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豊田自動織機シャトルズ愛知 vs. 釜石シーウェイブス
3つのディビジョンで行われるジャパンラグビー リーグワンの中位カテゴリーであるディビジョン2は、全チームが入替戦に進むという点が大きな特徴だ。ホスト&ビジターの2回戦制で行われるレギュラーシーズンの上位3強はディビジョン1との入替戦、4位以下の3チームはディビジョン3との入替戦にそれぞれ回る。そのため、まずは全10節のリーグ戦で3位以内に入ることが重要なターゲットになるわけだ。
1月28日のパロマ瑞穂ラグビー場では、ホストチームの豊田自動織機シャトルズ愛知が釜石シーウェイブスを迎え撃つ(12時キックオフ)。他の4チームは前週に第4節を終えており、今週のディビジョン2の開催はこの1試合だけ。他チームの関係者やファンの視線が集まる中、好ゲームになることが期待される。
ディビジョン2順位(1/26現在)
現在の順位表を見ると、ディビジョン3から今季昇格したシャトルズが2勝1敗の勝ち点8で3位につけているのに対し、昨季5位のシーウェイブスは1勝2敗の勝ち点4で5位。総得点は83と82で拮抗しているものの、総失点ではシャトルズが40点少なくなっており、シャトルズの健闘が目を引く。
ただ前節はシャトルズが浦安D-Rocksに16-55で完敗を喫した一方、シーウェイブスは清水建設江東ブルーシャークスから44-22で今季初勝利を挙げている。中2週の準備期間でそれぞれがどのように焦点を定めて臨んでくるかというところが、この一戦のポイントになりそうだ。
その前節の試合を振り返ると、シャトルズはディビジョン2随一の戦力を誇るD-Rocksに対し前半35分過ぎまで9-15と食らいついたものの、そこからの5分と後半立ち上がりの10分という勝負どころの時間帯で3つのトライを許し引き離された。もっともスクラムを再三押し込み、ブレイクダウンでも激しいファイトを見せるなど、プレーの随所に地力を感じさせたのも確かだ。第2節では前年4位の日野レッドドルフィンズから37-31で価値ある白星を手にしており、その時と同じ会場での戦いとなる今週のゲームも、自信を持って臨んでくるだろう。
一方のシーウェイブスはフロントローに負傷者が相次ぎ、通常の23人から一人少ない22人の登録メンバーで戦うという苦しい状況ながら、20-17で迎えた後半に3トライを奪ってブルーシャークスを振り切った。流れを大きく変えた56分のパスカットに加え、5G3PGとすべてのキックを決めて24点を挙げたCTBジョシュア・スタンダーの大車輪の活躍が光ったが、FW陣がフィジカルバトルで奮闘し、課題だった立ち上がりを改善できたことも大きな勝因だった。今節もやはり、試合の入り方と接点の攻防が大きなテーマとなる。
豊田自動織機シャトルズ愛知スターティングメンバー
発表された登録メンバーをチェックすると、シャトルズは前節から先発7人を入れ替えてきた。FWではPR渡邊彪亮、HO牛原寛章、PR小寺晴大のフロントローに、由良祥一と金堂礼の両FLがスターティングラインアップに名を連ね、BKは左WTBに河野竣太、13番に松本仁志が入った。NTTドコモレッドハリケーンズ大阪から加入した牛原と流経大卒のルーキー河野は、これがシャトルズでの最初の公式戦。FL由良も今シーズン初出場となる。
釜石シーウェイブススターティングメンバー
対するシーウェイブスの先発変更はPR寺脇駿、LO西井利宏、FBキャメロン・ベイリーの3人。同時出場は4人までの枠があるカテゴリーBおよびCの外国人選手をFWとBKに2人ずつ振り分け、バランスを意識した布陣という印象だ。注目はSO中村良真、CTBスタンダー、FBベイリーという今季初めて並ぶプレーメイカー3人が、どのように機能するかという点。レッドドルフィンズとの初戦、三重ホンダヒートとの2戦目でインパクト抜群のプレーを見せたNO8セタ・コロイタマナをどのタイミングで投入するかも、流れを左右する要素になる。
現在3位のシャトルズはここで勝利を積み上げ、勝ち点1差の4位レッドドルフィンズに少しでもプレッシャーをかけたいところ。5位シーウェイブスもこの試合に勝てば3位まで浮上する可能性がある。お互いの意地と気迫がぶつかり合う80分になりそうだ。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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