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ラグビー コラム 2023年1月4日

準決勝はAシードとBシードが対戦、報徳学園vs.天理、東福岡vs.京都成章。全国高校ラグビー大会

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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1月5日(木)は準決勝が行われる花園ラグビー場

いよいよ「花園」こと、全国高校ラグビー大会は残り3試合。12月27日から大阪・東大阪市花園ラグビー場を中心に有観客で行われてきた大会は、1月5日に準決勝2試合が行われてファイナリストの2校が決まる。戦後初となる関西以西の高校のみが残った準々決勝後、抽選が行われ、準決勝の組み合わせは下記の通りとなった。

◆1月5日(木)準決勝(★:Aシード ☆:Bシード)
12:45 天理(奈良☆)vs. 報徳学園(兵庫★)
14:30 京都成章(京都☆)vs. 東福岡(福岡★)

準決勝に先立って11:00から「第15回U18合同チーム東西対抗戦」が30分ハーフで行われる。この試合は部員不足により、単独校で花園予選に参加できない高校生が「花園」に立つチャンス。

東西のチームの選手たちは、今年度の新人大会に15人制の試合に参加できず、夏に開催された「KOBELCO CUP 2022 第18回U18全国高等学校合同チームラグビ大会」に参加した選手から選抜された。

12:45から行われる第1試合は史上4校目となる高校「3冠」を狙う、Aシード報徳学園に18大会ぶりにベスト4に入ったBシードの天理がチャレンジする。

長短のパスでゲームをコントロールした報徳学園SO伊藤

2回戦、3回戦とミスが多かった報徳学園。東海大大阪仰星(大阪第3)との準々決勝でも、2トライを先制されて0-14とリードされるが、そこから一気にスイッチが入った。SO伊藤利江人(3年)中心に持ち前のアタックが冴えて5連続トライを挙げ、31-21と会心の勝利。昨季の3回戦で敗れた前回王者に勝って、25大会ぶりのベスト4に駒を進めたことは大きな自信となろう。

FL(フランカー)植浦慎仁キャプテンは「ラグビーを楽しむ気持ちと、勝ちたい気持ちが出せた」と言えば、西條裕朗監督は「(準々決勝を振り返って)FWが走って、身体を張って頑張ってくれました。BKには自信があって、相手にもプレッシャーになった」と選手たちを称えた。報徳学園は準々決勝で見せた精度の高いアタックで、同校史上初となる決勝戦を目指す。

相手の突破を許さなかった天理ディフェンス

対するBシードの天理。3回戦、準々決勝と粘り強いディフェンスで勝ち上がってきた。特に準々決勝の長崎北陽台(長崎)戦では、春のサニックスワールドユースで19-28と敗戦していた相手を1トライに抑えて、ディフェンス面での成長の跡を見せた。アタックでは課題が残るものの、1年生WTB(ウイング)内田旬のトライで8-5と勝利し、18大会ぶりのベスト4に駒を進めた。

6度の優勝を誇る名門・天理。松隈孝照監督は「(準々決勝)ブレイクダウンは(試合中に)修正し、ディフェンスは良かったが、トライを取らないと勝てない」と気を引き締めた。天理としては攻撃力の高い相手をディフェンスで止めてリズムを作り、アタックに転じて勝利を呼び込みたい。

14:30から行われる準決勝の第2試合は、10年連続準決勝に進出したAシード東福岡と、初優勝を狙うBシードの京都成章の対決となった。両校は花園で3季連続の対戦で、一昨季は準決勝で対戦し、京都成章が24-21で、昨季は準々決勝で対戦し東福岡が31-25で勝利している。

キッカーも務める東福岡SH高木

東福岡は準々決勝で佐賀工業(佐賀)と対戦し、苦戦しながらも、決定力の高いSH(スクラムハーフ)高木城治、ケガから復帰したSO(スタンドオフ)高本とわ(ともに3年)を中心にFW(フォワード)、BK(バックス)が一体となったアタックと粘り強い守備で24-18と逆転勝利を収めた。

6度の優勝を誇る東福岡だが、昨季まで5年連続ベスト4敗退で準決勝は鬼門となっている。ただ、藤田雄一郎監督は「選手達も身が引き締まって、花園で伸びるチャンスになる。いい刺激を与えてもらった。このメンバーはもう一山越えないといけない」と意気込んだ。今季の東福岡は、ハイパントなどキックの使い方も上手い。守備の強い相手に対してしっかりアタックしてトライを取りきることが勝利への近道となろう。

ディフェンスで身体を張る京都成章

準々決勝ではフィジカルに長けた大阪桐蔭(大阪第2)と対戦したBシード京都成章。「乗ると今季のチームは強い」と湯浅泰正監督と話していた通り、武器であるディフェンスが冴えて15-12で勝利して、2大会ぶり5度目の準決勝進出となった。チームの中心は今季からPR(プロップ)からNO8になった森山飛翔と、SO本橋尭也(ともに3年)の共同キャプテンだ。

SO本橋は「ディフェンスも手応えがあったが、(外から)声があるから、いいアタックができている」と攻撃にも手応えを感じている。京都成章としては武器であるディフェンスで失点を抑えつつ、チャンスでは確実に取り切りたい。昨季のリベンジを果たし、2度目の決勝進出なるか。

準決勝2試合はともにAシード vs. Bシードという構図となった。Aシードの東福岡と報徳学園が貫禄を見せるのか。それともBシードの京都成章と天理が意地を見せるのか。準決勝も高いレベルでの試合が大いに期待できそうだ。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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