティーラーズ
勝者は持ち前の攻撃力を存分に発揮して7トライを挙げた。敗者は強みであるはずのディフェンスで我慢し切れず、勝負どころで失点を重ねて流れに乗れなかった。今季好調の6位三菱重工相模原ダイナボアーズと、ここまで調子の上がらない戦いが続いていた8位コベルコ神戸スティーラーズの激突は、49-30という予想外のビッグスコアでスティーラーズが快勝を収めた。
FL橋本皓キャプテンが2試合ぶりに復帰したスティーラーズは、キックオフ直後から気迫みなぎるアタックで前へ出続けた。最初のスコアが刻まれたのは開始6分だ。敵陣ゴール前のラインアウトから近場でFWが直進を繰り返し、LOのJD・シカリングがポスト下にねじ込む。19分にはキックレシーブからの切り返しでジリジリと前進し、この日がリーグワンデビュー戦のCTB濱野隼大がラインブレイクからスピードを活かして約40メートルを掛け抜けた。
スティーラーズのプレッシャーにあおられ、チグハグな攻撃や細かいエラーが続いていたダイナボアーズも29分、スクラムでペナルティを獲得すると、SOジェームス・シルコックが正面30メートルのPGを決めてようやく反撃開始。36分にはゴール前の反則でスティーラーズSH徳田健太がシンビンになり、シルコックの2本目のPG成功で6-14と詰め寄る。スコアと勢いを盛り返して、ハーフタイムを迎えた。
このチャンスにたたみかけたいダイナボアーズは後半開始早々の44分、自陣スクラム起点のアタックでテンポよくフェーズを重ね、敵陣22メートル線内へ。最後はCTBヘンリーブラッキンのオフロードを受けたWTBタウモハパイホネティが中央に押さえる。これで1点差に迫り、ゲームの流れも傾くかと思われた。
しかしこの日のスティーラーズはここからが違った。50分、力強いボールキャリーを連発して相手防御を押し込むと、右タッチライン際をFLサウマキアマナキ→WTB井関信介→WTB山下楽平で攻略してトライ。さらにその3分後にはダイナボアーズWTBタウモハパイが危険なタックルでイエローカードを受け、そのペナルティからラインアウトモールを押し切って途中出場のPR五十嵐優が右中間にグラウンディングする。
ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1
【第7節ハイライト動画】三菱重工相模原ダイナボアーズ vs. コベルコ神戸スティーラーズ
ダイナボアーズも58分、ゴール前ラインアウトでショートサイドへサインプレーを仕掛け、元神戸製鋼のHO安江祥光がタックルを振りほどいてトライ。すかさず10点差に戻して追走する。しかしその直後、自陣のブレイクダウンでボールへのからみがペナルティとなり、波に乗り切れない。逆にスティーラーズはこの好機でラインアウトモールを15メートル近くドライブし、HO松岡賢太がインゴールになだれ込んだ。
35-18と2トライ2ゴールでも届かない点差になったことで、スティーラーズはより大胆にパスをつないで攻めるようになる。64分にはキックオフレシーブから力強くゲインを重ねて約80メートルを切り返し、入替出場のSH中嶋大希がフィニッシュ。41-18まで引き離し、大きく勝利に前進する。
以後は精神的な優位性を生かし、余裕を持ってゲームを制御。ダイナボアーズの反撃を69分HO安江、76分LOエピネリ・ウルイヴァイティの2トライに抑える一方、73分にこの日デビュー戦のHO酒木凜平がトライを加え、49-30の最終スコアでフルタイムとなった。
スタッツ比較
両者のスタッツを振り返ると、ボール支配率はスティーラーズ56パーセント、ダイナボアーズが44パーセントで、アクションエリアの分布からスティーラーズが自陣からでもボールを保持して攻めていることがわかる。ボールキャリー距離がダイナボアーズの289メートルに対し、スティーラーズは倍以上の723メートルを記録していることからも、そのことは裏付けられる。
一方防御面では、タックル回数はスティーラーズがトータル87回で10本のミスタックルの一方、ダイナボアーズは157回でミスタックルは33本。ダイナボアーズにすれば身上のディフェンスで仕留め切れず、相手が得意とするアタックで勢いに乗せてしまったことが、完敗の要因となった。
この勝利でスティーラーズは勝ち点を15に伸ばし、同じ勝ち点で並んだダイナボアーズをチーム間の勝ち点で上回ったため、6位に浮上。ホストゲームで勝ち点を取れなかったダイナボアーズは一歩後退して7位となった。ディビジョン1は次節でリーグ戦の折り返しとなる第8節を迎えるが、この試合からも明らかなように各チームの力は拮抗しており、その時々の勢いやコンディション、相性次第で勝敗が変わりそうな印象だ。今後も予想が難しい好ゲームが数多く繰り広げられることを期待したい。
直江 光信
1975年生まれ、熊本県出身。県立熊本高校を経て、早稲田大学商学部卒業。熊本高でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。早大時代はGWラグビークラブ所属。現役時代のポジションはCTB。著書に『早稲田ラグビー 進化への闘争』(講談社)。ラグビーを中心にフリーランスの記者として長く活動し、2024年2月からラグビーマガジンの編集長。
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