人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

ラグビー コラム 2023年1月15日

【ハイライト動画あり】三菱重工相模原ダイナボアーズ、東芝ブレイブルーパス東京から創部初の歴史的勝利。ジャパンラグビー リーグワン第4節

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
  • Line

ダイナボアーズはブレイブルーパスから初勝利

1971年の創部以来、初となる歴史的白星となった。

1月14日(土)、東京・秩父宮ラグビー場では、2勝1敗(勝ち点9)で現在ディビジョン1の6位につけている昇格組の三菱重工相模原ダイナボアーズが、2勝1敗(勝ち点9)で5位の東芝ブレイブルーパス東京を迎えた。

ともにディフェンスに自信のあるチームの対戦は、予想通りのクロスゲームとなり、ホストのダイナボアーズが23-19で競り勝った。三菱重工相模原が東芝に勝利するのは創部史上初めてのことで、今季台風の目になりつつある昇格組のダイナボアーズが、昨季トップ4のチームを破り、開幕連勝はフロックではないことを証明して見せた。

ブレイブルーパス、SO中尾の先制トライ

小雨が降る中、3221人のファンが集い、ダイナボアーズボールで試合はキックオフされた。
序盤、ペースを掴んだのはビジターのブレイブルーパスだった。前半5分、SO(スタンドオフ)中尾隼太が相手SOジェームス・シルコックのキックをチャージし、自ら拾い上げて50m走り 切ってトライ。5点を先制する。

ブレイブルーパス、東WTBナイカブラのトライ

さらに12分、ラインアウトからのサインプレーでWTB(ウイング)ジョネ・ナイカブラがトライを挙げて12-0とリードを広げた。そこからブレイブルーパスは相手陣に攻め込むが、自分たちのミスやTMO(テレビマッチオフィシャル)の末にノートライになるなど、追加点を挙げることができなかった。

トライに歓喜するダイナボアーズの選手たち

するとディフェンスで粘っていたダイナボーズにチャンスがやってくる。33分、相手がパスミスしたボールをCTB(センター)マット・ヴァエガが拾って、WTBタウモハパイ ホネティ、CTBヘンリー ブラッキンとつないで、最後はWTBホネティが右中間に抑えて7-12と追い上げる。

前半37分には、ブレイブルーパスのNO8(ナンバーエイト)リーチ マイケル危険なプレーでシンビン(10分間の一時的退室)となるが、そのまま7-12で前半を終えた。後半最初、数的有利だったダイナボアーズは追加点を挙げることができず、拮抗した状態になる。

ジャパンラグビー リーグワン2022-23 ディビジョン1

【ハイライト動画】第4節 三菱重工相模原ダイナボアーズ vs. 東芝ブレイブルーパス東京

ダイナボアーズ、FL鶴谷のトライで逆転

だが、先にチャンスを迎えたのはハーフタイムで規律面を修正したダイナボアーズだった。20分、ハイパントキックからチャンスを得て、途中出場のHO(フッカー)安江祥光がゲインし、ボールをつないで、最後は副将のFL(フランカー)鶴谷昌隆が中央に飛び込んでトライ。ゴールも決まって14-12と逆転に成功する。さらに24分にPG(ペナルティゴール)も沈めて17-12とリードを広げた。

27分、ブレイブルーパスも負けじと攻め込むと、相手のSOシルコックがゴール前での反則が不当なプレーと判断されてシンビンとなる。数的有利となった東芝は29分、ラックから途中出場のSH(スクラムハーフ)ジャック・ストラトンが持ち込んでトライ。ゴールも決まって19-17と再びリードした。

SO石田は2本目のPGを落ち着いて決めた

33分、ダイナボアーズは相手ボールスクラムで反則を誘い、PGのチャンスを得る。この日が誕生日だった、途中出場のSO石田一貴が中央右40mの距離を落ち着いて決めて20-19と再逆転に成功。続く37分にも左中間40mのPGを落ち着いて沈めて23-19とリードを広げた。「緊張しましたが、ルーティンで通りに蹴ることができた」(石田)。

15人に戻ったダイナボアーズは、そのまま持ち味のディフェンスを見せて、このリードを守り切、23-19でノーサイドを迎えた。

POMはダイナボアーズFL坂本

POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には激しいタックル、ジャッカルで、ブレイクダウンで80分間、身体を張り続けたダイナボアーズの2年目FL坂本侑翼が選出された。「自分の役割を果たせた。僕だけの力ではなく、チームでもらったMVPです」。

3勝1敗で総勝ち点を13に伸ばしたダイナボアーズは4位へ順位を上げた。ブレイブルーパスは敗れたものの7点差以内で勝ち点1を得て6位となった。

惜しい試合を落としたブレイブルーパスのトッド・ブラックアダーHC(ヘッドコーチ)は「開始直後はよくプレーできたと思っています。ですが、最終的には自分たちのハンドリングミスがこの結果につながった。あとはブレイクダウンに直行することができていなかった。自分たちが求めるレベルができていなかった。ダイナボアーズさんの方がブレイクダウンをハードに競い合ってプレッシャーをかけられた」と肩を落とした。

共同キャプテンSH小川高廣は「ディフェンスはあまり悪くなかったが、アタックのブレイクダウンの2人目ができなかったし、いいプレッシャーをかけられて苦しめられた。どのチームと対戦してもそういったところは一貫してやらないと難しい試合になってしまう。修正して、常に自分たちのラグビーを出せるように修正したい」と前を向いた。

ダイナボアーズ、ディレーニーHCと岩村主将

歴史的勝利を挙げたダイナボアーズのグレン・ディレーニーHCは「ものすごいバトルだった。(SO石田という)キックを持っている選手がうちのチームにいるのはラッキーで、やらないといけない役割を完璧にこなした。(東芝に勝利したことは)すごくうれしいことですが、相手が強いチームや歴史があるとは関係なく、毎週、自分たちが学べる試合をすることが大事です」と勝って兜の緒を締めた。

チームを鼓舞する岩村主将

キャプテンのSH岩村昂太は「前半、ミスで2トライ先取されていい流れではなかったが、その後、規律やディシプリンなど自分たちがやることに立ち返ってディフェンスからリズムを取り戻せた。特に後半に関しては我々のDNA、全員が身体を張って、ラインブレイクされてもしっかり返るなど自分たちのラグビーを遂行できたことが勝利の要因」と胸を張った。

試合後は両チーム揃って記念写真

開幕から4戦3勝と今季の台風の目になりつつある三菱重工相模原ダイナボアーズは、1月22日(日)の第5節、ビジターで静岡ブルーレヴズと対戦する。2勝2敗となった東芝ブレイブルーパスは同じく22日、ホストで秩父宮ラグビー場にトヨタヴェルブリッツを迎える。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!

ラグビーの放送・配信ページへ