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ラグビー コラム 2023年1月6日

7度目の全国制覇か、初優勝で高校3冠か?再戦の約束を守って勝ち上がった東福岡と報徳学園が激突。全国高校ラグビー大会決勝

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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東福岡(左)と報徳学園の対戦

「花園」こと、全国高校ラグビー大会の決勝を1月7日に控えた6日、東福岡(福岡)と報徳学園(兵庫)の両校がオンラインでメディアに対応した。なお、今日は両校ともに1時間~1時間半ほどの練習で最終確認を行ったという。

春の選抜大会、夏の7人制大会、冬の花園と全て決勝が同じカードとなり、春(コロナ禍の影響で東福岡が辞退)、夏は報徳学園が制した。両校は25年以上定期戦を行っている仲だが、花園での対戦は初めてだという。また、6日の午後も明日のメンバー外で練習試合を行った。

7度目の優勝を狙う東福岡からは藤田雄一郎監督、キャプテンFL(フランカー)大川虎拓郎、LO(ロック)舛尾緑、NO8(ナンバーエイト)藤井達哉、SO(スタンドオフ)高本とわ、FB(フルバック)石原幹士(いずれも3年)の6人が出席した。

7度目の優勝を狙う東福岡

藤田監督は「(春の選抜では決勝で対戦できず)最高の舞台でもう1回、決勝戦でやろうと約束して、それが実現できてうれしい。毎年定期戦を行っている報徳学園と花園での対戦は初めてで、一番いいところ(決勝)で対戦できることは本当にうれしい。一番、力を持っているチームが報徳学園だと思うので、フィジカルで身体を当てこんで、相手のアグレッシブなアタックのテンポを遅らせれば勝機が出てくる」と話した。

キャプテンFL大川も「選抜の決勝戦は辞退して悔しい思いがあり、夏のセブンズでも負けてしまったが、報徳学園の存在のおかげでここまで成長できた。素晴らしい舞台で対戦できて嬉しい。(相手には)ステッパーが多いので止めていきたい。キックでエリアを取り、ディフェンスで前に出て、ボールを奪ってトライにつなげたい」と語気を強めた。

意気込みを語る東福岡の選手たち

他の4人は「自分がしっかりチームを勢いづけるようなキャリーをし、ディフェンス、アタックともに前に出たい」(舛尾)、「攻守ともにプレー、言葉でチームを鼓舞します」(藤井)、「10番として自分の声、プレーで勝利に導きたい」(高本)、「1年間、ディフェンスからチームを作ってきたので集大成を見せたい」(石原)と各々が意気込んでいる。

東福岡FL大川キャプテン

やはり、大川キャプテンが「今季のチームはトライが取られないところが大きな違い」と話すように、カギはこの1年、7~8割と練習に打ち込んできたディフェンスとなるだろう。「うちのディフェンスが圧力をかけられるか、楽しみでもあります。少しでも相手のキープレイヤーに圧力をかけられれば、こっちの試合展開に持ち込める」(藤田監督)。

この3年間はコロナ禍で大会が開催されなかったり、練習ができない時期もあったりした。大川キャプテンは「(逆に)いろいろな人に感謝することができました。高校3年間、コロナで苦しいことも多かったが、このチームが始まってから1月5日(の準決勝)を超えて、日本一が目標でした。決勝戦はその集大成としてがんはりたい」と前を向いた。

初優勝を目指す報徳学園

続いて初の決勝で、初優勝と高校3冠を狙う報徳学園からは西條裕朗監督、キャプテンFL植浦慎仁、SO伊藤利江人、FB竹之下仁吾の4人が出席した。

西條監督は「東福岡は常にトップレベルで、人材、戦術、戦略で(高校ラグビーを)引っ張っている。25年ほど定期戦をやってきましたが、やっと花園、しかも決勝戦で、対戦できてうれしく思います。報徳学園らしいディフェンス、接点、フィジカルで勝負したい。どちらも動くラグビーをすると思いますが、どちらが自分たちの展開に持っていけるかが勝負になる」と話した。

植浦キャプテンは「春の選抜では決勝で対戦できなかったが、同じ日に練習試合をして負けて1年間、やってきた。最高の舞台で対戦できてうれしい。(東福岡は)フィジカル、スピードがあり、強いランナーがたくさんいるので、低いタックルとブレイクダウンで勝負して、少ないチャンスで取り切りたい」と腕を撫した。

SO伊藤も「春の選抜は(優勝したが)嫌な終わり方になってしまった。東福岡に実力で勝ちたいと1年間の目標になった」と言えば、FB竹之下も「春は不戦勝で悔しい思いをした。(春の決勝と同じ日にあった)練習試合で負けたから、1年間、目標になった。決勝で東福岡と対戦できて良かった」と話した。

ステップを切る報徳学園SO伊藤

植浦キャプテンは「(相手より上回っているのは)FW(フォワード)、BK(バックス)ともに走り回ってハードにプレーできるところ」といえば、SO伊藤は「大会を通してランニングラグビーが成長している。もっと成長して観客を楽しませるようなラグビーがしたい。内もFWが頑張ってくれていて、外にもいい選手がいるのでボールを供給して、前が空いたら自分が突破しチームを前に運びたい」、FB竹之下は「ポジションとチームでの役割をしっかり果たしてチームに勢いづけたい」と闘志を燃やしている。

Aシード同士の激突となった102回目の花園の決勝は1月7日(土)午後2:05にキックオフされる。東福岡が6大会ぶり7度目の優勝なるか、それとも報徳学園が花園初制覇を成し遂げて、史上4校目の高校「3冠」に輝くか。今季の高校ラグビーのクライマックスを大いに楽しんでほしい。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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