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【ハイライト動画あり】クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、「えどりく」の不敗神話を守りコベルコ神戸スティーラーズに勝利。ジャパンラグビー リーグワン第5節
ラグビーレポート by 斉藤 健仁クボタスピアーズ船橋・東京ベイvsコベルコ神戸スティーラーズ
「えどりく」の不敗神話は崩れなかった。「NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23」。1月21日(土)、東京・江戸川陸上競技場では3勝1分(勝ち点16)でディビジョン1の2位につけているクボタスピアーズ船橋・東京ベイと、2勝2敗(勝ち点9)で7位のコベルコ神戸スティーラーズが激突した。
開幕から5試合目、同カンファレンスのチームとの前半戦最後の対戦となった。今季、いまだ黒星なしのホストのスピアーズは、前節からFW(フォワード)6名、BK(バックス)4名と先発メンバーを大きく変更して臨んだ。
ただ、南アフリカ代表HO(フッカー)マルコム・マークス、日本代表FL(フランカー)ピーター・ラブスカフニ、オーストラリア代表SO(スタンドオフ)バーナード・フォーリー、キャプテンの元日本代表CTB(センター)立川理道と元オールブラックスのライアン・クロッティ、日本代表WTB(ウイング)ゲラード・ファンデンヒーファーら、国際経験豊富な選手たちはスターターに名を連ねた。
一方、前節はインフルエンザによる試合直前のメンバー変更の影響で敗戦。2勝2敗と調子に乗れないスティーラーズも、FW5名、BK3名と大きくメンバーを動かした。元日本代表PR(プロップ)中嶋イシレリ、山下裕史、南アフリカ代表キャップ31のNO8(ナンバーエイト)マルセル・クッツェー、日本代表SO李承信、FB(フルバック)山中亮平、NO8でもプレーできる元日本代表WTBアタアタ・モエアキオラら、能力の高い選手が中軸だ。
試合は4191人のファンが集う中、14時30分にキックオフされた。「えどりく」(江戸川区陸上競技場)3連戦の2試合目、オレンジではなく黒いジャージーを着用したスピアーズは、セットプレーで優位に立つと、前半開始早々から20分まで相手陣でアタックする時間が続く。しかし、スティーラーズの粘り強いディフェンスの前にゴールラインを越えることができなかった。
ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1
【ハイライト動画】クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. コベルコ神戸スティーラーズ
ようやくスコアボードが動いたのは前半22分、相手のペナルティから得たPG(ペナルティゴール)をスピアーズのSOフォーリーが決めて3-0と先制に成功する。しかし、スティーラーズもすぐに反撃。24分、キックオフのカウンターからボールをつないでFLアマナキ・サウマキが左中間に押さえてトライ。SO李がゴールを決めて7-3と逆転に成功する。
28分、「オレンジアーミー」の声援を受けるホストのスピアーズが素晴らしいターンオーバーを見せる。28分、SOフォーリーのキックをキャッチした相手に数人でプレッシャーをかけてボールを奪取。そのボールを継続して、最後は日本代表でも活躍するFLラブスカフニがインゴールに飛び込んでトライ。ゴールも決まって10-7と逆転する。
36分、モールを起点にスティーラーズのWTBモエアキオラがトライしたが、TMO(テレビマッチオフィシャル)の末、モールでノックオンがあったと判定されてノートライ。そのままスピアーズが守り切って、前半は10-7で終えた。
後半開始早々、いきなりスピアーズの『韋駄天』がビッグプレーを見せる。キックオフから前にいた選手がFWと見るや、WTB根塚洸雅がラインブレイクして50mほどボールを運び、左に展開。最後はWTBファンデンヒーファーがステップを切ってトライ。ゴールも決まって15-7とリードを広げた。
12分にスピアーズのSOフォーリーがPGを決めて、18-7とした後の15分。スティーラーズも相手のミスから攻め込み、SO李がキックパスを蹴り、WTBモエアキオラがキャッチして右隅にそのままトライ。ゴールも決まり4点差に追い上げた。だが、スピアーズはチョークタックルやジャッカルで、相手のアタックの芽を摘むと、22分、モールを押し込んで最後はHOマークスが左中間に押さえてトライ。ゴールも決まって25-14とした。
あきらめないスティーラーズも26分、スクラムを起点に攻め込み、最後はNO8クッツェーがねじ込んでトライし、再び4点差に追い上げたものの、試合はそのままスピアーズが守り切って25-21でノーサイド。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)にはWTB根塚が選出された。
スピアーズは接戦を制して「えどりく」の連勝を11に伸ばし、総勝ち点を20に伸ばし2位をキープした。7点差以内での敗戦のためボーナスポイントを得たスティーラーズは総勝ち点10として7位のままと順位を上げることができなかった。
5試合を終えて、2勝3敗と黒星が先行してしまったスティーラーズのニコラス・ホルテンHC(ヘッドコーチ)は「アタックではマインドセットの部分は見せられたが、最初の20分、ディフェンスの時間が長すぎてガス欠になった」と肩を落とした。キャプテンFL橋本皓は「前節大敗して、気持ちの部分を見せようと試合に臨んだ部分は良かった。エラーやレフリーに合わせる部分などを修正して次に臨みたい」と前を向いた。
勝利して2位をキープしたスピアーズのフラン・ルディケHCは「勝ててうれしい。前半チャンスはあったが、神戸さんのディエンスで止められた。終盤は我慢できて良かった。リーダー陣がしっかり試合を運んでくれた」と立川キャプテン以下のリーダー陣を称えた。
また、CTB立川キャプテンは「勝てたことが良かった。自分たちのペースで試合を動かせる時間が少なかったが、大事な時間にスクラム、ラインアウトでプレッシャーをかけてペナルティを得て得点ができた。昨季の経験、メンバーが変わらず戦うことができて、同じ画を見て動けている」と振り返った。
次節からカンファレンスAとBが戦う、クロスカンファレンスマッチが始まる。首位の埼玉パナソニックワイルドナイツを追う2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイは1月29日(日)、「えどりく」にリコーブラックラムズ東京を迎える。連敗を止めたいコベルコ神戸スティーラーズは28日(土)、ホストの兵庫・神戸運動公園ユニバー記念競技場でトヨタヴェルブリッツと激突する。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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