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ラグビー コラム 2023年1月16日

【ハイライト動画あり】浦安D-Rocksがシャトルズ愛知との全勝対決制し開幕3連勝飾る。ジャパンラグビー リーグワン ディビジョン2第3節レビュー

ラグビーレポート by 直江 光信
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浦安D-Rocks vs. 豊田自動織機シャトルズ愛知

開幕2連勝と好スタートを切ったチーム同士の直接対決。ここを制したほうがディビジョン2の覇権争いの主導権を握る。そんな序盤戦の大一番は、浦安D-Rocksが55-16で完勝を収めた。

気温9度、冷たい雨が芝を濡らす中で始まったこの試合。立ち上がりの数分間の攻防に、D-Rocksの気迫と集中力は立ち上った。

SOオテレ・ブラックが蹴り込む短いキックオフに、FBイズラエル・フォラウがプレッシャーをかけてボールを確保する。一連の流れで敵陣での攻撃の機会をつかむと、ラインアウトからFW戦で近場を崩し、FL中島進護が開始3分に先制のトライをマークした。

ディビジョン3から昇格初年度にして第2節で日野レッドドルフィンズを破った豊田自動織機シャトルズ愛知も、続くキックオフから敵陣へ攻め入り、11分にFBティム・スウィルが正面約30メートルのPGを成功。17分にD-RocksのSOブラックにPGを決められたが、すぐさまFBスウィルがPGを返し、6-8と追走する。

接点で激しいバトルが繰り広げられる中、どちらが流れを引き寄せるかというこの局面で地力を発揮したのがD-Rocksだ。24分、敵陣30メートル付近の左ラインアウトからデザインされた連続攻撃できれいにオーバーラップを作り、SOブラックが右中間へ駆け抜ける。その後シャトルズに1PGを許したものの、37分にラインアウトモールからHO金正奎が左中間に押さえ、20-9と引き離しにかかる。

さらに前半終了間際には、中盤のキックカウンターを起点にフェーズを重ね、LOローレンス・エラスマスのピック&ゴーからSOブラック→SH飯沼蓮とつないでインゴールへ。25-9とリードを拡大してハーフタイムを迎えた。

シャトルズにとってはこれがギリギリという点差。D-Rocksはもう1本追加すれば試合を決められる。そんな後半の立ち上がりの重要な時間帯で大きな得点を刻んだのは、またしてもD-Rocksだった。

ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン2

【第3節ハイライト動画】浦安D-Rocks vs. 豊田自動織機シャトルズ愛知

48分、ハーフウェーライン付近右寄りの位置のスクラムから、BK5人が並ぶ左オープンサイドへ展開。相手ディフェンスのギャップをFBフォラウが抜け出し、大外でパスを受けたWTB安田卓平が、トップリーグ時代を含め自身公式戦初となるトライをマークする。これでスコアは34-9まで広がった。

シャトルズも60分、ラインアウト起点のアタックでテンポよくボールを動かし、CTB齊藤大朗のライン裏への絶妙なキックを追ったFBスウィルが、あざやかにバウンドに合わせてようやくゴールラインを越える。しかしD-Rocksはここですぐさま引き締め直し、63分にラインアウトモールから抜け出した入替出場のHO藤村琉士が約20メートルを走り切ってトライ。64分にはキックパスから2本のオフロードでFBフォラウがフィニッシュする圧巻のノーホイッスルトライも飛び出し、スタンドに詰めかけたファンを沸かせる。

D-Rocksのたたみかける姿勢は最後まで衰えず、80分にはラインアウトモールからSHグレイグ・レイドローが持ち出し、CTBトゥクフカトネが8本目となるトライを奪取。最終的には39点差での大勝となった。

難敵のチャレンジを堂々と跳ね返し、開幕から無傷の3連勝を果たしたD-Rocks。勝負の根幹となるコンタクト局面のバトルで上回り、攻守ともプレッシャーをかけ続けて突き放した試合内容には、ヨハン・アッカーマンヘッドコーチのもとで積み重ねてきた厳しいトレーニングの成果が浮かんだ。SH飯沼蓮主将は、「80分間動ける自信があるし、相手が疲れて気を抜いた瞬間に攻めるマインドがある」と胸を張る。

先発からリザーブまで登場してくる選手はいずれもトップクラスの実力者で、ノンメンバーにも代表級の名手が数多く控える。傑出した個の力を有しながらそこに依存するのではなく、一人ひとりが忠実に役割を遂行してチームとして強みを発揮する戦いぶりも、大きな伸びしろを感じさせた。まだ3節を終えたばかりだが、ディビジョン1昇格へ向け視界は良好といえそうだ。

一方のシャトルズ。攻め込みながらトライを取り切れず、ジリジリとスコアを離されたことが結果的に完敗の要因となったが、前半優勢だったスクラムをはじめ、互角以上に戦えた部分も少なくなかった。「この経験を今後にどう生かすかが大事。ポジティブにとらえたい」と徳野洋一ヘッドコーチ。こちらも厳しいゲームが続くシーズンを通して、どうチーム力を伸ばしていくか楽しみだ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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