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ハットトリックでPOMとなったNO8マフィ
12月中旬に始まった2シーズン目の「NTTジャパンラグビー リーグワン」。ディビジョン1は第5節が行われ、同じカンファレンスのチームが対戦する前半最終戦となった。1月21日(土)は神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場で、2勝1敗1分(勝ち点11)で5位につけているホストの横浜キヤノンイーグルスが、1勝3敗(勝ち点4)で10位のNECグリーンロケッツ東葛を迎えた。
イーグルスは前節、近鉄花園ライナーズに74-7と快勝。トップ4入りを目指すために、連勝して勢いに乗りたいところ。南アフリカ代表SH(スクラムハーフ)ファフ・デクラークが控えに回り、荒井康植が今季初先発になるなどFW(フォワード)4名、BK(バックス)3名と、前節から先発を大きく入れ替えて臨んだ。
一方のグリーンロケッツは開幕戦の勝利以降、連敗が続き、先週はクボタスピアーズ船橋・東京ベイに7-40で敗れた。前節からFWに変更はなかったが、BKはセブンズリオ五輪代表のWTB(ウイング)後藤輝也に替わって杉本悠馬が2試合ぶりに先発に復帰するなど、BK2名を交替した。
イーグルスがホストゲームで勝ち切って連勝し、トップ4に向けてさらに弾みをつけられるか。グリーンロケッツがディフェンスから好機を作って連敗脱出なるか。試合は3789人の観客が見守る中、午後0:00にグリーンロケッツボールでキックオフされた。
試合開始早々に主導権を握ったのはやはりイーグルスだった。前半3分、マイボールラインアウトからボールを継続し、南アフリカ代表CTB(センター)ジェシー・クリエルがゲインし、オフロードパスでつなぐと元日本代表NO8(ナンバーエイト)アマナキ・レレイ・マフィがトライ、SO(スタンドオフ)田村優のゴールも決まり7点を先制する。
さらに、リスタートのボールをキャッチしたFB(フルバック)エスピー・マレーが蹴ったボールは、50-22ルールが適用されてマイボールとなり、敵陣5mでのマイボールラインアウトのチャンスを得る。このラインアウトからモールで押し込み、最後は再びNO8マフィが持ち込んでトライ。開始5分でイーグルスが14-0とリードする。
ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1
【ハイライト動画】横浜キヤノンイーグルス vs. グリーンロケッツ東葛
グリーンロケッツも16分、敵陣で左右にボールをつないで、最後は左サイドにいたWTB尾又寛汰がトライし5点を返す。さらに28分にはラインアウトからピックアンドゴーでフェーズを重ねてSHニック・フィップスが持ち出してトライ。SO金井大雪のゴールも決まって、2点差に追い上げた。
だが、前半残りわずかとなった37分、イーグルスはゴール前、相手の反則からクイックリスタートからアタックを継続。SH荒井のパスにNO8マフィが走り込んでハットトリックとなる3本目トライを挙げて、19-12と点差を広げて前半を折り返した。
後半に入って、互いにチャンスを作りながら取りきれない時間がしばらく続いたが、12分、イーグルスはラインアウトからモールで前進、PR(プロップ)岡部崇人が押さえて24-12とリードを広げた。
CTB南橋のトライ
対するグリーンロケッツもチャンスを作るが、なかなか相手のディフェンスを破ることができない。ともに疲れが見え始めた残り10分、徐々にイーグルスのペースで試合が進み、30分にCTB南橋直哉、終了間際の40分に途中出場のSHデクラークがトライを奪ってノーサイドを迎えた。
イーグルスが36-12と快勝し、3トライ差のボーナスポイントも獲得して今季初の連勝となった。ハットトリックで2試合連続のPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)に選ばれたマフィは「月曜日からいい準備をしてきた。FWが力を出して、イーグルスウェイで力を見せないといけない試合だった。(厳しい時間もあったが)我慢強くプレーして強みを出せた。疲れた(笑)」と笑顔を見せた。
イーグルスの沢木啓介監督は「最終的に勝ち点5を取れて良かったが、やるべきことを遂行する強さも必要だとわかった。チーム内の競争を増やすことも大事になってくる」と白星に浮かれることなく淡々と語った。また、キャプテンCTB梶村祐介は「前半(厳しい)時間帯を我慢できたので、後半、主力選手が入ったときに試合をコントロールできたのが良かった」と振り返った。
4連敗となったグリーンロケッツのロバート・テイラーHC(ヘッドコーチ)は、「良い場面もあったし、選手のファイトは誇りに思う。ただ、一貫性を持ったプレーをしないと難しい」と話し、キャプテンFBレメキ ロマノラヴァは「やっぱり80分間、ファイトできないと勝てない」と肩を落とした。
次節からカンファレンスAとBが対戦する交流戦が始まる。連勝で勝ち点を16に伸ばし、4位に浮上したイーグルスは1月28日(土)、埼玉・熊谷ラグビー場で昨季の王者、今季もここまで負けなしで首位に立つ埼玉パナソニックワイルドナイツにチャレンジする。
黒星が続き、10位のままとなったグリーンロケッツは29日(日)に、こちらも黒星が先行している11位の静岡ブルーレヴズと静岡・ヤマハスタジアムで相まみえる。
文:斉藤健仁/Photo by S.IDA
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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